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今年はオンライン・オフラインのハイブリッドで開催

PyCon JP 2021で現役棋士が語るPythonとDLの胸アツプロジェクト

2021年11月10日 10時30分更新

文● 野田貴子 編集●MOVIEW 清水

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 2021年10月15日から16日にかけて、PyCon JP 2021がオンサイト(東京)とオンライン(Zoom&Discord)のハイブリット形式で開催されました。PyCon JPは、Python言語やPythonを使ったソフトウェアについて情報交換し交流するための技術イベントで、毎年開催されています。

 例年はオンサイト(東京)で開催されていますが、昨年2020年はコロナウィルスの影響によりオンラインで開催されました。今年2021年は、1日目はオンサイトとオンラインのハイブリッド、2日目はオンラインのみ、という新しい試みで開催されました。

基調講演ではプロ棋士・谷合廣紀氏が3つの将棋プロジェクトを紹介

 イベントの初日が始まり、運営チームからの案内が終わると、谷合廣紀(たにあいひろき)氏による基調講演『将棋とPythonの素敵な出会い』が始まりました。なんと、2020年の基調講演に引き続いて2021年の基調講演のテーマも「将棋」です。

 谷合氏は将棋のプロ棋士であり、東京大学大学院情報理工学系研究科の博士課程に籍を置いています。自他ともに認めるお酒好きで、将棋とお酒の縁を巡ってPythonに出会いました。2016年にPythonを始めてからディープラーニングにハマり、2年後の2018年には『Pythonで理解する統計解析の基礎』という書籍を出版されています。

 「チェスは人工知能のショウジョウバエ(Chess is the Drosophila of Artificial Intelligence.)」という言葉があります。遺伝学がショウジョウバエを題材に進化したように、AI研究もチェスや将棋などのボードゲームを相手に進化してきたことを表現しています。今ではチェスだけでなく将棋でもAIが人間よりも強くなってしまいましたが、そのような中で、今後、棋士という仕事は成り立つのだろうかと不安に思う人もいるでしょう。しかし、谷合氏によるとこの心配は杞憂に終わるだろうとのことです。なぜなら、結局のところ人間は、人間同士の戦いに心惹かれるということ、そして、むしろAIのおかげで人間同士の勝負が盛り上がっていることが理由です。

 この講演で谷合氏は自身が開発した3つの将棋プロジェクトを紹介しました。1つ目は、ディープラーニング(DL)系の将棋AI「BERT-MCTS」。従来のDL系モデルでは3マス×3マスの狭い盤面を解析していたため、飛び駒(飛車、角行、香車)との相性がよくありませんでした。そこで、Transformerという自然言語処理で利用される深層学習モデルを使い、9マス×9マスの盤面全体を自然言語として解析しました。BERT-MCTSはなかなか強かったそうですが、ほかのモデルとの比較ままだ行っておらず、教師データの質が良かった可能性を挙げています。また、文章の解析を行うTransformerは、単語と単語の関係性を示すことができます。これを将棋に流用し、注目し合っている駒同士をハイライトできるようにもしました。これは将棋の初心者向けの機能として活用できそうだとのことです。

 2つ目のプロジェクトは、将棋研究用のツールです。棋士がよく使う将棋AIと棋譜データベース(関係者外秘)はそれぞれ独立したシステムであり、双方をスムーズに連携する適切なツールがなかったため、谷合氏がElectronで自作しました。PythonではなくJavaScript製のツール(Electron)を紹介したことについては、「JavaScriptは同じスクリプト言語なので実質Python(なので問題ない)」と述べていました。この冗談は参加者にウケていました。

 3つ目のプロジェクトは、棋風の可視化です。「攻めの棋風」や「受けの棋風」を数値化し、グラフにプロットしました。今後は、特定の棋士を模倣するAIなどに活用できそうだとのことです。

 最後にまとめとして、2つの大事なことが伝えられました。1つは、谷合氏のような「棋士×エンジニア」というデュアルスキルの強みについて。エンジニア以外では語学やYouTuberなど、「棋士×何か」を台頭する人が増えているとのことです。これは、「何か×エンジニア」という逆のパターンもありえますね。もう1つは、将棋界にはまだまだITで解決すべきことがあり、将棋AIがC言語からPythonに広がってきたため、PyConに参加している方々にもチャンスがたくさんあるというお話でした。

Pythonを始めてみたい方へオススメするPython試験を活用した学習のチェック

 これからPythonを学ぶ方やPythonを学び始めた方には​、Python試験を活用した学習のチェックをおすすめします。

Pythonエンジニア育成推進協会では、以下の試験を実施中です。

- Python 3 エンジニア認定基礎試験(来年は上位試験がいよいよ!)
- Python 3 エンジニア認定データ分析試験
- PythonZen & PEP 8 検定(2021年年内に開始予定)​

 Pythonエンジニア認定試験の合格体験記を寄せていただいた方には、「Python試験マスコット」、「ワタシチョットPythonデキルポロシャツ(MまたはLサイズ)」、「赤色水筒」、「青色水筒」、「マスク」をプレゼントするキャンペーンを行なっています。

Python試験マスコット

ワタシチョットPythonデキルポロシャツ(MまたはLサイズ)

赤色水筒

青色水筒

マスク

 さらに、最新のPythonドキュメントを誰もが無料で活用できる「Pythonオープン​ドキュメントプロジェクト」もまもなく開始されます。ぜひ、お楽しみに!

執筆者:野田貴子

会社員として自社プロダクトの開発や受託開発を行なうかたわら、プライベートでは技術コラムの執筆やイラスト制作を行なっている。

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