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「ハイブリッドワークの世界へ」がテーマ、製造業/ライフサイエンス向け業界特化ソリューションも

ServiceNow、NowPlatform最新版「Romeリリース」の新機能を紹介

2021年10月11日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 ServiceNow Japanは2021年10月8日、同社サービスプラットフォーム「NowPlatform」の最新版となる「Rome(ローマ)」リリースを発表した。「ハイブリッドワークの世界へ」をテーマに掲げ、「洗練された従業員体験」「ITオペレーションへのAI適用」「顧客の期待を超えるサービス体験」の3つをフォーカスポイントに、新しい職場環境を実現する数多くの新機能を提供すると発表している。

ServiceNowが提供開始した「NowPlatform Romeリリース」がフォーカスするポイント

記者説明会に出席したServiceNow Japan 執行役員 ソリューションコンサルティング事業統括本部長の原 智宏氏、同社 マーケティング本部 プロダクトマーケティング部 部長の高橋卓也氏

顧客企業の「デジタルエンタープライズ」化を支援

 ServiceNowでは年2回、およそ半年ごとに、同社が提供するPaaS/SaaSの提供基盤であるNowPlatformの新版をリリースし、新機能を投入している。今回のRomeリリースは、今年3月の「Quebec(ケベック)リリース」に続くものとなる。

 ServiceNowがソリューション提供を通じて目指すのが、顧客企業の「デジタルエンタープライズ」化を実現することだ。企業内のさまざまな業務プロセスを、たとえばRPA、AIといった複数のデジタルテクノロジーも組み込みながら「エンドトゥエンドでデジタル化」する、それが同社ソリューションの大きな役割だと、ServiceNow Japanの執行役員でソリューションコンサルティング事業統括本部長を務める原智宏氏は説明する。

 「業務プロセスをエンドトゥエンドでデジタル化することで、プロセスのどこにボトルネックがあるのか、従業員がどこで(自動化できていない、有人の)対応を迫られているのかという『プロセスマイニング』や、監査対応を強化できる『可監査性の確保』といったメリットが享受できる。ServiceNowのプラットフォームでは、ここにAIや機械学習のテクノロジーも適用して、どこに業務改善の種があるのか、従業員に何を届ければ新しい働き方が実現できるのか、プラットフォームの側からサジェスチョンを与えられる」(原氏)

業務プロセスのエンドトゥエンドでのデジタル化により「プロセスマイニング」実現や「可監査性」のメリットが生まれ、AI適用による分析や自動化も可能になる

 こうした方向性はRomeリリースにおいても変わらない。この数年間、感染症のパンデミックや地政学的リスク、大規模災害の発生といった、予見できない「不確実な世界」への適応力こそが企業競争力になると言われてきた。原氏は、デジタルエンタープライズはとりまく環境変化にもアジャイルに適応できる力を持つと述べ、それを支援していくのが今回のRomeリリースのコンセプトだと語る。

 「ビジネスプロセスをデジタル化していくことで、正しい情報を、正しいステークホルダーに、正しいタイミングで提供できる。オフィスではない場所からシステムにアクセスする場合でも正しい意思決定が行える環境、それをRomeリリースを通じて提供していく」(原氏)

 原氏はさらに「柔軟な働き方のサポート」「変化に対応しビジネスを創出する」という、DX/デジタル化が持つ2つの側面を紹介したうえで、Romeリリースにおける3つのフォーカスポイントを紹介した。

Romeリリースの具体的な新機能/機能強化ポイントを説明

 ServiceNow Japan マーケティング本部 プロダクトマーケティング部 部長の高橋卓也氏は、Romeリリースで提供されるエンハンスメントの中から、特に顧客企業にインパクトがあるものをピックアップして紹介した。

Romeリリースにおける3つのフォーカスと、主な新機能/機能拡張ポイント

 従業員体験を向上させるものとしてまず紹介したのが、従業員全体向けの新しいポータル機能「Employee Center」だ。「これまでは特定の部門や機能に閉じたポータルが多かったが、Employee Centerは単一のポータルからあらゆる機能にアクセスできる」と高橋氏は説明する。

 また勤務地や雇用形態、肩書きなどに応じたコミュニケーションができる点も特徴だという。「たとえば先日のように大きな地震が起きた場合、東京勤務の従業員だけに被害報告を求めるメッセージを出せる。あるいはエンジニア限定で『新しいラップトップを申請できます』などだ」(高橋氏)。これに加えて、新機能を追加した場合などに従業員からのフィードバックを受け付けられる機能も備えていると説明した。

 次に紹介した「Employee Journey Management」アプリは、ハイブリッドワーク環境下で入社/異動/退社する従業員をサポートする機能だ。「オフィスで勤務していれば周囲の誰かに聞けるようなことでも聞くことができず、従業員に大きなストレスがかかる」(高橋氏)。このストレスは、新しい従業員を受け入れる管理者の側でも同じことだ。

