こんな所までこだわるの!? GALLERIA(ガレリア)の品質向上の取り組みを徹底取材! 第3回
品質や効率化の向上のために、スタッフの意見を常に聞いて都度柔軟に改善!
サードウェーブのBTOパソコン製造現場に潜入! 製造の品質や効率を徹底的に上げるための数多くの工夫を聞いた
2021年11月26日 11時00分更新
パソコン専門店のドスパラを運営し、PCパーツやBTOパソコンを手掛けているのがサードウェーブ。とくにBTOパソコンは、ビジネス向けからゲーミング用途まで数多くのモデルが用意されているうえ、柔軟なカスタマイズが可能とあって人気となっている。
さらに、既存パーツを組み立てるのではなく、より高品質なBTOパソコンになるように、PCパーツメーカーと協力し、開発や特殊なカスタマイズまで行なっているというのが強みだ。以前のインタビューからも、電源やマザーボードといったパーツの品質・選定について、並々ならぬこだわりを持ってマシンを作っていることはお伝えしてきた。
もちろん、こだわり抜いたパーツを用意すれば完成ではなく、組み立てそのものも重要だ。いくら最上の材料を用意しても、調理方法を間違ってしまえば美味しい料理にはならない、といえばわかってもらえるだろう。
そこで今回、サードウェーブの綾瀬本社工場に足を運び、組み立て現場におけるこだわりについて、聞いてきた。
まず最初に、注文を受けてから出荷が行なわれるまでの大まかな流れを紹介しておこう。
1.Webや店頭からの注文受付
2.ピッキングエリアで必要なパーツを集める
3.ラインでPCを組み立て
4.OSやアプリのインストール、および、動作テスト
5.シール等貼り付け
6.クリーニング
7.付属品の確認と梱包
8.出荷
このうち、製造ラインで重要となるのが2のパーツピッキングと、3の組み立て工程だ。
ワゴンに設置された端末でパーツをひとつずつ確認
バーコード管理で間違いないピッキングに!
とくに重要なのが、パーツのピッキング。BTOパソコンでカスタマイズも豊富なため、1台1台の構成も異なる。そのため、高い精度でパーツをピッキングする体制が必要だ。
そこで綾瀬本社工場では、高精度なピッキングを実現するために、ピッキング用のエリアを明確に分け、専任の作業者によってピッキングを行なうという方式が取られている。
ここにはCPUやメモリー、ストレージ、ケースといったパーツがずらりと棚に並び、個数が少なくなれば倉庫から随時補充される仕組み。この補充はピッキングを行なう作業者とは別の人が行なうため、ピッキングの手が止まることはなく、集中して作業できるというメリットがある。
「パーツはワゴンに据え付けられたタブレットに表示されるので、どのパーツをピックすればいいのか、すぐにわかるようになっています。また、パーツに貼られているバーコードを読み取ることで、間違ったパーツをワゴンに入れてしまうということも防いでいます」(堀内氏)
パーツが整然と並んでおり、エリアを1周すれば必要なパーツが集まる。リストをみながらパーツを探してあっちこっち動き回る……という無駄が省かれているわけだ。すべてのパーツが揃うと最後に指示書が印刷され、ピッキングが完了となる。
「最後に印刷される指示書はパーツリストというだけでなく、出荷作業が行なわれるまで、組み立て中のパソコン管理に利用されます。また、この指示書には個人情報は記載されていませんので、作業者には、どちらのお客様のご注文なのかといった情報がわからないようになっており、プライバシーの保護にも細心の注意を払うよう尽力しています」(堀内氏)
こういったパーツピッキングのシステムを含む、製造システムのほとんどを自社で作っているとのこと。理由は簡単で、その方が使いやすいよう改善していきやすいからだ。
作業の精度を上げるには、手順を簡潔にし、余計な作業を極力減らしていく改善が重要だ。システムを外注してしまうと、ちょっとした変更でも仕様書の作成、発注、作業日の調整などが必要となり、どうしても対応が遅くなる。そうなると、改修されるまでは作業者が個別に対応するしかなく、いくらルールを決めたところで精度の向上は難しいだろう。なにより、作業者の負担も大きくなってしまう。
その点、自社のシステムであれば、社内の調整だけで迅速な対応が可能。試しに導入して逆効果だとわかれば、すぐに中止することも簡単だ。細かな改善でも多数積み重なれば、製造ミスの低減と製造スピードアップにつながるだけに、その都度対応できるというのはメリットが大きい。
「BTOパソコンは1台ずつ構成が違いますし、使うパーツが違えば組み立て方も変わります。それをすべて作業者の技量に任せてしまうと負担になりますから、写真入りで手順が確認できる組み立ての支援システムを作って、正確に素早く作業できるよう工夫しています。こういった細かなところまで対応できるのが、自社でシステム開発を行なっている強みです」(堀内氏)
もちろん、すべてがシステムでどうにかなるというものではないため、作業者への教育にも力を入れている。
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