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Apple Watch 6に新デザインのiPad Air! 秋のアップル発表会第1弾 第25回

新iPad Airは「iPad Pro Air」と呼ぶにふさわしい強力マシンだ

2020年11月03日 12時00分更新

文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

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iPhone 12と同じチップを採用、パフォーマンスに期待!?

 このようにiPad Airは、外観だけからも完全にリフレッシュされ、車で言えばフルモデルチェンジを受けたモデルであることがはっきりと分かる。しかし本当に注目すべきは、むしろ中身の方だ。中でも象徴的なのは、メインチップとして「A14 Bionic」を採用していること。言うまでもなく、最新のiPhone 12/Proと同じチップだ。現行のiPad Proが採用するのはA12Z Bionicだから、少なくともチップの世代としては、iPad Airの方が進んでいる。この効果については、後に示すベンチマークで確認するが、iPad AirがiPad Proに迫る、あるいは部分的には上回るほどのパフォーマンスを発揮することは期待していい。

iPad
第8世代
iPad Air
第3世代
iPad Air
第4世代
iPad Pro
第2世代 11インチ
チップ 64ビット・A12 Bionic Neural Engine 64ビット・A12 Bionic Neural Engine 64ビット・A14 Bionic Neural Engine 64ビット・A12Z Bionic Neural Engine M12コプロセッサ"
ストレージ 32/128GB 64/256GB 64/256GB 128/256/512GB/1TB
本体サイズ 250.6 × 174.1 × 7.5 mm 250.6 × 174.1 × 6.1 mm 247.6 × 178.5 × 6.1 mm 247.6 × 178.5 × 5.9 mm
本体重量 495/490(Cellular)g 456/464(Cellular)g 458/460(Cellular)g 471/473(Cellular)g
ボタン ホームボタン/Touch ID 電源オン・オフ/スリープ・同解除 音量上げる・下げる ホームボタン/Touch ID 電源オン・オフ/スリープ・同解除 音量上げる・下げる トップボタン/Touch ID 音量上げる・下げる 電源オン・オフ/スリープ・同解除 音量上げる・下げる
コネクタ Lightningコネクタ Smart Connector 3.5mmヘッドフォンジャック nano-SIM(Cellular) Lightningコネクタ Smart Connector 3.5mmヘッドフォンジャック nano-SIM(Cellular) USB-Cコネクタ Smart Connector 磁気コネクタ nano-SIM(Cellular) USB-Cコネクタ Smart Connector 磁気コネクタ nano-SIM(Cellular)
ディスプレイ 10.2インチ/2160 × 1620/264ppi 500ニト Apple Pencil(第1世代)対応 10.5インチ/2224 × 1668/264ppi 広帯域P3/500ニト Apple Pencil(第1世代)対応 10.9インチ/2360 × 1640/264ppi 広帯域P3/500ニト Apple Pencil(第2世代)対応 11インチ/2388 × 1668/264ppi ProMotion 広帯域P3/600ニト Apple Pencil(第2世代)対応
カメラ 8 メガピクセル/f/2.4 オートフォーカス パノラマ(最大43メガピクセル) 写真のHDR バーストモード タップしてフォーカス タイマーモード 自動手ぶれ補正 人体検出と顔検出 8 メガピクセル/f/2.4 オートフォーカス パノラマ(最大43メガピクセル) 写真のHDR バーストモード タップしてフォーカス タイマーモード 自動手ぶれ補正 12メガピクセル/f/1.8 オートフォーカス パノラマ(最大63メガピクセル) 写真のHDR バーストモード タップしてフォーカス(Focus Pixels) タイマーモード 自動手ぶれ補正 広角:12メガピクセル/f/1.8 超広角:10メガピクセル/f/2.4/視野角125° 2倍の光学ズームアウト/最大5倍のデジタルズーム オートフォーカス(広角) パノラマ(最大63メガピクセル) 写真のHDR バーストモード タップしてフォーカス(広角、Focus Pixels) タイマーモード 自動手ぶれ補正
ビデオ撮影 1080p HDビデオ撮影(30fps) スローモーション(720p/120fps) ビデオの手ブレ補正 3倍ビデオズーム 人体検出と顔検出 1080p HDビデオ撮影 スローモーション(240fps) ビデオの手ブレ補正 3倍ビデオズーム align="center" > 4Kビデオ撮影(24、30、60fps) 1080p HDビデオ撮影(30、60fps) 1080p スローモーション(120p/240fps) 映画レベルのビデオの手ブレ補正(1080p/720p) 連続オートフォーカスビデオ 4Kビデオ撮影(広角:24、30、60fps) 1080p HDビデオ撮影(30、60fps) 720p HDビデオ撮影(30fps) 1080p スローモーション(広角120p/240fps、超広角24fps) 映画レベルのビデオの手ブレ補正(1080p/720p) 連続オートフォーカスビデオ
FaceTime HD 1.2 メガピクセル/f/2.4 720p HDビデオ撮影 写真のHDR バーストモード タイマーモード 人体検出と顔検出 7 メガピクセル/f/2.2 1080p HDビデオ撮影(30fps) 写真とビデオの自動HDR バーストモード タイマーモード 7メガピクセル/f/2.2 1080p HDビデオ撮影(60fps) スマートHDR バーストモード タイマーモード (TrueDepth) 7メガピクセル/f/2.2 1080p HDビデオ撮影(30、60fps) スマートHDR 自動手ブレ補正 バーストモード タイマーモード
スピーカー ステレオ ステレオ ステレオ 4
マイク デュアル デュアル デュアル 5
センサー Touch ID 3軸ジャイロ 加速度センサー 気圧計 環境光センサー Touch ID 3軸ジャイロ 加速度センサー 気圧計 環境光センサー Touch ID 3軸ジャイロ 加速度センサー 気圧計 環境光センサー Face ID LiDARスキャナ 3軸ジャイロ 加速度センサー 気圧計 環境光センサー
バッテリー 32.4Wh・リチウムポリマー Wi-Fi:最大10時間 Cellular:最大9時間 30.2Wh・リチウムポリマー Wi-Fi:最大10時間 Cellular:最大9時間 28.6Wh・リチウムポリマー Wi-Fi:最大10時間 Cellular:最大9時間 28.65Wh・リチウムポリマー Wi-Fi:最大10時間 Cellular:最大9時間

