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人力×3の力でアシストしてくれます

Panasonic 電動アシスト自転車「XU1」実機レビュー = 運動嫌いの60過えオヤジが風になった!!

2021年09月09日 13時00分更新

文● 写真:みやのプロ(@E_Minazou)+ 編集● ASCII

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 パナソニック・サイクルテック株式会社が、なんと「東京2020オリンピック公式電動アシスト自転車」という冠の付いた「XU1」を発売しました。オンラインで発表会に参加し、自転車レース観戦ファンとしては乗ってみないとと思い、お借りしてみました。

 「電動アシスト」というと、いわゆるママチャリ型と思い込んでいたのですが大間違いで、このXU1は「スポーツ自転車」なんです。

 結論から言ってしまうと、脚力の2倍のアシストを得た走りを体験した、運動嫌いの60歳超えのおっさんは、がぜん自分の自転車が欲しくなってしまったのでした。

ケイリン競技用先導車から生まれた
最新スポーツ自転車なのである

 みなさんオリンピックで自転車のトラック競技をご覧になった方も多いはずです。そのひとつ「ケイリン」という日本発祥の競技では、最初に先導車が一定の速度で先頭を走り、そのあと、離れて選手同士の戦いとなります。

 今回の東京オリンピックではパナソニックが新開発した先導車を提供しました。従来はエンジンを搭載したバイクが先導していましたが、環境にやさしい電動アシスト自転車が採用となったのです。

メーカー希望小売価格は税込25万1000円で、ボディはブルーもあります。

 先導車は時速50キロで走る必要があり、高出力モーターや安定した加速をおこなうアシスト制御、高速安定性のあるフレームの設計などが必要でした。その技術を活用したのが、この市販車「XU1」で、以下のような3つの特徴があります。

☆走行安定性を重視したハンドリングと跨ぎやすさを向上した新フレーム採用

ケイリン先導車の開発で培ったデータをフィードバックし、フレームやフロントフォークの寸法・角度などを見直したことで従来車種より低重心化を実現。これにより安定感のあるハンドリングを確保すると共に跨ぎやすさも高まり、走行フィーリングが向上しました。

☆軽快な走りを実現するスポーツドライブユニット、フレームと一体化したセミインテグレーテッドバッテリー搭載

 ドライブユニットはペダルを踏み込んだ力を直接駆動部に伝えるダイレクトドライブ機構で、なめらかで力強いアシストフィーリングを実現。バッテリーはフレームと一体化したセミインテグレーテッドバッテリーでスポーツバイクらしいフォルムでスマートかつ軽快な走行感を楽しめます。

バッテリーユニットは足元のフレームと一体化しています。

☆快適性が高い700×50Cタイヤと利用シーンが広がるアルミリヤキャリア・アルミフェンダーを標準装備

 幅50mmの700×50Cタイヤが生み出すエアボリュームは、路面の凹凸の影響を受けにくくし、走行時の快適性が高まります。またアルミリヤキャリヤ・アルミフェンダーの装備により通勤などの日常使いから、休日のサイクリングなど生活のあらゆるシーンで使いやすさに優れた性能を充実させています。

おじさんとしては安心の太タイヤですね。

キャリアとフェンダーは生活自転車の武器ですね

前のフレームもとてもしっかりしています。

電動アシスト自転車の威力とバッテリーの持ちの関係
288Whの容量で50km走破なのだ!

 というわけで、前置きが長くなっりましたが、自宅で3週間使ってみました。あいにく、通勤は駅まで徒歩、買い物は車でスーパーへということで、実用ではなく、お楽しみとしての試用です。

 もちろん、運動嫌いの60過ぎのおっさんなので、自分の自転車はもう30年間持っていません。旅行先のレンタサイクルに乗ったのが最後ですが、もちろん子供時代は学校から戻ったら、毎日自転車に野球のバットを挟んで公園に向かった世代です。

 XU1はペダルがついているクランクの根本のところに、電気モーターを内蔵した「スポーツドライブユニット」を内蔵していて、そこから斜め前方に伸びているフレームに長細いバッテリーが装着されています。人がペダルをこぐトルクを感知して、それに合わせたアシスト力を加える仕組みですね。

ペダルの付け根をよく見ると、モーターユニットが組み込まれています。

 道路交通法によって、電動アシスト自転車のパワーは規定されていて、時速0キロから10キロまでは、人が出している力の最大2倍までアシストします。つまり、この速度では人力1にアシスト2が加わった、合計3の力で進むわけですね。

