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前田知洋の“マジックとスペックのある人生” 第141回

ダイソンの掃除機を買った 最新モデルではなく「V8」を選んだ理由

2021年05月18日 16時00分更新

文● 前田知洋 編集●ASCII

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外出自粛でもセールで散財

 例年とは違い、家に引きこもりがちだったゴールデンウィーク。皆さまにおかれましては、いかがお過ごしだったでしょうか。

 ポジティブシンキングで「ご自愛大好き」な筆者は、「外出自粛で出かけないから、これを機に節約しよう」と家に引きこもっていました。しかし、そんなことを物欲の神さまが見逃すわけはありません。

 自粛の前までは、家電量販店でダイソンのコーナーを通りがかるたびに、カラフルなキャンディーカラーの製品を眺めたり、手に取ったりしていました。

 ダイソンのコーナーって、グリム童話の「ヘンゼルとグレーテル」に登場するお菓子の家みたいで、つい魅了されてしまうんですよね。

 しかし、我が家にはダイソンの掃除機はすでに2台あり、ハンディタイプはバッテリーを新品に交換したばかり。店頭で新しいダイソン製品に触れるたびに「今使っている掃除機が壊れてもいないし、掃除機を3台を使うほど家も広くないし……」と誘惑に打ち勝ってきました。

新しいバッテリーで再び現役になった「Dyson Digital Slim DC45」

 ところが、今年のゴールデンウィークに、ダイソンから「GWセール、最大51%オフ」のメールが……。買い物に出かけられないストレスもあってか、「Dyson V8 Fluffy Extra」(通常の直販価格は7万1500円)をすぐにネットで購入しました。新しくなったクリーナーヘッドも使ってみたかったですし……。

V8を選んだのはネコがいるから

Dyson V8 Fluffy Extraの新しくなったクリーナーヘッド

 ダイソンの掃除機は、ゴミパックがないので、掃除したゴミが見えて「キレイになったー!」と実感ができるのが好きなところ。意外にそんな理由で、ダイソンを愛用する人も多いのでは……と、密かに妄想しています。

 我が家のゴミを眺めてみると、一番多いのがネコの毛です。季節によりますが、ネコの毛って意外に抜けるんですよね。油断すると、仕事の衣装にすぐついちゃうし……。

毛玉の主の「ヒミツ(♂)」

 ネットのレビューなどを見てみると、ダイソンの掃除機では、最新機種のV11シリーズや、上位モデルのV10シリーズが人気のようす。たしかに、カラー液晶のモニター(V11シリーズに搭載)も目新しかったり、新しいテクノロジーが満載だったりします。

 しかし、これらの機種は、掃除機内のゴミを捨てるときに、毎回ロングパイプやヘッドを外す必要があるのが、筆者にとっては難点です。

 というのも、フタつきのゴミ箱はキッチン(と中庭)だけなので、ゴミを捨てるときは、できるだけ部品の取り外しは避けたいのが正直なところ。そんな理由から、筆者のライフスタイルでは、本体上部をひっぱるとフタが開いてゴミが落ちるV7シリーズかV8シリーズの2択というわけです。

ロングパイプやヘッドをつけたままゴミが捨てられるV8

 これは、V10、V11の掃除機としての性能がV8に劣るというわけではありませんので、誤解なさらないでくださいね。

ダイソンの特徴はデジタルモーター

 掃除機のウィークポイントはモーターです。というのも、ゴミが少ないときはモーターは楽々回転しますが、床に落ちているタオルなどを間違って吸ってしまうと負荷は急増します。モーターにとっては、予期せぬ負荷の変化は苦手です。

 さらに、一般的なモーターは、ブラシと呼ばれる部品が回転軸と接触しながら回る構造。回転しながら電気が流れているので、その部分でモーターの温度を上昇させ、寿命が縮まります。

 ところが、ダイソンの掃除機はDDM(ダイソン デジタル モーター)と呼ばれるブラシのないモーターを採用。ダイソンの歴史は、掃除機専用のブラシレスDCモーターを開発するところから始まったそう。これにより、モーターの性能と耐久性を伸ばすことに成功しました。我が家にあるDC12(2004年製)とDC45(昨年バッテリー交換)も故障知らずで現役……というわけです。

DC12(2004年製)は、たまに使う現役

 もちろん、V8もデジタルモーターを継承しており、毎分10万7000〜11万回転をほこるそうです(V11は12万5000回転)。

人を魅了する家電なのは、メーカーの哲学

 筆者は、ほぼ毎日掃除機をかけますが、家全部ではなく、汚れが気になったところから。お客さんが来るなら、玄関とダイニング、マジックの道具作りで汚れたなら仕事部屋を、というライフスタイル。だいたい、ハンディが主なので1週間で家全体をキレイにしたいところです。

 以前の掃除機が壊れていないのに、新しい掃除機を買ってしまうのは、冒頭で述べたようにカラフルな「キャンディーカラー」で、見るたび、触れるたびに楽しい気分にさせてくれるところが大きいです。また、製品寿命が長く、実際に壊れにくいことも理由としてあるでしょう(これは筆者の運がよいだけかもしれませんが……)。

 分解清掃をしてみるとわかりますが、メンテナンスをする場所へのアクセスが比較的簡単で、「長く使ってほしい」という設計者、メーカーの哲学が感じられる気がします。

 そんな理由から、我が家ではドライヤー、ファンヒーターを始め計5つのダイソン製品があります。これは、ダイソンファンというよりも、上の「使う楽しさ」に加え、「長く使え、買い換えの手間や気苦労がない」「メンテナンスや清掃のときのストレスが少ない」が主な理由です。

 筆者もそんな「人を魅了する家電」にあやかって、「人を魅了するマジシャンになれればいいなぁ……」と、夢想しています(笑)。

前田知洋(まえだ ともひろ)

 東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、英国チャールズ皇太子もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。

 著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『芸術を創る脳』(共著、東京大学出版会)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。

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