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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第719回

パナソニックの「テレマクロ」でとろけている猫たちを激写!

2021年06月30日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家 編集●ASCII

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へちゃっとつぶれお昼寝する猫は夏の風物詩。人が容易に近づけない良い場所をちゃんと選んでるのがミソ。この階段は入口にロープが張ってあって関係者以外ははいれない。2021年6月 パナソニック DC-S5

 前回に引き続き、パナソニックの新しい望遠ズームで猫を撮る話。70-300mmって、外で出会った猫を撮るのにちょうどいいのだ。

「LUMIX S 70-300mm F4.5-5.6 MACRO O.I.S.」を装着したS5。S1にくらべて小ぶりなS5にはこのレンズが似合う

 いい感じの距離感で接してくれる猫には70mmくらいの中望遠、アップで撮りたいときや遠くからそっと撮りたいときは300mmの望遠。

 そこでこのレンズを付けてぶらぶらしてみたけど、さすがに雨が降ってると猫は出てこないし、降ってないと蒸し暑いしってんで季節的には一番向いてないのであった。でも暑くてぐでっと寝てる猫は、それはそれでたまらない。なんだろな。あの警戒心が強くて敏感で寝ててもすぐ飛び起きる猫が「暑いからもう細かい事どうでもいいや」って感じで平らになってるのがいいのだ。猫は液体、とはよくいったもので、冒頭写真がそれ。

 で、階段の途中で寝てた猫をそっと見つめてたら、バレた。

すっと顔を上げたサビネコ。精悍な顔つきがカッコいい。よく見るとちょっと長毛が入ってる。夏は暑そう。2021年6月 パナソニック DC-S5

 夏の伸びて寝てる猫は、冬の丸くなって寝てる猫とはちがう良さがあるのだ。こちらは民家の庭の……なんだろ、棚だか小さな物入れだかの上で気持ちよさそうに寝てた白猫。起こさないようにそっと300mm。

てがちょっとはみでてる白猫。人が入ってこない場所で安心して寝てるの図。この家のおばあさまが猫の世話をしてるらしい。2021年6月 パナソニック DC-S5

 狭い暗渠を歩いてたら、右手にちょっと違和感を覚えたので立ち止まって見ると、やはり猫。ちょっと遠く、家の裏に置いてある室外機の上で昼寝してる地域猫だ。手前の柵が邪魔でこういうときは猫認識AFがあっても難しいので、ピンポイントAFで。しっかり寝てるのでじっくりピントを合わせる時間があるのだ。

室外機の上は猫の定番お昼寝スポット。エアコンが稼働をはじめる季節になると暑くて寝てはいられなくなるだろうから今が最後か。2021年6月 パナソニック DC-S5

 視界の隅に違和感を感じたときは要チェック。それが猫だったり捨てられたゴミだったり時には雑巾だったりするけれども。

 寝てるばかりでもアレなので後半は起きてる猫を。これも歩いてたら視界の片隅に違和感を覚えたパターン。ん? と思って横を見ると、柱の陰から黒猫がそっと顔を出してるではないか。カメラ持ってうろうろしてたので興味を持った(あるいは運が良ければ何かもらえると思った)らしい。遠くからだと緑のフェンスが邪魔だし、近づきすぎると逃げちゃいそう。

 これは緑のフェンスがほどよくぼけるくらいの距離で撮るべし、と思い、両目が見えるアングルを探して撮影。

オフィスビルが立ち並ぶ中の一角。誰かがこっそり世話をしてる感じの色ツヤだった黒猫。人との距離感がよく分かってる感じのしたたかさだ。2021年6月 パナソニック DC-S5

 さらに別の日。この日は別のカメラで猫とは関係ない写真を撮るために街を歩いていたのだけど、遠くにちょこんと座ってる猫を発見。まず猫と目を合わせながらしゃがみ、バッグからS5を取りだして構える。と、猫が歩き出す。住宅街のど真ん中でしゃがんで望遠レンズを構えてるなんて猫がいなかったらめちゃ不審者だ。

歩く猫を連写。よく見るときれいな鍵しっぽをしてる。このあたりの地域猫っぽい。2021年6月 パナソニック DC-S5

 そして、道路を渡った猫は塀にそってこちらへ向かい、そこで目が合った。

わたしの数メートル横をすり抜けていこうとしてるのである。ちょっと警戒してる目が可愛い。2021年6月 パナソニック DC-S5

 最後はお寺猫の背中で。チャトラのチャとお堂の茶色がいい感じにマッチしてるのがよかったのだ。こっちを向いた写真も撮ったけど、やはり丸くて茶色い背中が似合うなと思った次第。

背中を向けてちょこんと座るチャトラ。ちょっと離れてるのでこちらは気づかれてない、というか気にされてない。よいことである。2021年6月 パナソニック DC-S5

 今回使った70-300mmのF4.5-5.6というレンズは望遠ズームレンズとしてはミドルクラスなのだけど、フルサイズセンサー機で望遠なので、前後のボケ具合がほどよいのもいい。

 大きくて重くて高価で構えるとレンズを支える左手がぷるぷると震えるけど超高性能! ってレンズもいいけど、いつでもさっと持ち出せる軽快系望遠レンズの機動力も捨てがたいので、そういうレンズがもっと出るといいなと思ってるのである。

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筆者紹介─荻窪圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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