「恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜」ロケ地・横浜市立盲特別支援学校より弱視あるある 第9回

【連載】見える人(晴眼者)と、見えない・見えにくい人の絆

文●横浜市立盲特別支援学校専攻科/横浜LOVEWalker

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 日本テレビ系で毎週水曜よる10時から放送中の「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」は、弱視の高校生が主人公のドラマです。その舞台に横浜市立盲特別支援学校が使われています。本校は、およそ130年の歴史ある学校です。視覚に障害のある幼児児童生徒への教育活動を行なっています。

 まったく見えない全盲の人と、見えにくいロービジョンといわれる弱視の人がいますが、本校では在学者の多くが弱視です。この弱視について、本校公認キャラクター「しもん」と、弱視の職員で「みゆき」と「まちこ」の3人が弱視あるあるについて話をしていきます。

 ドラマの放送と同様に、残すところあと2回となりました。第9回は、「パラリンピックのスポーツ以外にもあります! 視覚障害者スポーツ!についてです。」

もしもお目めに合いましたら、読んでみてください。

 前回の記事はこちら
【連載】事前準備が肝心かなめ! 楽しくお出かけ♪

※過去の連載記事はこちら:「恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜」ロケ地・横浜市立盲特別支援学校より弱視あるある

しもん:見えにくくなると運動不足になりがちだよね。

みゆき:中途で見えなくなって盲学校に入学した人が、「スポーツはあきらめた」って言葉を聞くたびに泣きそうになる。

まちこ:スポーツすることをあきらめないで欲しいね。

しもん:今年は東京2020パラリンピックが日本で開催され、知らない障害者スポーツもたくさんあったと思ったなー。

みゆき:うちの学校からも聖火リレーに選ばれて走る予定だった生徒さんがいるよね。

まちこ:実際にはコロナの3密防止で走れなかったけど、トーチを学校にいただきました。

東京2020パラリンピックトーチ

しもん:ドラマの空ちゃん(主人公・ユキコの友達:田辺桃子)もマラソンしてるよね。

みゆき:「絆」っていうロープを持って走るんだけど、伴走者と走者の息を合わせるのが難しいんだよね。

まちこ:「絆」は、介助者のひじを持って歩く「手引き」と違って、ひじから情報が伝わってくるわけじゃないから、息をピッタリ合わせてもらえたら、本当に一人で走っている気分になれる。

しもん:見えなくなってもそんな感覚で走れるのはすてきだね。盲学校でも走っている人いるの?

まちこ:学校の周りを走っているよ。坂ばっかりできついんだけど。

みゆき:視覚障害者はマラソン人口多いよね。

しもん:東京パラリンピックでマラソン走っている人見たよ。

みゆき:そうそう、女子で金メダルとったり、56歳でメダルとったりしてたよね。

まちこ:男子も、銅メダルとったんだよ。

しもん:盲学校も大会なんかあるのかな?

みゆき:普通に市民マラソン大会に出たりしてるよね。

まちこ:そうそう、チームで練習して駅伝大会にも出るよ。

しもん:伴走してくれる人そんなにいるの。

まちこ:たくさんいるけど、もっと増えて欲しいな。

ジョギングやマラソンをする際、「絆(きずな)」というロープを持って、伴走者と走者の腕の振りを合わせて走ります

しもん:生まれつき弱視のみゆきは何かスポーツはしてたの?

みゆき:中学の時バレーボール部だった。

まちこ:どうしてバレーボール部を選んだの?

みゆき:バスケットボールは大きいけど、体育館の色に同化するから除外。

しもん:確かに

みゆき:テニスと卓球はボールが小さいから見えない。

まちこ:そうだね。

みゆき:そのころやっていた「アタックNo.1」のアニメが好きだったから、バレーボール部に決定。

しもん:チャレンジャーだね。

みゆき:でもアタックを打てたことがなくて、悔しかったな。

まちこ:片目で距離感ないのに空中に浮いたボールをジャンプして打つのは至難の業だね。

みゆき:だけどみんなが協力してくれたからいい思い出だよ。

しもん:ところで、うちにも部活があるよね。

まちこ:そうなの。それではまだパラリンピックの種目に入っていないけれど、うちの盲学校で部活がある2つのスポーツをご紹介します。

しもん:ひとつめはフロアバレーボール。

みゆき:盲学校に入学して、フロアバレーボールに出合えて初めて、アタックを打つことができたよ(感動)。

まちこ:床を転がすからボールを目で追えるし、転がる音を聞くことができるね。

みゆき:床からネットまでの高さは30cm。

しもん:ネットの下を転がすスポーツなんだよね。

みゆき:前衛3人、後衛3人の6人制。

まちこ:前衛はアイマスクをして、音と声を頼りに動く。

しもん:後衛はボールと前衛の位置を考えながら指示を出し、動く。

まちこ:バレーボールをボウリングを投げるようなフォームでアタックします。

みゆき:目の見える人たちも、前衛ではアイマスクをして一緒に楽しんでいます。

しもん:ちなみに横浜市立盲特別支援学校はフロアバレーボール発祥の地です!!

130周年記念 「フロアバレーボール発祥の地・横浜」モニュメント

フロアバレーボールの様子

しもん:ふたつ目はサウンドテーブルテニス。

みゆき:鉄の小さな球が4つ入った音のするピンポン球を使って、卓球台の上を転がします。

まちこ:ラケットはラバーが貼られていない板を使い、音が出るようにします。

しもん:卓球台の縁が少し高くなっていて、ピンポン球が落ちないようになっているんだ。

みゆき:スマッシュして相手のコートの縁の壁に当てて、ピンポン球が台から落ちなかったらポイント。

まちこ:強く打ちすぎたり、横にそれるとピンポン球が落ちてしまうので失点。

しもん:アイマスクをすれば誰でも楽しめるスポーツ。

サウンドテーブルテニスの様子

みゆき:障害者スポーツはどれも晴眼者と協力し合って絆が深まるものばかりです。

まちこ:障害者スポーツをもっともっとみんなに知ってほしいね。

 まだまだ3人、いやっ2人と1羽の話は続きます。

 次回も読んでいただけたらうれしいです。

 もしも、お目めに合いましたら。

「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」

 日本テレビ系で毎週水曜夜10時から放送中。

 勝ち気だけど恋には臆病な盲学校の女の子・赤座ユキコ役の杉咲 花さんと、喧嘩上等だけど根は純粋なヤンキー・黒川森生役の杉野遥亮さんによる新世代ラブコメディー!

文/横浜市立盲特別支援学校専攻科
「みゆき」と「まちこ」のイラスト/関口 千秋
「しもん」のイラスト/横浜市立盲特別支援学校

プロフィール
しもん:横浜市立盲特別支援学校、略して市盲が名前の由来。校章の幸福の青い鳥がご先祖様。公認キャラクター就任1年目。
まちこ:13歳で網膜色素変性症(色変)と診断。徐々に視野狭窄が進行。黒猫をめでながらお酒を飲むのが大好き。
みゆき:生まれつき弱視。右目は緑内障で13歳の時失明。ハンドミルでコーヒーを入れてその香りと共にチョコレートを楽しむのが習慣。