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子どもに持たせたい! eSIM対応キッズウォッチは、歩いて貯まるポイントでAirPodsがもらえる

2022年01月31日 12時00分更新

文● 山根康宏 編集●ASCII

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コロナ禍での運動不足解消に!
ヨーロッパ発の子ども用スマートウォッチ

 ヨーロッパなどで子供向けのスマートウォッチを展開しているXplore Technologiesが、CES 2022で最新モデルを展示しており、なかなか興味深い製品だったので紹介したい。上位モデル「X5 Play」にはeSIMモデルもあり、スマートウォッチ単体だけではなく通信サービス、さらには日々の運動をポイントとして獲得し、自社マーケットで使えるプラットフォームも展示されていた。

Xplore Technologiesの子供向けスマートウォッチ「X5 Play」

 X5 PlayはチップセットにSnapdragon Wear 2100を搭載した4G対応スマートウォッチ。イギリスでの販売価格は159.99ポンド、約2万5000円だ。ディスプレーは1.4型(240x240ドット)、バッテリーは800mAhで連続72時間の利用が可能、ディスプレー右上にはビデオ通話対応の200万画素カメラも搭載する。

X5 Playのパッケージ。eSIM版もある

 OSはAndroid 4.4、UIは独自でアプリメニューには4つのアイコンがある。アプリの追加はできず、内蔵アプリは通話(音声・ビデオ)、チャット、SMS、カメラ、フォト、アラーム、ストップウォッチ、音楽、歩数とシンプルだ。

X5 Playのアプリ画面

 さてXplorerは販売国によってはMVNOなどと組んでSIMカードもセット販売を行なっている。イギリスではプリペイドMVNOのgiffgaffと提携しており、X5 Playを買うとSIMカードが付属してくるとのこと。SIMカードの通信料金は通話とSMSが使い放題、データ500MBで6ポンド/月(約930円)。ブラウザーが搭載されておらずデータ通信は主にビデオ通話で使うことを考えると容量は十分だろう。

 このX5 PlayにはeSIM版が開発中であり、近日中に発売予定とのこと。eSIM版のメリットは電源を入れてすぐにキャリアのネットワークを使えることだという。現状ではパッケージ内に入っているSIMカードを購入者が自分でセットしなくてはならない。また、パッケージに入れるSIMカードも販売国ごとに用意しなくてはならない。

X5 PlayのSIMカード版(下)は本体横にSIMスロットがある。eSIM版(上)はつぶされている

 これがeSIMになれば、複数のeSIMをあらかじめセットしておき、購入者は自分の国で使えるキャリアを選べるわけだ。将来的には同じ国でも複数のeSIMを用意すれば、キャリア間での料金競争によりユーザーはより安い通信料でスマートウォッチを使うことも可能になるだろう。

設定画面からeSIMを呼び出す。スマートフォンでQRコードを読み取れば開通できる

日本での発売は予定ナシだが
子どもたちの安全のためにも投入希望

 X5 Payは現在イギリス、ドイツ、スペイン、アメリカ、カナダなどで販売されているという。各国では今後eSIM版が投入される予定だ。一方、それ以外の国へも販路を広げるため、物理SIMカード版も併売されるとのこと。スタッフによると現時点では日本での販売予定はないとのことだが、子供の安全を考えればこの手の製品の販売はぜひ検討してほしいものだ。

非eSIM版(左)とeSIM版(右)のネットワーク周りの設定メニュー

 Xplorerは子供たちにより積極的にスマートウォッチを使ってもらうために、ポイントプログラム「GoPlay」を展開している。ポイント名は「Xplore Coin」で、1000歩歩くごとに1 Xplore Coinが付与される。子供たちは日々歩くだけでポイントをゲットできるのだ。またXplorerのウェブ上では歩数上位者を発表するなどのキャンペーンも行なわれている。新型コロナウィルスの影響により自宅学習が増える中、子供たちに運動の機会を増やすこともできるだろう。

1000歩歩くと1 Xplore CoinがゲットできるGoPlayプログラム

 集めたポイントはGoPlay Storeで商品と交換できる。GoPro Hero9が12000ポイント、AirPodsが9000ポイントなど魅力的な製品もあるが、それぞれ必要歩数は1200万歩、900万歩とハードルは高い。とはいえ子供たちも「いつかはAirPods」と夢を見ながら日々運動に励むだろう。なお、交換ポイントの最低の商品は200ポイント(20万歩)からとなる。

2~3年はかかりそうな商品もあるが、夢を感じられる

 Xplorerははスペックを落としたスマートウォッチ「XGO2」も販売している。イギリスでの価格は99.99ポンド、約1万5000円。チップセットはUNISOC SC9820Eで4G対応、このチップは海外でイエデンワタイプのAndroid端末などに使われている。ディスプレーは1.4型(240×240ドット)とX5 Playと同じだが、ゴリラガラスは使われておらず保護フィルムが必要だろう。ディスプレー埋め込みのフロントカメラは30万画素と低画質。バッテリーは60時間の利用が可能だ。

低スペックモデルのXGO2

 このXGO2もSIMカードバンドル販売が行なわれている。スマートウォッチを通して子供たちの健康を促進し、そこから将来的には運動データなどのビッグデータ解析により新たなビジネスを展開することも可能になるのだろう。そう考えるとスマートウォッチを購入後、すぐにデータ通信が可能になるeSIM内蔵モデルを出すことは理にかなっているといえるかもしれない。子供向けのスマートウォッチも機能以外の面で進化が進んでいるのだ。

「通話用腕時計」からの脱却が期待される

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