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玉川社長と振り返った「みんなのSORACOM」6年間の軌跡、そしてスタートライン

大谷イビサ 編集●ASCII 写真●曽根田元

提供: ソラコム

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モノをつなぐだけでなく、人もつないで、企業のDXへ

大谷:次にSORACOMユーザーについてお聞きします。事例としては、やはりスタートアップは面白いですね。

玉川:スタートアップは業界の外から業界を変革するというディスラプト(破壊的)なアプローチですよね。マイクロモビリティの「LUUP」やマンションの鍵管理を手がける「ライナフ」、生鮮ECの「クックパッドマート」、家族SNSの「みてね」(mixi)など、中の人がとにかく熱い。そういう人たちのパッションを下支えして、「SORACOMあったからできたよね」と言ってもらえるようにしたいです。

大谷:スタートアップとソラコムはお互いのパッションがぶつかりあっている感じします。

玉川:ありがとうございます。一方で、スタートアップだけじゃなく、大企業のDXにも寄与していきたいと思います。今年のDiscoveryでもソニーさん、セコムさん、日立製作所さんなどに登壇いただき、いろいろお話しいただきます(関連記事:SORACOMユーザーはIoTを超えてビジネス変革にまで進む)。

大谷:SORACOMのようなIoTサービスが企業のDXに更新できるポイントって、どんなところなんでしょうか?

玉川:結局DXってデジタルテクノロジーを使いこなして、ビジネスを進化させたり、ビジネスモデル自体を変えるという概念だと思っています。その点、今まで想像できないくらいくらい「開発コストを抑えられる」「素早くできる」「便利になる」といったことを実現すべく、通信・クラウドの分野でサポートできることがいっぱいあります。

その点、85万ものデバイスでガスメーターの検針を行なっているニチガスさんの事例はまさにDX。人手でやっていた検針が自動化され、遠隔からガス栓の開閉ができるようになり、物流の最適化も実現しています。さらにニチガスさんは別のガス会社に横展開しようとしているので、会社だけではなく、業界のDXまで進んでいます。

大谷:なるほど。確かにビジネスのやり方を根本的に変えてますね。

玉川:機能としてみればSORACOMはモノ同士をつなぐことがメインですが、ビジョンとしては人をつなぐところまでサポートできるのがソラコムの強みです。ニチガスさんも物流の最適化を目指すスタートアップのHacobu(ハコブ)さんとつないだのですが、すぐに意気投合しました。その他、ヤマト運輸さんとハローライト、セコムとまごチャンネルなど、異なるプレイヤーをつないできた実績はいろいろあります。

大谷:そういったユーザーが情報共有しあうコミュニティも盛んですよね。

玉川:コミュニティも進化しています。先日は、群馬で獣害対策でSORACOMを使ってくれた事例などが披露されました。これももともとコミュニティでの試作を見て、自分たちでやりたいということで本格展開に進んだ例です。

6年間でやっとスタートラインに立てた

大谷:グローバルのビジネス動向はいかがですか?

玉川:海外はやっと認知されてきたというレベルなので、ここは一気にドライブしたい。より認知度を上げて、ビジネスを作っていきたいと思っています。

米国はチームはだいぶ立ち上がってきて、いわゆるセルフサービスのお客さまは少しずつ増えています。いわゆるオーガニックグロースというやつで、ネットで見て使ったらよかったので、口コミで拡がっていくといった流れができているので、これはいいなと。事例としては、たとえば家にあるプールの水質管理ソリューションとか……。

大谷:さすがアメリカンですね。日本の家は普通プールない(笑)。

玉川:そうですね(笑)。あとは巨大な農地の灌漑管理とか、メディカルデバイスの管理とか。あまり知られてない会社から問い合わせ来ても、けっこうな規模感あったりするので、市場の大きさを実感しますね。

北米に関してはCTOの安川もいますし、日本と同じくセルフサービスのお客さまに対してマーケティングを行ない、きっちりサポートしていきたいです。

大谷:3リージョンということで、欧州にも展開していますよね。

玉川:昨年イギリスに支社を作ったばかりです。一言で欧州といっても、国も違えば、文化も違うので、やることはいっぱいあります。現状としてはソラコムの強みを活かして、欧州どこでもつながるという戦略的な案件にフォーカスしています。コロナが落ち着いたら、APACも展開していきたいと思います。

大谷:最後、新発表や新サービスはDiscoveryで聞くとして、次の方向性みたいなこと、あるいはASCIIのサイトでアピールしたいことってありますか?

玉川:日本では「IoT=ソラコム」といった感じで注目度やブランドも高まってきていますし、なにしろ道具がずいぶん揃ってきました。「つなぐを簡単に」を謳っていますが、IoTボタンやマルチユニットもあるし、クラウドもあるので、一気通貫でIoTをサポートできるようになりました。ユーザー事例も業界やユースケースにあわせて100種類以上あるので、そこらへんをもっと知ってもらいたいと思います。

大谷:まだまだ歩みを止めないということですね。

玉川:6年前、最初のサービスラウンチ前は、『まず20万回線を目指そう。実現できたら、生き残れるから』という話をメンバーとしていましたが、そこから6年で300万回線になりました。遠いところまで来たという思いと、やっとスタートラインに立てたという思いが両方あります。だから、今回のSORACOM Discoveryのタイトルも「スタートライン」なんです。

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(提供:ソラコム)

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