 Employee Journey Managementでは、こうしたタイミングにおける「わからないこと」の解消を支援する。「たとえば入社時に、会社全体で決まっている申請作業を案内するだけでなく、エンジニア部門だったらこの講習を受けてくださいとか、わからないことがあればこのメンターに聴いてくださいといった案内を事前に登録しておいて、従業員にストレスがかかりがちな瞬間をサポートする」(高橋氏)。

Romeリリース新機能「Employee Center」および「Employee Journey Management」の概要

 AIによるITサービスオペレーションの効率化については、まず「Automation Discovery」を紹介した。これはServiceNowアプリケーションを活用して自動化できる作業のうち、どの機能を使えばどの程度の効果が得られるのかを顧客の実データに基づき分析し、そのトップ10をリストアップするというものだ。「これにより、どのAI(自動化)機能を使えば自社の生産性が高められるのかを即座に判断し、有効化できる」(高橋氏)。

 もう1つ「Health Log Analytics」の機能拡張も紹介した。ダッシュボードのユーザー体験を向上したほか、パブリッククラウドやオンプレミス(エージェント)のログも取り込んで一元的に分析/可視化できるようになった。加えて、MSP向けにユーザーごとのドメイン分離もサポートしている。

「Automation Discovery」および「Health Log Analytics」の概要

 顧客体験の向上については、まず「Playbooks:Focused Layout」を説明した。顧客窓口で対応するエージェントが参照する画面で、過去の対応履歴に基づくプレイブック(対応手順)を自動表示することで、まだ習熟度の低いエージェントがリモートワーク環境で働く場合でも対応品質を高められる。画面左にプレイブック、右に同様のケースにおける対応履歴が表示されるため、スピーディな対応も可能になると説明した。

 またモバイルアプリ開発ツールが、従来の「Mobile Studio」の後継である「Mobile App Builder」としてリニューアルされ、画面ステップの追加/削除が容易にできるようになっている。

「Playbooks:Focused Layout」および「Mobile App Builder」の概要

 もう1つ、NowPlatformを使ってノーコード/ローコードでのアプリ開発ができる「市民開発プラットフォーム」における機能拡張も紹介した。これはエンドユーザー/事業部門が自らアプリを開発するための機能だが、リモートワーク環境下では他のユーザーと同じ内容のアプリを開発してしまったり、IT部門のガバナンスが効かなかったりする課題があった。そこで共同開発/コラボレーション機能、開発者に対する柔軟な権限設定機能などを追加した。またソースコードへのアクセス権を一元管理する機能も追加している。

 なお、NowPlatform上におけるノーコード/ローコード開発の普及度合いについて、原氏は「いわゆるテックカンパニーだけでなく、金融機関の顧客、製造業の顧客などでも、業務部門主体で業務アプリケーションを自ら開発し、実際に効果を上げているケースもだいぶ増えている」と述べた。また高橋氏は「たとえばコロナ禍で、出社率を測る、座席予約システムがすぐに欲しいといったニーズが生まれたときに、現場の方が1日2日でアプリを開発してリリースしたという話を聞いている」と説明した。

ServiceNowが提供するインダストリーソリューションのアーキテクチャ。同じNowPlatform上で構成されるが、業種ごとのデータモデルやアプリケーション、ワークフローもパッケージしている

新たに製造業向け/ライフサイエンス向けのインダストリーソリューションも

 高橋氏はさらに、Romeリリースで強化された特定インダストリー向けソリューションについても説明した。Romeリリースでは、すでに提供してきた「通信業向け」「金融サービス業向け」ソリューションを機能強化するとともに、新たに「製造業向け」「ライフサイエンス向け」ソリューションを追加し、合計で4つのインダストリーソリューションを提供する。

 これらのインダストリーソリューションも、同社が提供する一般業務向けSaaSと同じようにNowPlatform上で構築されている。ただし、一部のインダストリーでは「(通常のSaaSに)その業界特有のデータモデルや用語などを追加して、カスタマイズして使われているケースがあった」(高橋氏)。そこで、業界特化したデータモデルやアプリケーション、ワークフローなどもあらかじめパッケージ化して提供することで、顧客の利便性を高めている。

 「まず、業界ごとのフレームワークに(あらかじめ)準拠しており、準拠のためのカスタマイズが不要になる点が大きい。たとえば金融業界であればBIAN(Banking Industry Architecture Network)であるとか、テレコム業界であればTM ForumのAPI連携だとか、こうしたフレームワークが標準で入っている。また、業界特化したアプリケーションをSaaSで利用することにより、バージョンアップが自動的に行われるので継続的なコスト削減効果もある」(高橋氏)

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