 同法では、もうひとつ、時速10キロから24キロまでは徐々にアシスト力が減少しなければいけません。10キロで人力の2倍のところから、24キロではゼロになります。つまり、10キロ以上では徐々にアシストが減少するわけですね。

 さて、XU1に戻りますが、自転車本体とともに、ワイヤ錠と充電器、鍵が付属します。充電器は42V3~4A出力で、DCアウト側は特殊なコネクターになっています。自転車のフレームに付いているバッテリーは付属の鍵を使って取り外すことができ、充電器につないで充電します。ちなみに、この鍵はバッテリー取り外しとワイヤ錠が共通なので取り違えることなく、安心です。

バッテリーは鍵を使って取り外せるので、自転車置き場にACがなくても、室内で充電可能です。

ワイヤーロックも付属なのはさすがパナソニックの気遣いですね。

自転車に装着したままでももちろん充電可能です。

 バッテリーを自転車に取り付けたままでも充電可能で、スペックでは3時間で満充電と書いてあります。バッテリーの容量は36V8Ahですから、288Whということになりますね。重さは2.5キロとけっこうな重量感です。ノートPCの内蔵バッテリーはモバイルノートで50Wh前後ですから、その6倍ほどあるわけです。

 XU1は全長が1840ミリでハンドル高さは980~995ミリ、サドルの高さは800~990ミリです。適応身長はマニュアルによると、159~178センチ、許容積載重量は75キロで、おじさんは、身長はちょうど上限、重量はちょっとオーバーしています。

 XU1の自重は24.5キロで、通常の自転車より「重たい」のは事実ですね。最初は取り回しにちょっと戸惑いましたが、担いで階段を上がるとかなければ、すぐ慣れます。車道から歩道へ段差があるところで、自転車から降りて持ち上げるのはちょっと力が要ります。

フレームはフォーミングアルミ(ワイヤ内蔵タイプ)、エンド幅:135mm、樹脂製モーターアンダーガード付

 搭載するモーターの出力は250Wで、電動アシストしてくれるのは時速24キロまでです。満充電での走行距離は「標準パターン」の「HIGHモード」で44キロとなっています。

 標準パターンというのは、4キロの距離のうちまず平坦1キロをギア9で時速15キロで走行、次に傾斜が4度の上り坂1キロをギア5で時速10キロで走行、つづいて平坦1キロを最初と同じギア9で15キロで走行し、最後に4度の傾斜の下り1キロをギヤ9で時速20キロで走行というものです。

標準パターンの説明と航続距離のちがい(XU1マニュアルより)

 言い忘れていましたが、後輪のギアは9段で歯数は12~36、前は1段のみで歯数は41です。これはハンドルの右手部分の2つのレバーで上げ下げします。

 アシストのモードには「HIGH」と「AUTO」、「ECO」の3種類があり、この標準パターンなら、それぞれ44キロ、57キロ、82キロの距離を走行できることになっています。業界統一テスト条件だそうで、ノートパソコンでいうとJEITA2.0みたいなものですね。

 ちなみに、傾斜4度の上り坂をギヤ5で時速10キロで走る場合は、HIGHだと14キロ、AUTOだと19キロ、ECOだと28キロ走れるそうです。  

  XU1には「センター液晶ディスプレイ」が付いていて、ハンドルの左手についている、「操作ユニット」で、走行モードが変更できます。

モードによるアシスト力の違いはこうなっています(XU1マニュアルより)

液晶表示は上段がバッテリー残量と時刻、その下が現在の時速表示で、その下に6段階でアシスト力の強さが表示されます。下段の表示は変更可能で、左から、航続距離(RANGE)、バッテリー残量、トリップメーター、オドメーター、平均時速、最高時速です。

ハンドルにたくさん付属物があるのがうれしいのは、フラッシャー自転車世代のサガでしょうか。。

もちろん巨大なバッテリーからエネルギーが供給されるヘッドランプは暗くなる前に点灯しましょう。

左親指で操作するボタンで、液晶の表示モードと、4種類のアシストモードを変更します。ランプの点灯もここです。

液晶はコントラストと明るさの変更も可能で、炎天下でも視認性高いですね。

右手には変速機のレバー二つと、小型のベル(人力です)が付いています

ロードレース観戦マニア的には各所にある「SHIMANO」の文字がうれしいですね。

運動嫌いのおっさん「風になる」
どんどん走りたくなるのはなぜ?

