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グループ30万人「働き方改革」のノウハウや技術を体系化、一人ひとりに応じたITサービスを提供

日立、“ニューノーマルな働き方”支援サービス群を発表

2020年11月26日 07時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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ペルソナに合わせた柔軟な選択が可能なIT環境=ワークスペースのサービス

 上述したコンセプトに基づいて、同サービスでは多様な選択肢をラインアップしていく。今回はいくつかのサービスが発表されている。

 たとえばワークスペースのカテゴリーでは、自宅やオフィスなど場所に依存せず、ストレスなく快適に働けるIT環境の提供を目的として、リモート環境でも安心安全なクライアント環境を実現する「セキュリティPC2.0サービス」、リモートワーク下でも円滑なチーム活動を支援する「Microsoft Teams活用シナリオ作成支援サービス」「Microsoft Teams向けアプリケーション活用サービス」などを提供する。

 「新たに開発したセキュリティPC2.0は、シンクライアントの安全性とファットクライアントの利便性を両立したデバイス。アプリケーションはPC上に搭載する一方、クラウドネイティブな通信認証をサポートし、ローカルにはデータを持たず、“ゼロトラスト”に対応している」(荒井氏)

 さらにセキュリティPC2.0は、デバイスの自宅配送や修理対応といった運用サービスも加えて提供する。ユーザーの利用環境に応じて機種やアプリケーション、通信環境、運用支援などが選択できるほか、オフィスワーカーのうち人事・総務、経理といった機密情報を扱う部門向けには「オンプレミス型VDIサービス」、開発・SEなどのプロジェクトワーカー向けには「クラウド型VDIサービス」も提供。デバイスの調達から廃棄まで一括サポートする「LCM(Life Cycle Management)サービス」なども組み合わせることができる。

ワークスペースカテゴリーの新サービス。ペルソナに合わせて選択できる

データ活用によるオフィスと働き方の再設計/変革

 データ活用によるオフィス空間の再設計を図るワークプレイスのカテゴリーでは、スマートフォンの位置情報などに基づき、従業員の勤務場所やオフィスの活用状況、社内での新型コロナウイルス感染者との接触有無を把握することで、従業員の安全を重視したオフィスと空間の管理を支援する「勤務場所・濃厚接触管理サービス」を提供。これは日立の大森オフィスで2020年10月から試行中であり、2021年度上期の商用サービス開始を予定している。

 なお同サービスは、日立ソリューションズが提供する「仮想オフィス Walk about Workplace」と組み合わせることで、なにげない日常の挨拶や雑談といった従業員間のコミュニケーションを活性化し、オフィスとバーチャルオフィスの双方の良さを生かした働く場所の再設計も支援するという。

 また、日立も参加する企業間情報連携推進コンソーシアム(NEXCHAIN=ネクスチェーン)を通じて、ニューノーマル時代の生活スタイルや働き方改革を推進する企業、団体と連携しながら、オフィスの地方分散/移転などによる都市部のオフィス機能のあり方、地方創生を支えるサービスの検討、提供を行うとしている。

ワークプレイスカテゴリーのサービスメニュー。オフィス移転/地方分散も含めたワークプレイス変革サービスも検討されている

 従業員/組織のパフォーマンス最大化を支援するプロダクティビティカテゴリーでは、生産性/配置配属サーベイの結果と勤怠データなどと掛け合わせた分析によって、従業員意識の可視化を図る「1on1 PoC向け日立人財データ分析ソリューション」と、蓄積されたさまざまなな営業活動の情報をAIで分析して、過去の傾向から商談先企業や提案内容を推奨する「商談先レコメンドサービス(AI活用)」を提供する。

 日立人財データ分析ソリューションでは、サーベイや分析の結果を活用した1on1ミーティングの普及を支援するサポートプログラムを新たに追加。在宅勤務など環境変化への不安や、組織や業務へのモチベーションなどの状況を把握することを支援すると同時に、意識の向上や生産性の最大化を図る施策の検討にも貢献できるという。

プロダクティビティカテゴリーのサービス

 そのほか、包括的なディレクションを行うコンサルティングサービスも用意。ユーザーの現状と日立の知見を掛け合わせながら、「働き方とITに対する現状と期待の分析」「ペルソナの導出と要件整理」「要件を満たすサービスの提供とイメージの検討」「サービス提供に向けたPoCやシステム要件検討」などを通じて、顧客ごとに最適なサービス導入を支援する。

 すべてのサービスは、年間契約の月額サブスクリプション型で提供される。参考価格として、Microsoft Teams向けアプリケーション活用サービスおよび1on1 PoC向け日立人財データ分析ソリューションを組み合わせたオフィスワーカー向け「セキュリティPC 2.0サービス」の標準メニューで、100ユーザーで年額500万円を想定しているとした。日立では、今回の新サービスを通じて2024年度に年間100億円の事業規模を目指す。

 「今後はLumadaアライアンスプログラムのもと、働き方改革に取り組む多様なパートナーと相互に連携してサービスを拡充するとともに、パートナーのチャネルを活用した販売も行っていく。人を中心とした働きやすい社会づくりのために、自ら実践した働き方改革の取り組みを社会全体の課題解決につなげていく」(原田氏)

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