鮮やかな色で撮れるクアッドカメラも魅力
背面に搭載された4眼カメラは、左から超広角(800万画素)、マクロ(500万画素)、深度(200万画素)と並び、最右のメインカメラは6400万画素のイメージセンサーを採用しています。この価格で6400万画素というのは、かなり贅沢な仕様と言っていいでしょう。
気になる画質ですが、「AIカメラ」をオンにして撮ってみたところ、非常に鮮やかな色調で撮れ、屋内や夜間でもスッキリとした画質で撮れました。端末価格が2倍以上のハイスペックモデルの画質には及びませんが、そこそこ写真を撮ることが多い人でも満足できそうです。
望遠カメラは搭載していませんが、ワンタッチで切り替えられる2倍ズームで撮っても画質劣化はほとんど気になりません。デジタルズームは10倍まで対応しています。
マクロは2~10cmの距離で撮影できますが、素早くピントが合い、文書を撮影して、メールで送るといった時にも重宝しそうです。
ビデオはフルHD(1080p/30fps)での撮影が可能。インカメラは1600万画素で、肌をきれいに補正する機能も備えています。
5Gはau(KDDI)とソフトバンクに対応
SoCは「Snapdragon 765G」というミドルハイ向けのチップセットを採用。「Google Pixel 5」「Galaxy A51 5G」「Mi 10 Lite 5G」など、最近搭載機種が増えているチップです。ハイエンドの5Gスマホは「Snapdragon 865」を採用していますが、普段づかいでパフォーマンスに違いを感じる人は少ないかもしれません。筆者はSnapdragon 865を搭載するスマホを使っていますが、それと比べてもTCL 10 5Gの動作に遜色を感じることはなく、アプリの起動、カメラの撮影モードの切り替えなどもスムーズにできます。6GBのメモリーを搭載してるためか、マルチタスクもストレスなく動作します。おそらく、相当なヘビーユーザーでない限り、パフォーマンスに不満を感じることはないでしょう。
FOXによると国内キャリアの対応ネットワークは、5Gはau、ソフトバンクに対応し、楽天モバイルにも対応予定とのこと。4G LTEは、ドコモ、au、ソフトバンクの3大キャリアに対応し、楽天モバイルへの対応も予定されています。
筆者はauの5GのSIMと、ドコモの4G LTE回線を使う楽天モバイル(MVNO)のSIMを挿して動作検証を行ないました。筆者の行動範囲では、まだ5Gにつながる場所は少ないものの、渋谷駅周辺では下り700Mbpsを超えるスピードを記録しました。とは言え、まだ5G対応の格安SIMは少ないので、しばらくは4G LTEの格安SIMで使って、もう少し5Gのエリアが広がってから、5GのSIMに差し替えるのが現実的でしょう。
バッテリーは4500mAhで、電池持ちも良い印象。一般的な使い方よりも画面を点灯させている時間が長かったと思いますが、1日は余裕で持ち、使い方によっては2日使い続けられる印象でした。
【まとめ】経済的に5Gスマホを使いたい人には最適
TCL 10 5Gは、大画面だけど、かさばるほどではなく、カメラの使い勝手もよく、多くの人が満足できそうなスマホです。3万9800円(税込)という価格を聞くと、どこか妥協しなければならないことがありそうに思うでしょうが、実際に使ってみると、意外と不満を感じません。
強いて不満点を挙げるとすれば、シングルSIM、シングルスピーカー。あとは、カメラにどこまでの性能を求めるかは人によって差があるので、写真や動画の画質に物足りなさを感じる人はいるでしょう。しかし、それらの不満点を差し引いたとしても、3万9800円は破格。5Gスマホを試してみたいが、出費は抑えたいという人には、いまのところ最善の選択肢となりそうです。
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