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裸眼で視聴できる小型のVRグラス「VIVE Flow」を体験!眼鏡を掛ける感覚に近い驚きの使い勝手をレポート

2021年11月12日 11時00分更新

文● ジサトラハッチ 編集●ASCII

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今後日本向けのコンテンツが続々登場予定!?

 体験会では、HTC NIPPON 代表取締役社長の児島全克氏(以下、敬称略)にVIVE Flowについてお話を伺う機会を得たので、開発の経緯や今後の戦略についてお聞きした。

HTC NIPPON 代表取締役社長 児島全克氏

編集部 よろしくお願い致します。VIVE Flowをこういった製品にされたのは、何かしらの戦略があったのでしょうか。

児島 世の中が5G、6Gに移行しつつあったため、当初から5G対応でという戦略はありました。何年か前に「LINK」という製品を販売していた時よりも5Gと通信速度も向上し、対応コンテンツも増え、レイテンシーも問題にならない性能になったため、通信と親和性のあるデバイスを出すに至りました。

編集部 競合メーカーがハイエンド路線に進むと言う発表をされましたが、御社として今後どういった方向に進むといった構想はありますか?

児島 VIVE Flowの量産体制が進み、たくさんの方が使っていってくれれば、それが一般化し、次世代機では性能がより向上していくと思います。ただそれよりもローコストで使い易く、お客様が満足して頂くものとしてVIVE Flowを販売致しました。

編集部 プロセッサーの冷却に空冷を採用された理由を教えてください。

児島 理由は2つあります。小型化するためと、着けていると密閉されるので、外から空気を入れて汗を飛ばすというような効果があります。

編集部 イヤホンジャックやマイクロSDカードスロットなどの搭載は、小型であるため難しかったのでしょうか。

児島 そうですね、難しいですね。音は小さくしていれば、新幹線で隣の席の人にも聞こえないほどですが、やはり気になる人もいるかと思いますので、そういった方にはBluetoothヘッドホンを使って頂ければと思います。
 弊社でもノイズキャンセリング機能を備えたBluetoothヘッドホンを本国では出すという計画があるのですが、日本では未定です。

編集部 たとえば無線でPCに接続して、PC用VRゲームを遊べるようになったりしますでしょうか。

児島 今のところそういった計画はありません。ただ、Wi-Fiにつながるので将来的には、そうした可能性もあり得るかもしれません。しかし今は弊社のVIVE Pro 2などのデバイスを使って頂ければと思います。
 ただ、VRChatなどはVIVE Flowでも使えるので、将来的にはVIVE Pro 2やVIVE Flowとデバイスの垣根を超えて、SNSで交流できるようになると思います。

編集部 何か最後に読者の方に伝えたいことはありますでしょうか。

児島 今まで以上に日本のコンテンツを増やしていく方針になっています。手軽にたくさんの人たちに提供できると思いますので、楽しみにして頂ければと思います。

編集部 本日はありがとうございました。

VIVE Flowは持ち運びも楽で場所を選べず使えるVRグラスだ

 従来のVRデバイスは、PCに接続して自宅でハイエンドなVRゲームや、VTuber活動などに使われたりしていた。しかしながら、VIVE Flowはグラス型で事前に調整しておけば、裸眼でサッと掛けて使えるため、より気軽に使えると感じた。

 最も手軽なスマホを入れて使うVRゴーグルよりは高価だが、そうした簡易VRゴーグルでは楽しめるコンテンツが少なく、毎回スマホを入れるちょっとした手間もわずらわしくなり、次第に使われなくなるケースが多い。しかしながら、まだその全貌は明らかではないが、VIVE FlowはVIVE Focusなどで培ったこれまでの豊富なVRコンテンツの移植も簡単にでき、今後楽しめる期待感がある。

 また、従来の一体型のVRヘッドセットは、それなりに大きなケースに入れて持ち運ぶしかなかったが、VIVE Flowは折り畳みができ、鞄の片隅に入れて持ち運べるサイズ。そのため、自宅以外に旅行先などでも利用でき、気軽にVRコンテンツやスマホの映像をシアターモードで楽しめるだろう。

 バッテリーは万が一の発火の恐れもあるため、頭の近くにあるのは望ましくないと考えれば、メインバッテリーをケーブル接続にしたのも得心できる。最大駆動時間が気になるところだが、スマホに接続しても使えるので、それほど気にする必要もなさそうだ。

 VIVE Flowは今までVRヘッドセットのサイズや重量をわずらわしく感じ、VRデバイスを敬遠してきた人にも、ぜひ使ってもらいたい製品だ。

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