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組織体制を刷新、業界トップ企業のパートナー化で中小企業への浸透を狙うなどの新施策も

SAPジャパン、エコシステム拡大など中堅中小企業向け事業戦略を説明

2020年12月07日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 SAPジャパンは2020年12月4日、中堅中小企業(SME、年間売上高1000億円未満規模の企業)向けの国内ビジネス戦略に関する記者説明会を開催した。来年(2021年)以降、国内中堅中小企業におけるデジタル変革(DX)を支援する取り組みをあらためて強化する方針。1月には中堅中小企業向け組織体制を刷新するとともに、各業界のトップ顧客企業をビジネスパートナー化して業界ごとのエコシステムを構築するなど、新たな取り組みを進めるという。

 説明会にはゲストとして、基幹システムとして「S/4 HANA Cloud」を採用した中堅企業顧客の1社として古林紙工も出席。同社におけるDXの展望やSAPへの期待などを語った。

SAPジャパンにおける中堅中小企業向けビジネス戦略の概要

SAPジャパン ゼネラルビジネス統括本部 事業統括本部長の藤井善豪氏、ゲスト出席した古林紙工 取締役 副社長執行役員 営業本部長の古林雅敬氏

デジタル変革に対する経営者の姿勢が中堅中小企業の今後を大きく左右する

 国内中堅中小企業向けビジネスの責任者を務めるSAPジャパン ゼネラルビジネス統括本部 事業統括本部長の藤井善豪氏は、同社には「SAPが社会インフラになること」というビジョンがあり、その達成のためには国内中堅中小企業のデジタル変革支援も欠かせない取り組み、ミッションだと説明する。

 日本の生産年齢人口は急激に減少しており、必要とされる労働力とのギャップを埋めるためには生産性の向上が欠かせない。その対策の大きな柱となるIT化、デジタル活用について、藤井氏は「大きく2つのことが言える」と語る。

 「まず(デジタル化の波は)中堅中小企業にとって大きなチャンスであること。単にこの状況をしのぐことを考えるか、この機会に会社を強くしようと考えるか。それによって取り組みの内容は大きく変わり、5年後10年後の会社の姿にも影響する。また、現場で多くの顧客を見て感じるのが、取り組みに大きな影響を与えるのは『経営者の意識』であること。成功企業の共通点は、経営者が組織の殻を破っていくことに本当の意味でコミットしており、本気度を持って組織を超えたデジタル化を推進しているという点だ」(藤井氏)

 SAPといえば“大企業向け”のイメージが強いが、実はグローバルの顧客社数で見ると80%以上が中堅中小企業だという。同様に、S/4 HANA顧客の50%以上は中堅企業、S/4 HANA Cloud顧客の50%以上は中堅中小企業という数字もある。また日本でも、過去2年間で中堅中小企業顧客は31%増加したと語る。

SAPの中堅中小企業向けビジネスの概況。藤井氏は、イメージとは異なり中堅中小企業顧客も多いことを強調する

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