ゲーム機型PC性能チェック 第1回
Ryzen 5 4500U搭載と現状唯一無二のAMD APUを備えるゲーム機型ポータブルPC「AYA NEO」の魅力に迫る
2021年08月06日 17時30分更新
AMD Linkでリモートプレイも可能!
AYA NEOは、ここまで紹介してきたように、現状で唯一AMD APU搭載を搭載したゲーム機型のポータブルPCだ。サイズ感は小さすぎず、大き過ぎず、さらに価格も競合のGPD WIN 3やONE XPLAYEよりも安価と、購入しやすいのも魅力だが、さらにAMD APUならではの機能も利用できる。
既報で伝えているように、AMDはRadeon Software Adrenalin 2021 Edition 21.4.1から、Windows版のAMD Linkアプリを同梱している。AYA NEOも内蔵GPUにRadeon Graphicsを備えているため、Radeon Softwareを最新にすることで、Windows版のAMD Linkが利用できる。
AMD Linkは、元々2017年にiOSやAndroid搭載端末用にアプリとして提供され、Radeonを搭載するPCにネットワーク経由で接続し、CPUなどの情報を確認したり、スクリーンショットや録画などを可能とし、リモートプレイも行なうことができたもの。
Windows版のAMD Linkは、Radeonを搭載する低スペックのPCから、同じくRadeonを搭載する高スペックのPCにネットワーク経由で接続し、リモートプレイができるようにする。
この機能は、まず接続する側のPCのRadeon Softwareを起動し、“デバイスを管理”を開き、“Link Game”をクリックして接続コードを確認する。
次に、接続したいPCのRadeon Softwareを起動し、“デバイスを管理”にある“Windows用AMD Linkを開く”を開き、“Link Game”をクリックして、先ほど接続する側で表示したコードを入力する。コードの入力は1分間と有効時間が割と短いので、接続したい側のPCは予め起動してコード入力画面を表示しておいた方がイイだろう。
最初はちょっと手間を感じるが、一度接続すると過去に接続したPCやスマホは登録(PCはデバイス名で登録される)されるので、次回は同じネットワークに接続さえしていれば、その登録されたデバイス名をクリックするだけで接続できるので簡単だ。
試しに、バッファローのWi-Fi 6ルーター「WSR-5400AX6S-MB」経由で接続し、接続側のPCにインストールしていた「原神」をプレイしたが、遅延も特に感じず快適にプレイできた。
© 2020 miHoYo All Rights Reserved
小型のポータブルPCは、最近は割とストレージ容量も多いが、当然デスクトップPCと異なりストレージ容量の増量は見込めない。そのため、どうしても持ち運びたいゲーム以外はインストールせず、自宅でくつろぎながら手元でゲームをプレイしたい際は、AMD LinkでメインPCに接続して遊ぶというのもオススメできる。
色々気になるところもあるが、ゲーム特化PCとしてかなり面白い!
AYA NEOは標準だとコントローラーによるマウスカーソル操作に対応せず、すべての操作をタッチパネルで行わなくてはならないというのが気になったが、この辺りは、「JoyToKey」などのツールを利用することで解決できる。
また、日本で9月発売予定のモデルは試用したFounder Editionと異なり、コントローラーやクーラーなどが改良される予定ということもあり、かなり楽しみだ。
AYA NEOに搭載された「Ryzen 5 4500U」は、Zen 3ベース(一部はZen 2)の最新のCPUではないが、インテルのモバイルCPUよりもマルチスレッド性能に優れ、ドックやディスプレーと一緒に使う、もしくはタッチパッド付のBluetoothキーボードなどを併用することで、ビジネス用途のセカンドPCとしても快適に使える性能を有する。
GPD WIN 3などに採用されたTiger Lake世代でインテル Iris Xe グラフィックスを内蔵するCPUには、やや描画性能で劣るものの、ライトなゲームの体験度に大き過ぎる差はない。
また、コスパに優れ、サイズや重量もちょうど良く、独特な機能を備えるボタンを複数搭載、別途Radeon搭載PCを持っていればAMD Linkが利用できるなど、そのデメリットを覆い隠すメリットも多く魅力的な製品だ。
現状は唯一のAMD APU搭載の小型ポータブルゲーム機として価値ある製品でもあり、新興メーカーではあるものの製品の完成度は高く、ゲーム機型ポータブルPCの可能性が強く感じられる1台。ちょっと変わったゲーミングPCが欲しい、どこでもPCゲームが遊べることに魅力を感じているというのであれば、要チェック。きっと欲しくなるに違いない。
(提供:日本AMD)
この連載の記事
-
第7回
ゲーム
Ryzen 7000採用の最新ゲーム機型PC「GPD WIN 4 2023」実機レビュー -
第6回
デジタル
まさに最強!Ryzen 7 7840U搭載し、複数のスタイルで使える「ONEXPLAYER 2 Pro」の魅力をチェック -
第5回
デジタル
ONEXPLAYER 2は携帯ゲーム機、ノートブック、タブレット、ミニPCとしても活用できる汎用性の高さが魅力 -
第4回
デジタル
AMD Ryzen 7 6800U搭載「AYANEO 2」最速レビュー!同CPU搭載機より、どこが優秀? -
第3回
デジタル
AMD Ryzen 7 6800U搭載でゲーム性能が爆上がり! ONEXPLAYER mini Pro Ryzen版実機レビュー -
第2回
デジタル
ゲーム機型UMPC「AYA NEO 2021」でアイマスなど10本以上のゲームの動作をチェックしてみた - この連載の一覧へ