 というわけで、運動嫌いながら自転車ロードレースを見るのは大好きというおっさんが乗ってみました。もちろん、安全のためヘルメットを購入して、ウエアはポロシャツと短パン、デッキシューズという散歩ウエアです。

 ヘルメットはスター軍団INEOS御用達のKASK、ポガチャル(UAE)のMET、アラフィリップ(QUICKSTEP)とサガン(BORA)が被っているSPECIALIZEDと、何言ってるかわからない方にはすいませんが、悩みましたよええ。編集部のマジ・ロードレーサーの「ゴウ&アキラ」にも相談しましたが、呆れられたので、近所のサイクルショップで頭に合うSPECIALIZEDのセール品にしました。自転車おじさんたちがパーツに大金をつぎ込み、悩みまくる気持ちが少しわかりましたね。脇道ですいません。

SPECIALIZED AIRNET HELMET CE RED/BLK = 初めて自転車用ヘルメットを買いましたが、笑ってしまうほどの軽さです。みなさんもぜひ装着して乗ってくださいね! メーカー&モデルによって形も大きさも全然違いますから、試着は必須です。

 で、とりあえず「AUTO」モードで発進したのですが、グイっと加速する感覚はとてもいいですね。昔乗ったアシスト自転車のような「ピーキーな感じ」はまったくなくて、走り出しはとてもスムーズです。でも、とてもラクチンで、自分の脚力が文字通り3倍になった気分です。自転車はこの走り出しが大変ですから、アシストの威力を感じます。おかげで、交差点での一旦停止も苦にならず、安全に自転車に乗れることになります。

 幸い自宅が江の島近辺なので、海岸線や急坂を走り回りましたが、このおっさんが、2時間でも3時間でも走っていたくなるんですよ。ええ、運動は嫌いですけどね。

 これは風のマジックというか、8月の激熱期間に、毎日走りたくなるというのは、最新電動アシストのマジックです。もちろん、慣れてからは「HIGH」モードオンリーで爆走していましたが、スペックのとおり、満充電なら40キロは十分に走れます。登坂が長いとか、ずっと向かい風になれば、体重や表面積が影響するかもですが、ほとんど平坦でときどき上り下りなら、HIGHでも50キロ走れそうでした。

 それから、(ロードレース観戦ファンなので)タイヤが太いのがちょっとカッコ悪いなあとも思っていたのですが、これ、グリップがとてもいいですし、うちの近くのサイクリングロードの砂かぶり部分でも走破性が抜群でした。おまけに、憧れ(?)の石畳風の道でも乗り心地が悪くなりません。直線主体の舗装路のみ走るには抵抗が大きいかもしれませんが、アシスト様のおかげでほとんど感じないうえに、反射神経も鈍っているおっさんにはとても安心できるタイヤでした。

アルミクランク L=170mm / スチールチェーンリング 41T 樹脂ガード付

SELLE ROYAL MILO-1402HRN Cr-Moレール

リアディレイラー シマノ RD-M3100-SGS

フリーホイルCS-HG400-9 12×14×16×18×21×24×28×32×36T、チェーンCN-E6070-9

シマノ BR-MT200 油圧ディスク レジンパッド、後:SM-RT54 φ160mm

シマノ BR-MT200 油圧ディスク レジンパッド、前:SM-RT54 Φ160mm

写真を撮っていてきずいた速度センサー

 不満点はないのかというと、やはり、時速20キロくらいからアシストが弱くなり、24キロを超えるとなくなる点です。25キロから30キロのあたりが「風になる爽快感」がMAXになるところなので、もうすこしアシストしてほしいところですね。法改正よろしくお願いいたします!

 あとは、自転車が重いというのがありますが、持ち上げなければ苦になることはありません。バッテリーがなくなって、坂を上るとかいうことになると大きなマイナスになりますが、平地~下りなら、フツウに走れます。

 コロナで在宅勤務が増え、通勤が減り、運動不足なみなさんは増えているはずです。かといって、運動しようと憧れのロードバイクを買う場合、三日坊主になる不安がありますよね。

 そんな運動嫌いの皆さんには、ぜひXU1を体験していただきたいです。アシストがあるから、あまり運動にならないというお考えもあるでしょうが、自転車で長時間走るのはなにより爽快です。ひざは回しているので、運動している感はかなりありますし、不調な膝関節が良くなった気がします(あくまで個人の感想です)。

 とにもかくにも長続きするほうが大切ですから、アシスト大歓迎ですよええもちろんです。

 パナソニックのサイトには試乗会情報もありますし、常に試乗を受け付けている販売店もありますので、ぜひXU1を体験してみてください。まずいことに、絶対欲しくなりますよ。

詳細スペックはクリックしてご覧ください

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