こんにちは、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会(以下、当協会)の代表理事の吉政忠志です。今回はPython 3 エンジニア認定試験(以下、Python試験)を初めて聞いた方もいると思いますので、速報としての「経済産業省ガイドラインITSSのISVマップに登録」というニュースと合わせて解説していきたいと思います。
空前のPythonブーム
Pythonは30年前に生まれた歴史あるプログラミング言語です。以前から国内外のコミュニティの皆様の活動により利用者が増えてきている言語でもあります。それが何故、この数年で一気にブームになったのかという話ですが、Pythonが代表的に使用されている分野である「AI」「機械学習」「ビッグデータ」「インフラの自動化」の市場が同時にかつ急激に盛り上がっているからだと私は思っています。
「AI」「機械学習」「ビッグデータ」「インフラの自動化」のどれをとっても大きな市場であり、それらが同時に盛り上がれば、その中心的な技術であるPythonの盛り上がりはとても大きくなります。公開されている市場データを見ても、これから学びたいプログラミング言語や、今学んでいるプログラミング言語でも、2位以下と2倍以上の差をつけて1位になっているのがPythonだったりします。
しかも長年様々なプログラミング言語の認定試験に携わってきた経験から述べさせていただくと、Pythonは非プログラマーの方の受験がとても多く、Python試験においては全体の半分が非エンジニアの方の受検になっています。これは、ネットワークのみならず、業務の自動化や、データ分析業務にPythonが多く活用され始めていることの表れになっています。業務や保守の自動化のニーズは今後もなくなることはなく、業務効率や作業効率の向上を行うために各企業が積極的に活用していくはずです。
「AI」「機械学習」においては敢えて言うまでもなく、将来にあたってもシステム開発の中心的な分野になりますので、現在の空前のPythonブームは今度もますます拡大していくと考えています。
Python試験が経済産業省ガイドラインITSSのISVマップに登録
Pythonブームにより、Python試験は4年目で年間受験1万人を達成しています。そして、経済産業省が定めたガイドライン「ITスキル標準(ITSS)」のキャリアフレームワークと認定試験・資格とのマップに、基礎試験、データ分析試験ともに、職種:ソフトウェアディベロップメント、専門分野:応用ソフトのレベル1に掲載されました。
そもそも経済産業省ガイドラインITSSとは何かという話ですが、ITSSは、経済産業省が定めている個人のIT関連能力を職種や専門分野ごとに明確化・体系化しIT人材に求められるスキルやキャリアを示した指標です。そのスキルやキャリアアップのための学習ガイドラインであるISVマップにPython試験がこの度登録されたのです。これにより多くの企業がソフトウェア開発エンジニアの育成の指標にPython試験を加えることになり、Python試験の受験者数がますます増えることが予想されます。
ちなみに、ITSSのISVマップにはどんな試験でも簡単に掲載されるわけではなく、受験者が多く、認定制度としてしっかりとしたものでないと掲載されないため、当協会としても大変光栄なものです。
現在登録されているのは、以下の2試験になります。
Python 3 エンジニア認定基礎試験 Python 3 エンジニア認定データ分析試験
※両方とも職種:ソフトウェアディベロップメント、専門分野:応用ソフトのレベル1に登録されました。
当協会が提供するPython試験はPythonicとPythonZenというPythonを書く上で重要なお作法に準拠しています。PythonicとPythonZenを守らずにPythonを書くと、書いたコードの品質や保守性が悪くなったりすることもありますので、これから学ぶ方は是非、PythonicとPythonZenを意識するとよいと思います。次回はPythonicとPythonZenについて簡単に紹介したいと思います。
執筆者:吉政忠志
一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 代表理事。その他、PHP試験、徳丸試験、KUSANAGI試験、Rails試験、Pythonによるネットワークの自動化試験を主宰。その他、大手企業を中心にマーケティングアウトソーシングを提供する吉政創成株式会社の代表取締役を兼任