町田を、そして東京を代表する淡麗系の名店が移転オープン! 超純水採麺 天国屋(東京・南町田グランベリーパーク)【ZATSUのオスス麺 in 武蔵野・多摩】第77回
2021年10月25日 12時00分更新
いつもご愛読いただき、ありがとうございます。
昨年初頭にこのコラム連載のお話をいただき、引き受けようと決めた際にタイトルをどうしようか悩みました。
私のオススメのラーメンを紹介しようというコンセプトは決まっていたものの、全国の方が閲覧する「ラーメンWalker」というサイトの中で私のような者がオススメのラーメンを紹介すると読者が困惑するのではないかと考えました。
というのも、私が現在ラーメン食べ歩きをしている行動範囲の9割が東京都下と呼ばれる「武蔵野・多摩地区」で、さらにその内の7割近くが多摩地区の中でも北西部の西多摩地区となっているので、かなりローカルネタになってしまうからです。
そこで、限られた地域のラーメンを紹介する事が予め伝わればとの思いで「ZATSUのオスス麺 in 武蔵野・多摩」と付けることにしました。
ただ、現在はこの縛りによって自分の首を絞める事になりました……。
町田・相模原エリアや、西多摩地区に隣接していて私自身もよく行く埼玉県の入間・狭山・所沢エリアなどにも良いお店がたくさんあるのに紹介出来ない……というもどかしさに少々苦しんでいました。
そんななか、先月発売された「ラーメンWalker東京2022」を眺めていると、武蔵野・多摩エリアに「町田」の文字が!
そうです「町田」は「武蔵野・多摩」なのです!
私のなかで勝手に「町田・相模原エリア」というひとつの大きなエリアをイメージしていて、今まで町田は敢えて紹介してきませんでしたが、これからは町田も「武蔵野・多摩」として紹介させていただきます!
前置きが長くなってしまいましたが、今回紹介させていただくオスス麺は、町田エリアの「超純水採麺 天国屋」!!
町田周辺は勿論ですが、東京を代表する人気店のひとつと言っても過言でない名実共にトップクラスのお店で、「ラーメンWalkerグランプリ 武蔵野・多摩 2016&2018」の総合部門で金賞に輝いた実績もあります。
町田からJR横浜線で一駅の成瀬にあったパチンコ店「玉屋光助 町田店」が経営する「地獄ラーメン 天国屋」として2007年12月12日にオープンし、当初はパチンコ客に向けたジャンクなラーメンで、屋号にも書かれている「地獄ラーメン」がウリでした。
そのラーメンは豚骨・鶏白湯に豆乳を加えたスープに、豆板醤・芝麻醤に韓国唐辛子を合わせたという濃厚な辛旨ラーメンで、私のラーメン食べ歩きの恩師で特に辛いラーメンが好きだった方が絶賛している程でした。
その後、2013年11月23日にパチンコ店の経営から独立。屋号を「超純水採麺 天国屋」と変えメニューも一新し、「ジャンク系」な方向性から真逆とも言える「淡麗系」へと完全リニューアルされました。
方向性は変わりましたが、以前の看板メニューである「地獄ラーメン」もファンの為にしっかりと現在も残されていて、実際このメニューを頼む方も多い様子。
看板メニューだった「鶏白醤油麺」は、まさに「淡麗系」を具現化したような佇まい。
阿波尾鶏のガラや手羽元を使用した清湯スープは、穏やかながらも力強さを感じる鶏の味と風味があり、そこに白醤油の優しい甘味が溶け込むように合わさった絶品の一杯でした。
鮭節を用いた「鮭節醤油麺」は、他では感じたことのない特徴的な節系の風味を感じる、素材の味を活かしたオンリーワンな一杯でした。
「豚骨ラーメン」は、ジャンク系でありながらクリーミーでマイルドに仕上げたスープが印象的でした。
リニューアルから数年経った頃から行列の絶えない超人気店となり、順風満帆に見えていましたが、今年初頭に電撃的とも言えるニュースが。
隣接するパチンコ店の閉店に伴う立ち退き勧告により、13年以上の長きに渡る成瀬の店舗が2月末で閉店されてしまいました。
ラーメンファンもそうですが、とにかく地元の方に愛されたお店で、そのファンの声に応えようとなるべく近場で物件を探し、およそ7ヵ月後の10月8日。オープンモール型の複合商業施設「南町田グランベリーパーク」の目の前という地で、ついに移転オープンされました!!
