9月7日に東京・よみうり大手町ホールで「第11回衛星放送協会オリジナル番組アワード」授賞式が開催され、BS12 トゥエルビで放送されたドキュメンタリー番組「村本大輔はなぜテレビから消えたのか?」がグランプリを受賞した。
同アワードは、2011年にBS・CS(有料多チャンネル)のオリジナル番組の制作促進と、優れた番組の認知度向上を目的に創設されたもの。今回は、2020年度にBS、CSで放送されたオリジナル番組の中から、放送作家や新聞記者などの有識者で構成された審査員が、作品のオリジナリティーなどを基準に各部門の最優秀賞とグランプリを選出し、表彰を行なった。
グランプリを受賞した「村本大輔はなぜテレビから消えたのか?」は、近年テレビ出演が激減したというウーマンラッシュアワー・村本大輔に密着したドキュメンタリー。1人の芸人を通してテレビというメディアを見つめなおし、社会におけるお笑いの役割と可能性を追求するといった内容だ。審査員長の吉岡忍(ノンフィクション作家)は、「このドキュメンタリーは今の地上波放送のなかにある課題に迫り、今のテレビの問題を非常に真摯に、尚且つ強烈に語っている」と講評。
また、授賞式には同番組の主役である村本大輔も登壇。「僕がコメディにして取り上げているものを(同番組ディレクターの)日向史有さんが、このように大きな光で照らしてくれた。この番組をきっかけに皆が無意識的に見て見ぬふりをしている日本における問題が少しでも広がって、また誰かが誰かに伝えていってくれれば良いなと思います」と語った。
授賞式では、各部門の最優秀賞も表彰。文化・教養部門では受賞した「劇場の灯を消すな!Bunkamuraシアターコクーン編 松尾スズキプレゼンツ アクリル演劇祭」の芸術監督を務めた松尾スズキが登壇した。
「コロナ禍でどんどん舞台が潰れていくなか、悲鳴が聞こえてきた。その悲鳴をなんとかエンタテインメントに出来ないかという思いで、シアターコクーンを丸裸にしてアクリルボックスだけで俳優たちに演技をし、歌ってもらうという今回の企画になりました」と同番組が製作された経緯を語った。さらに「そこに、一人ひとりがドラマで主役を張れるような有名な俳優陣が集まってくれたのもびっくりして、みんなステージに上がりたいんだなと」と続け、「この賞は僕だけでなくスタッフ、キャスト全員に贈られる賞です」と製作陣へ感謝の意を表した。
ドラマ部門では「連続ドラマW コールドケース3 ~真実の扉~」が最優秀賞を受賞。主演の吉田羊がビデオメッセージを寄せ、「シーズン3では大爆発や大雨降らしに挑戦したりと毎話が山場だった」と撮影時を振り返りつつ、「作品第一主義で、難題であるほど燃える職人気質がすべてのキャスト、スタッフに貫かれていたのはまさに奇跡のチームだったなと誇りに思います」とコメント。
また、文化・教養部門より「町田樹のスポーツアカデミア 【Dialogue:研究者、スポーツを斬る②】 ~音楽神経科学~ 慶應義塾大学 環境情報学部 藤井進也准教授」が審査員長賞を受賞。
運動と音楽と脳の知られざる関係に迫り、「ニューロミュージック」を手がかりに脳科学の最先端へと踏み込むという番組内容が評価された。
なお、今回開催された授賞式の模様は10月3日19時よりBSスカパー!にて放送される。
<放送情報>
「グランプリ決定!衛星放送・オリジナル番組アワード!受賞作品はこれだ!」
放送日時:10月3日19時~ ほか
チャンネル:BSスカパー!
※放送スケジュールは変更になる場合があります