ゴルフクラブを展開する「Cobra Golf」が、HPおよびParmatechと提携
HP Metal Jet 3Dプリント技術を使った限定モデルのゴルフクラブが発表
2020年11月19日 19時30分更新
HPは11月17日(現地時間)、ゴルフクラブメーカー「Cobra Golf」が、HPおよびParmatechと提携し、HP Metal Jet 3Dプリント技術を採用したゴルフクラブの限定モデル「KING SUPERSPORT-35 パター」を発売すると発表した。
本製品は、HP Metal Jet 3Dプリント技術を使用して作られたゴルフクラブ。オーバーサイズのブレード形状で、SIK Golfと提携して設計されたフェースも装備する。
フェース構造には、SIKGolが特許取得済みのDLTテクノロジー(Descending Loft Technology)を採用した。DLTテクノジーは、4 種類の段階的なロフト(4度、3度、2度、1度)でデザインされており、一貫性のある正確な転がりを実現するという。
ボディー全体は、316ステンレス鋼を使用して造形し、高温で焼結して金属を結合したうえで、最終的なヘッド部分を形成した。HP Metal Jetの造形機能により、エンジニアはボディー内に複雑な格子構造を造形できたとのこと。
ヘッドデザインは、高い安定性を実現するヒールトゥウェイトデザインと、わずかなアークパッティングストロークに適する、35度のフェースアングルを装備するクランクネックホーゼルを採用。複雑な格子構造を利用してパターヘッドの中心部から重量を取り除き、重量をヘッド外側へ周辺配分したことで、安定性と寛容性を高めたとする。製造プロセスの最終段階では、パターの表面をコンピューター数値制御(CNC)マシンを使用して精密加工し、最終的な仕上げを施した。
Cobra Golfは、HP Metal Jet 3D プリント技術が、従来の製造方法やほかの3Dプリント方法と比べて優位性があることを理由に、ゴルフクラブの3Dプリントのパイオニアパートナーとして、HPを採用したという。
本技術は複雑な構造に対応可能なほか、処理能力や開発における適応力も早いため、エンジニアは、設計、プロトタイプの作成、テストを繰り返し実施でき、従来の製造方法よりも迅速に製品を市場へ発表できたとのこと。
両社は、今回発表した本製品のほかにも、戦略的な複数年にわたる製品開発で協力しているとのこと。HPの積層造形の技術を活かした設計と製造の利点を活用して、将来的に高いパフォーマンスと、ゴルファーの満足度を引き上げるゴルフ用品を提供するとしている。2021年には、3Dプリント技術を採用した製品を2モデル追加予定とのこと。