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エッジコンピューティング、サーバレス、Quarkus― 最新版Kubernetesプラットフォームの方向性

開発者シフトを加速させた「Red Hat OpenShift 4.6」

2020年12月15日 07時00分更新

文● 五味明子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 レッドハットは2020年11月25日、同月中旬に一般提供を開始した「Red Hat OpenShift 4.6」に関する記者説明会を開催した。

 新型コロナウイルスの感染拡大により、国内でもデジタルトランスフォーメーション(DX)への動きが加速する中、クラウドをベースにした信頼されるデジタルプラットフォームのニーズは急速に高まっている。Kubernetesプラットフォームとして一定の評価とシェアを獲得してきたRed Hat OpenShiftは、新バージョンの4.6で顧客のDXニーズにどう応えているのか。本稿では説明会の内容を中心に、Red Hat OpenShift 4.6の方向性を見ていきたい。

OpenShift 4.6における3つのハイライト

レッドハット 製品統括 事業戦略 担当本部長の岡下浩明氏、同社 テクニカルセールス本部 クラウドソリューションアーキテクト部 OpenShiftアーキテクトの北山晋吾氏

エンタープライズレベルの信頼性、エッジワークロード対応、開発者体験の向上

 Red Hat OpenShift 4.6では、以下の3点にフォーカスしたアップデートが実施されている。

・エンタープライズレベルの信頼性維持 … OpenShift 4.6延長アップデートサポート対応、ガバメントクラウドのサポート
・エッジでのワークロード対応 … リモートワーカーノード、3ノードクラスタ
・開発者体験の向上 … OpenShift ServerlessのEventingコンポーネントのサポート、Quarkusの統合

 以下、レッドハット テクニカルセールス本部 クラウドソリューションアーキテクト部 OpenShiftアーキテクト 北山晋吾氏による説明をもとに、それぞれの概要を紹介する。

◇エンタープライズレベルの信頼性維持
 オープンソース版のKubernetesは、約3カ月ごとにマイナーバージョンがリリースされるライフサイクルとなっている。ここでフルサポート対象となるのは直近3つのマイナーバージョンであるため、ユーザは最長でも3バージョンごとにアップデートしなければならない。こうした高頻度のアップデートは、エンタープライズ企業にとっては負荷が高い。

 そこでOpenShift 4.6では、この課題を緩和するサービスとして「延長アップデートサポート(EUS: Extended Update Support)」を提供する。対象となるのはプレミアムサブスクリプションのユーザに限定されるが、フルサポートフェーズの終了日から14カ月間に渡って、サポートおよび重要なメンテナンスアップデートが提供される。これにより、EUSユーザであれば安定したKubernetes運用と、約1年半程度のサポート期間を前提にしたアップグレード計画が可能になる。なお、OpenShift上のアドオンにもEUSの有効期間中に動作するバージョンが定められており、OpenShift ServerlessやOpenShift Logging、OpenShift Service Meshなどが対象として含まれる。

Kubernetesの頻繁なアップデートに対するサポートとして、プレミアムサポートサブスクリプションユーザに対しては延長アップデートサポート(EUS)を適用する

 またOpenShift 4.6では、米連邦政府機関のユーザおよびそのパートナーが利用できる「AWS Government Cloud」リージョンと「Microsoft Azure Government」にOpenShiftをデプロイすることが可能になり、ガバメントクラウドとのシームレスな統合が加速している。

AWSおよびMicrosoft Azureのガバメントクラウド対応も追加された

◇エッジでのワークロード対応
 Red Hatはここ1、2年、エッジコンピューティングへの投資を拡大してきた。たとえば10月末にリリースされた「Red Hat Enterprise Linux 8.3」では、イメージビルダ(Image Builder)機能によるエッジ対応OSイメージの作成や、OTA(Over-the-air)による最小限のアップデートなど、エッジコンピューティングに最適化された機能が追加されている。

Red Hat Enterprise Linuxで強化されたエッジサポートの内容。制約が多いエッジサイトでの独立性、安定性、セキュリティを担保する機能が追加されている

 エッジサポートはOpenShiftでも強化される方向にあり、ひとつ前のバージョンであるOpenShift 4.5では、リソースに制約のあるエッジにおいてコンパクトなKubernetes環境をデプロイするための選択肢として「3ノードクラスタ」のサポートを追加している。

 これは3ノードの物理マシン(6CPU/メモリ24GB/ディスク容量120GB)で構成されるフットプリントの小さなクラスタで、スペースや接続環境に制約のある場所/ワークロードでの利用を想定している。たとえば機械学習におけるモデルトレーニングのようなワークロードをエッジで実行しようとすると、ワーカーノードだけではリソースが足りなくなりがちだが、3ノードクラスタであればエッジでも十分に稼働させることができる。工場など、エッジコンピューティングのケイパビリティ拡大が期待される場所での導入が見込まれる。

 これに加え、Red Hat OpenShift 4.6ではリモートワーカーノード(Remote Worker Nodes)がサポートされた。リモートワーカーノードはその名の通り、リモートオフィスや店舗、工場など複数のエッジサイトにワーカーノードのみを分散配置し、データセンターなどに設置されたスーパーバイザーノード(マスターノード)から複数のリモートワーカーノードを集中的に管理するトポロジで、コアの共有によりエッジにおけるワークロードの最大化を実現する。また、スーパーバイザーノードとリモートワーカーノードの間の接続待ち時間を長くし、ネットワークが断続的に切れることがないように調整がされている。代表的な利用例としては、5G基地局のRAN分散ユニット(DU)にリモートワーカーノードを配置し、数千単位のDUロケーションを1つの中央ユニット(CU)で一元的に管理するケースなどが挙げられる。

リモートワーカーノードと3クラスタがサポートされたことで、マシンラーニングなど負荷の高いワークロードもエッジで実行しやすくなる

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