 このスペック表を見ていくと逆にiPad Airが、まだまだiPad Proに及ばない点も数多くあることに気付く。というよりも、いくら高性能をチップを搭載していても、やはりiPad AirとiPad Proではそもそも設計コンセプトの異なるマシンなのだということを思い知らされる。

 まず大きく異なるのが、ストレージサイズのバリエーションだ。iPad Airでは64GB、または256GBの2モデルなのに対し、iPad Proでは128GB、256GB、512GB、1TBという4モデルを揃え、やはりクラスが違うと感じさせる。

 すでに述べたように、iPad Airは単眼カメラなのに対して、iPad Proは2眼となっている。これは、もちろん見た目だけでなく、機能的にも大きな違いをもたらす。iPad Proの2眼は、広角と超広角の組み合わせだが、iPad Airではこのうちの広角レンズを付けた12メガピクセルのカメラだけを採用したものと考えられる。広角カメラとしてのスペックは、iPad AirとiPad Proでほとんど変わらない。またディスプレー側のインカメラ(FaceTime HD)も、両者はスペック的にかなり近い。少なくとも7メガピクセルでf値が2.2という基本スペックは同じだ。ただし、iPad Proではインカメラにも自動手ブレ補正機能が備わっている点が異なる。

 もう1つ大きく異なるのが音声関係の装備だ。iPad Airのスピーカーは2つで「ステレオ」に対し、iPad Proは4スピーカーを採用する。iPad AirもiPad Proと同様、本体側面の短辺側にスピーカーの音の出口が2組ずつ並んでいるので、4スピーカーのように見える。確かにiPad Proでは、このそれぞれの内側に1つずつ、合計4つのスピーカーが配置されている。そのため、iPad Pro本体を縦向きに置いても、横向きに置いても、必ず左右に2つずつのスピーカーが割り振られることになり、ソフトウェアによるチャンネルの切り替えによって、常に正しいステレオ効果が発揮できる。

 それに対してiPad Airは、音の出口こそ片側に2組あるように見えるが、残念ながらスピーカーそのものは1つの側面に1つずつしか内蔵していない。これは、本体を横向きしたときにのみ、正しいステレオ再生を可能にする。ウェブ上の動画はともかく、映画などを観る場合には、たいてい横向き置くはずだ。また、Magic KeyboardやSmart Keyboard Folioを利用する場合にも、本体は必然的に横向きになるので、何の問題もない。ただし、本体を縦にして再生する場合には、正常なステレオ効果は得られない。この際、どちら向きに回転しても、必ず上になった短辺から右チャンネル、下から左チャンネルの音が出るように、スイッチングするようだ。

 マイクについては、iPad Airはデュアル、iPad Proは5つも内蔵している。配置の向きによらず、ノイズキャンセリング効果やステレオ収録を考えると、これもiPad Proの方が断然有利だ。とはいえ、これについては実際に作品レベルのビデオ撮影をしない限り、ウェブ会議など、一般的な用途の範囲では、ほとんど気にならないだろう。マイクについても、iPad AirとiPad Proの差別化のための1項目として納得できる。

 iPad AirとiPad Proの本体サイズを比較すると、画面サイズが0.1インチ(約2.5mm)しか違わないiPad Proの11インチモデルと、縦横はまったく同じだ。ただし厚さがiPad Airは6.1mmなのに対し、iPad Proは5.9mmと、0.2mmだけ薄い。iPad Airでもかなり薄く感じるが、実はiPad Proはさらに薄いというのも、さすがはiPad Proと感心せざるを得ない部分だ。ただし、重量は、Wi-FiモデルもCellularモデルも、わずかながらiPad AirがiPad Proよりも軽く、もともと軽いことを意味する「Air」の面目を保っている。

 前任機の第3世代と比べると、本体の厚みは6.1mmでまったく同じ。長辺の長さが3mmほど短くなり、逆に短辺の長さは4.4mmほど長くなっている。要するに前任機よりもやや正方形に近付いたかたちだ。面積で言えば、新しいiPad Airの方がわずかに大きい。それでいて、前任機よりも小さく、薄く感じられる。

 この印象は人によって違うかもしれないが、iPad ProやiPhoneのように、エッジの効いた側面を採用したデザインの影響だと感じられる。裏表2枚の大きな平面を、細いバンド状の側面でつなぐというデザインは、持ちやすさも向上させている。またディスプレーがオフの際には判別できないが、ベゼルを細くしたことも、大きさの感じ方と関係がありそうだ。

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