私も時間を作って、オープン3日目の10月10日に食べに行ってきました。
「体に優しい、子どもが安心して食べられるラーメン」という思いを常々持っているようで、雑誌やSNSなども含め色々なところでご主人のその思いが書かれた文字を目にします。
目の前にある「南町田グランベリーパーク」も子どもが楽しめる施設となっていて、もしかしたら「遊びがてらラーメンも食べに来て」という思いもあるのかもしれませんね。
今後のシステムがどうなっていくのかは定かでありませんが、現在は整理券制を導入していています。朝7時からマグネット型の整理券を貼り出し、好きな時間帯の整理券を取って、時間になったら再集合するスタイルとなっています。
近隣の方に迷惑がかからないようにという事を大事にしているので、整理券を取りに行く際も再集合する際も時間に合わせて行って、決して店舗前に長く並ぶような時間を作らないようにしてください。
店舗前には外観がわからない位にお祝いの花がたくさん飾られていて、ご主人がいかに多くの人に慕われているかがうかがえます。
真新しい店内は温かみを感じる空間で、検温や非接触式の消毒スプレー、パーティションやビニールカーテンなど、新型コロナウイルス対策も万全な造りとなっています。
「鶏醤油らぁめん」に「味玉」と「アグー豚ワンタン」をトッピングした一杯をいただきました。
屋号が「超純水採麺」というだけあって、水中の不純物を95%以上除去するという「RO水」を使用。こだわりの地鶏の旨味を引き出した力強い出汁感のあるもので、不思議な事に優しい味わいなのに食べれば食べるほど旨味の濃厚感が増すような感じで、あっという間に平らげてしまうような魔力を感じる美味しさ!
「子どもが安心して食べられるラーメン」という思いはブレないので、無化調にこだわった飲み干しても良いスープに仕上げてあります。
合わせる麺は平打ちの細ストレートで、しなやかな啜り心地とソフトタッチながら適度なコシを楽しめるもの。麺の味や風味を活かしつつ、スープの味や風味もしっかり連れてきてくれます。
基本トッピングには、低温調理で仕上げた鶏モモ・鶏ムネ・豚肩ロースといった3種のチャーシューなどが贅沢にのせられています。
玉子の旨味を活かした味玉や、アグー豚の旨味を楽しめる大きめなワンタンなどの追加トッピングも秀逸!
ラーメンの美味しさはもちろん抜群ですが、それだけでは無いお店自体の雰囲気の良さを肌で感じられる空間で、ご主人のラーメンを作る真摯な姿とお客さんに対しての柔らかな接客、小さな子どもに対しての優しい声かけ、そしてラーメンを食べ終えた後のお客さんの笑顔や「美味しかった」と言って帰る子どもの姿を目の当たりにすると、私まで幸せな気分になるようでした。
上質でありながら毎日でも食べたくなるような親しみやすさを持った味わいのラーメンと、心地良い雰囲気を楽しめる「超純水採麺 天国屋」は、早起きして整理券を貰いに行ってでも食べてほしいオススメのお店です!
※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。詳しくはお店の公式ツイッター(https://twitter.com/g9vegQu41Ny3lJu)をご確認ください。
10/28(木)午前11時30分から初回放映のCSフジ「ラーメンWalkerTV2」第306回で、「超純水採麺 天国屋」をご紹介します。詳しい放映スケジュールはコチラ!(https://otn.fujitv.co.jp/b_hp/912200091.html)
ZATSU
2006年に開設したブログ「ZATSUのラーメン」の管理人。武蔵野・多摩地区を中心にしたラーメン食べ歩きを始めて15年以上。現在は年間400〜500杯程度を食べ、新店コレクターでありながらも老舗店やリピートするお店も多数あり。チェーン店からファミレス、カップ麺までも愛する真性の「ラーメン好き」で、基本的に何でも美味しく食べられる幸せ者。「自分の好みのラーメンを見つけて欲しい」と言う思いをモットーに色々なラーメンを紹介していきます。
本人ブログ(https://zatsu-ke.blog.jp/)
本人Twitter @zatsu_ke