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エンタープライズ向けの開発基盤で手軽に業務アプリが開発できる

1ユーザー月額770円のローコード開発ツール「Accel-Mart Quick」

2021年09月30日 16時30分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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 2021年9月30日、NTTデータ イントラマートはローコード開発ツール「Accel-Mart Quick」を発表した。実績のあるエンタープライズ向けのローコード開発基盤を、チームや部門での業務改善ツールとして利用可能にしたサービスで、低廉な価格とプログラミングの知識がなくても使える敷居の低さが売りになる。

NTTデータ イントラマート 代表取締役社長 中山義人氏(中央)

エンタープライズ向けローコード開発基盤を低廉な価格で提供

 Accel-Mart Quickは従来エンタープライズ向けに提供してきたintra-martのローコード開発基盤を、チーム・部門向けに利用できるようしたクラウドサービス。申し込みから30分程度で利用開始でき、業務テンプレートを選んで、設定を行なえば画面、ロジック、DB、ワークフローなどを自動生成。現場ユーザーでも容易に業務アプリを作成できるという。

Accel-Martのローコード開発

 従来から提供してきたエンタープライズ向けのAccel-Mart Plus(旧Accel-Mart)は、プログラミング知識のあるユーザーに向けた開発基盤に加え、ワークフロー、スプレッドシート、グループウェア、文書管理、BPM、各種パートナーソリューションなどリッチな機能を提供してきた。カスタマイズや任意のintra-martモジュールの組み込みを含む独自運用も可能だが、プライベートクラウド環境を用意するため提供まで5営業日がかかり、利用料金も月額27万3500円~と高価だった。

 これに対してAccel-Mart Quickは、プログラミング知識のないユーザーを前提に機能をローコード開発基盤、ワークフロー、スプレッドシートのみに絞りこみ、価格を1ユーザー月額770円という価格を実現した(最低利用ユーザーは20ユーザー)。カスタマイズや独自運用は不可だが、サービス品質(24時間365日、99.9%の稼働目標)やプライベート性はAccel-Mart Plusと同じ。作成したコンテンツをQuickからPlusに移行することも可能だ。

1ユーザー月額770円という価格

QuickとPlusの違い

エンタープライズ向けとエントリー向けの間にある空白を狙う

 ローコード開発のマーケットは拡大しており、その市場はRPAよりも大きいと見込まれている。調査会社のガートナーによると、2025年までに企業で開発されるアプリケーションのうち70%はローコード・ノーコードの開発ツールが用いられるようになるという。

 約8200社の導入企業を誇るintra-martはワークフローやBPMのツールとしても知られるが、多くの企業ではサイロ型の業務をつなげる「Digital Process Automation Platform」として利用しており、DXに向けたデジタルビジネスプロセスを実現しているという。

 登壇したNTTデータ イントラマート 代表取締役社長の中山義人氏は、intra-martの価値として、変化に素早く対応できる「Dev Fast」、業務プロセスのスピードアップを実現する「Process Smarter」、素早い導入と展開を実現する「Quick&Scale」を挙げる。

 具体的にはGUIやプログラミングなどさまざまな開発手法を使い分けられるだけでなく、AI、OCR、RPA、電子署名などの技術・ツールと連携して業務プロセスを自動化できる。また、既存システムとも柔軟に連携し、500以上のコンポーネントとノーコードで連携できるという。さらにユーザー企業自体がDXの内製化を実現できるようにしているという。DX人材の育成やリスキリング、業務プロセス変革、ローコード開発の標準化策定などを包括的に支援しているという。

ローコード開発の強み

既存システムとの柔軟な連携

 これまで同社はおもに高機能を求めるエンタープライズ向けにintra-martを提供してきたが、今回のAccel-Mart Quickは部門レベルの業務改善ツールという位置づけで、新しい市場開拓となる。「SalesforceやServiceNow、OutSystemsなどエンタープライズ向けツールだと高価で開発にも時間がかかるが、kintone(サイボウズ)だとやりたいことが実現できないということで、両者の間にある空白を狙う」(中山氏)という。

 販売は200を超えるパートナー経由に加え、Webでの直接申し込みも受け付ける。3年間で1万社の導入を目指す。

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