2020年8月にインテルはArchitecture Day 2020を開催し、ここでプロセスの動向について説明した。そこから1年弱経過した7月26日、最新のプロセスおよびパッケージングに関する動向を説明するIntel Acceleratedというイベントをオンラインで実施した。
このイベントの動画はインテルのウェブサイトから視聴できるが、内容をまとめて説明したい。ちなみに今回はプロセスの側のみだ。パッケージングは次回説明する。
インテルがプロセスの命名規則を変更
プロセスノードと実際のゲート長が一致しないため
まず最初に命名規則の変更が発表された。もともとプロセスノードと呼ばれていた数字が実態に合わなくなっているという話は以前からだいぶ言われていた話である。プロセスノードと実際のゲート長が一致していたのは350nmあたりまでで、そのあとは全然合っていないという話は連載241回で説明した。
数字そのものにはあまり意味がないのだが、ここ数年はそれが顕著になってきた感がある。例えばTSMCの12FFや、最近ではN6が物理的に16FF/N7と一緒だし、あるいはSamsungの8LPPや6LPPなどはそれぞれ10LPE/7LPPと物理的にはほとんど一緒で、ただしライブラリーが違うといった具合だ。
そのあたりもあってもう数字にはあまり意味がなく、単なる名称になっている。そのあたりも踏まえたうえで、インテルは改めて命名規則を変更した。
どうせならSAQP 1/2/3...あるいはEUV 1/2/3...みたいにすればいっそ清々しいのだが。これだと途中で派生型が湧くとEUV 1.2やEUV 3.1などになりそうなので、それはそれでまた混乱のもとになりそうだ
まず現在のIntel 10nm SuperFinはそのままである。こちらはすでにオレゴンとアリゾナ、それにイルラエルで量産がスタートしているそうだ。すでにTiger Lakeの量産が始まっている。
次がIntel 7。要するにEnhanced SuperFinであるが、こちらは同じ消費電力で10~15%動作周波数が向上するとしている(Photo03)。
このIntel 7であるが、年内にAlder Lakeの量産が始まり、2022年第1四半期にSapphire Rapidsの量産が始まることが改めて明らかにされた。
余談だが、これはインテルが正式に、Auroraの納入が当初の計画に間に合わないことを間接的に認めたことになる。これでいきなり契約が破棄されたりはしないだろうが、AMDのFrontierから1年遅れで、かつ性能が低い(Frontierは1.5EFlops、Auroraは1EFlops)マシンを設置するという屈辱を受けることになる。
これに続くのがIntel 4。かつては7nmと称していたプロセスであるが、こちらを2023年前半に投入する。ここで利用されるのは、クライアント向けのMeteor Lakeとサーバー向けのGranite Rapidsである。
このMeteor Lake、後でもう1回出てくるが、インテルのクライアント向けとしては初のチップレット構成になる模様だ(インテル初はSapphire Rapidsになると思われる)。
このIntel 4は、同社初のEUV(極端紫外線)を利用したプロセスであり、今年第2四半期にテープインしたことが明らかにされた。
この後で登場するのがIntel 3だ。これはもともと7nm++と称されていたプロセスであり、基本的にはIntel 4の延長というか、大きくは変更しないものの、セルライブラリーの変更や駆動電流の増大、配線層の改善などで性能を最大18%引き上げるとしている。Intel 3は2023年後半に量産可能になるとされている。

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