「食事」要素が大きなウェイトを占めるダンジョン探索RPG
石でも虫でも喰らってやる!“異食”のサバイバルRPG『屍喰らいの冒険メシ』は予想以上に硬派なゲーム
意識することが多く、気が抜けない硬派なシステム【探索パート紹介】
ダンジョン探索は3Dでランダム生成されるマップを、自由に歩き回って行なう。1階層ごとに敵を倒しつつ採取や宝箱回収を行ない、階段(青いポータル)を見つけて次の階層へと移動するのが大まかな流れだ。
ダンジョンはリアルタイムで時間が進行(右上の表示)。18時を境に昼夜が切り替わり、敵が強くなるシステムも
敵の背後を取れば有利になるし、敵に背後を取られれば不利になる。とりわけ採取中に敵に見つかるとやっかいなので、常に周囲を見渡すクセを付けておきたい(画像は不利な状態のもの)
敵のシンボルに当たるとシームレスに戦闘へシフトするので、テンポが非常にいいのは◎。敵の背後や横から攻撃すると命中率が上がるのはSRPGでお馴染みのシステムだ。
敵を囲んで攻撃すると、仲間との連携アタックが確率で発生。キャラクリエイト時に自分が設定したカットインが「シャキーン」と出てくるのは気持ちいい!
基本は(カロリーがもったいないので)通常攻撃で戦うことが多かったが、ここぞという場面ではスキルを使うことも。複数の敵を攻撃可能な剣士の技「アキレス」や、仲間を回復する「ヒール」などは重宝する。
魔法使いは初期から炎・風・水の3属性と無属性の魔法を使える。敵の属性耐性(画像右下)を見ながら任意の魔法を使っていこう
時間を気にしながら敵の所在を把握しつつ素材を採取して、カロリーや水分も適時補給するという、けっこう探索パートでは考えること、意識すべきことが多い印象だ。
ときにはモンスターフロア(仮称)に行き着き、大量の敵に囲まれるなんて場面も。倒した敵を「屍喰らい」で捕食すると、“その戦闘に限り”強力なバフ効果が発動するので、素材が取れなくなるデメリットを押してでも喰らう選択肢を視野に入れておきたい
ボス戦では取り巻きに「屍喰らい」をすると、「飛眼特攻」の特攻効果が付き、ものすごい大ダメージを与えられるように。これもまた本作ならではの戦術要素の1つと言えるだろう
なお、倒された仲間を調べると、その遺志を継ぐ形で残った仲間(調べたキャラクター)に大量の経験値が入る。ところどころにある祭壇で、戦闘勝利時に手に入る「魔石」を消費すれば復活は可能だ。ただ、2回目以降はべらぼうな魔石数が求められるので、なるべく仲間を倒されないよう立ち回りたい。
倒された仲間を戦闘中に「屍喰らい」すると……?
なんかすごい回復して特殊効果がいっぱい付いた! しかし数ターン後に“劇物”の効果により自滅。やっぱり仲間を喰ったら天罰が降るってことだね、うん
主人公(最初の1人)が倒されるとゲームオーバーで拠点に戻され、Lv1になり、アイテム(装備以外)は全ロストとなる。10階層のボスを倒すと11階層から挑戦可能になるが、基礎ステータスが上がっていないと再挑戦しても即全滅する羽目になるので注意。
階層選択画面。基礎ステータスは最初に比べて爆上がりしてるし、装備も残ってるし行けるかなと思ったが、1戦であっさり拠点へカムバック。おとなしく1階層から出直し、ステータスを強化していくことにした
あらゆる食材を糧にキャラクターを強化!【冒険メシ紹介】
ダンジョン探索で消費した“カロリー”と“水分”を補給するのが、階層移動時に選べる休憩パート。敵が強い時間帯の夜を避けて朝まで休んだり、食材を調理して料理を食べたりする。
たき火を囲みながら今後のことを話しあっているであろう冒険者たちは、浮かない表情だ
冒険中に得た食材をチェックして……と。さぁ、ここから序盤に作れるさまざまな「冒険メシ」たちを紹介していこう。
本作の調理システムは、任意に選択できる食材の組みあわせ(最大5つ、重複可)と、所持している調理道具に応じて開放される調理方法(例:フライパンで“焼く”、鍋で“煮る”など)で決まる仕組みとなっている。
作る前からどの料理ができるかの結果が見える(初見はシルエット)ので、手持ちの食材のなかから手当たり次第に“いい料理”ができる組みあわせを探せるのが特徴。こういう試行錯誤、嫌いじゃない
なお、調理はレシピからもできるので、そういうのが面倒な人でも手軽に料理を作れる点は配慮が行き届いていると感じた。というかこっちのほうが「手持ちの食材から作れるもの」が可視化されて便利
料理を食べると、カロリーと水分の補給+料理スキルで強化されるほか、“幸福度”も増減する。ゲテモノを食べると数値が下がり、ステータスも下がって本調子で戦えなくなるので注意
下がった幸福度を再び上げればステータスも本調子に戻るので、料理はゲテモノ→まともな料理の順に食べるのがよさそうだ
肉類を2つ選ぶと作れる“焼いた肉”。カロリーが大きく回復するのと“攻撃力上昇”のスキルがあるので、アタッカーに食べさせたい料理だ
料理を食べることで、カロリーと水分の補給だけでなくキャラクターのステータスを強化したり、さまざまな特殊効果を得られる。これは、主人公の死亡またはリタイアで拠点に戻るまで継続する。
“小さな卵”を3つあわせた“スクランブルエッグ”。防御力と採集速度が上がる。ガンガン食べて強化するのが、探索を長く続ける秘訣か
“キュウスイソウ”と草などをあわせるとできる“生サラダ”。水分補給に適しており、性格「健康志向」のアマンダに食べさせると追加の成長ボーナスが入った
ここまでは“まともな”料理。ここからが本作が“異食”と呼ばれる理由となる料理たちだ。
虫類を2つあわせると作れる“串焼き虫”。食欲はわかないが、カロリー回復効果は高い
“目玉”を3つ集めて焼いた“目玉焼き”。お、おれの知ってる目玉焼きじゃない!
“痛んだ内臓”と“普通の水”をあわせた“モツ煮込み”。見た目はともかく、栄養はいいらしい
“小さな石”と“枯れた草”などを組みあわせて作る“貧乏料理”。まさしく「石にかじりついてでも……」というやつで、成長効果はなにもない。が、素材が余りやすいので非常食にはなる
もちろんこれらはまだ序盤で作れる料理の一部であり、見た目も比較的まともなものばかり。人類が生理的に受け付けない虫の代表格である「黒光りする何か」も食材となる(しかも効果がやたらよい)。
また、本作はそうしたゲテモノを食べるのもだいご味の一つだが、やはり純粋にハクスラダンジョンRPGとして楽しみたい人もいるだろう。そんな人にはオプションで「表現規制」をかけることで、ゲテモノ食材&料理については見た目が隠される仕組みが用意されている。
表現規制を「あり」にした調理画面。見た目がグロい系の食材はアイコンがシルエットとなり「CENSORED(検閲)」という文字で隠されるようになる。アイテム自体は拾えるし使えるため、ゲームの難易度に影響はないので安心してほしい
食材や料理の説明文のほか、サイドストーリーが書かれた読み物なども必見。フレーバーテキストを読み込んで楽しむのも、本作の魅力の1つだ(総じて、ゲテモノのほうが文章に熱が入っている気も)