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「SAP Aribaリンケージビジネス」を新たに提供、「SAP Concurリンケージサービス」ではAI-OCRオプション

セゾン情報、購買や経理分野の「リンケージサービス」で2つの発表

2020年10月15日 07時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 セゾン情報システムズは2020年10月13日、同社が展開するリンケージサービスの強化/拡充に関して2つの発表を行った。SAPの調達/購買ソリューション「SAP Ariba」とセゾン情報のデータ連携ソリューション「DataSpider Servista」を組み合わせた「SAP Aribaリンケージサービス」を11月1日から受注開始する(今冬から提供開始予定)。また、すでに提供している「SAP Concurリンケージサービス」では、AI-OCRソリューションを組み合わせた「完全ペーパレス請求書オプション」を発表し、受注も開始した。

 セゾン情報システムズ リンケージビジネスユニット ビジネス開発部部長の今野達矢氏は、「モダンファイナンス分野におけるデジタル化や自動化を加速化し、経営に必要なデータを可視化することで、迅速な戦略的意思決定に貢献できる」としている。

今回はモダンファイナンス分野での「リンケージサービス」拡充/強化を発表した

セゾン情報システムズ 執行役員 リンケージビジネスユニット長の花香 勝氏、同社 リンケージビジネスユニット ビジネス開発部部長の今野達矢氏

自社製データ連携基盤を中核に据え、企業内/企業間のシステムをつなぐ

 セゾン情報が2015年から展開するリンケージサービスは、同社が提供する「HULFT」やDataSpider Servistaを活用し、顧客企業内や企業間のシステムとデータ、SaaSを連携するサービス。デジタルトランスフォーメーション(DX)プラットフォームとなる「データ連携基盤」を中心に据え、業務のデジタル化/データ化を支援する財務/経理部門向けの「モダンファイナンス」、同じく経営/業務部門向けの「モダンマネジメント」の各サービスで構成される。

 社内システムや組織変更、サプライチェーンの変化にも柔軟に対応できるデータ連携製品/基盤の強みを生かした提案を行っており、2020年3月時点で132社への累積導入実績を持つ。2019年度の売上高は41億円、前年度比48%と、高い成長を遂げているビジネスだ。今年4月にはリンケージビジネスユニットを新設し、事業拡大に向け体制を強化している。

リンケージサービスの概要と業績推移。2019年度は41社の新規契約を獲得し、累計導入社数は132社となった

 セゾン情報システムズ 執行役員 リンケージビジネスユニット長の花香 勝氏は、「自社での経験をもとに、連携されたデータで経営情報を可視化し、お客様の意思決定を加速化することができるのが、セゾン情報システムズの強み」だと説明する。

 花香氏が述べているとおり、リンケージサービスでは「自社導入」も特徴としている。顧客に提案、提供する前に、まずはセゾン情報自身が自社で導入して、課題整理や効果の確認、知見の蓄積を図ったうえで顧客に提供する。そのため、顧客企業における課題の早期発見や解決につながるという。

調達・購買部門のDX化を推進する「SAP Aribaリンケージサービス」

 リンケージサービスでは2019年度から、ConcurやBlackLineを組み込んだモダンファイナンスサービスを展開、強化してきた。今回同社が発表したのは、そのモダンファイナンス分野の拡充/強化となる。花香氏は、発表の背景を次のように説明する。

 「コロナ禍を通じて、請求書のペーパーレス化、会計業務の自動連携機能に対する関心が高まっている。また購買部門では、間接材の調達コストの見える化がが進まないという課題がある。こうした顧客の声を反映したのが今回の2サービスだ」(花香氏)

 まず、新サービスのSAP Aribaリンケージサービスは、調達・購買部門のDX化を推進する役割を担う。今野氏は、間接材に対する調達コストの可視化が必要な理由を次のように説明する。

 「原材料費や部品などの直接材は、製造原価に直接関わるため厳しく管理されている。その一方で、各部門が個別に調達している物品やサービス、家賃、委託している人材費といった間接材は、可視化できていなかったり、統制ができていない企業が多い。日本の企業では、間接材が占める割合が約1~2割を占めている。売上高1000億円の企業の場合、間接材が100~200億円を占めるが、ここで2億円のコスト削減が図れても、直接材で2億円のコストを削減することは難しい。間接材の購買を見える化することは、コスト削減効果が大きい」(今野氏)

多くの企業では間接材の調達に対する可視化と統制ができておらず、無駄なコスト支出の原因に

 SAP Aribaは、バイヤー側の調達から支払いまでのプロセス、サプライヤー側の受注から入金管理までのプロセスを、デジタル化によって統合するソリューション。今回のSAP Aribaリンケージサービスではまず、顧客企業の会計システムや人事システムを「SAP Ariba購買管理ソリューション」と連携させ、あらゆる商材の見積もりからの請求管理を行って、購買業務のサポートが行えるようにする。さらに会計システムだけでなく、その他のシステムも含めたデータ連携ができる基盤の構築も可能だという。同サービスの初期費用は500万円を想定している。

 「SAP Aribaには支払い機能がない。支払データを会計システムにつなげて支払い処理ができるという点で、新たなリンケージサービスは貢献できる」(今野氏)

SAP Aribaリンケージサービスの概要。社内システムとの連携に加え、SAP Aribaが備えていない機能も補う

 セゾン情報では、もちろんSAP Aribaも自社導入している。9月14日に新システムに移行し、現在は第2フェーズに取り組んでいるところだという。

 「SAP Aribaへの移行により、将来のグローバル対応を含め、運用不可、可用性、インフラの制約、夜間停止といった課題を解決した。物品発注業務において業務プロセスを見直し、見積もりから支払いまで11ステップあったプロセスを4ステップに短縮した。これにより、年間発注工数の約25%を削減し、リードタイムも12日間短縮できている。今後はさらに、部門購買の電子化や自動支払いによる工数削減に取り組む」(今野氏)

セゾン情報におけるSAP Aribaの自社導入。購買の工数を削減すると同時に、承認部門の追加で統制強化を実現した。フェーズ2に入り、さらなる効率化も目指す

「紙の請求書」をAI-OCR処理して入力作業と入力ミスを削減、テレワーク推進にも

 もう1つの新発表であるSAP Concurリンケージサービスの完全ペーパレス請求書オプションは、請求書の電子化と会計の自動連携を実現するものだ。

 具体的には、サプライヤーから届く請求書の電子化と管理、支払いなどの業務プロセスを自動化する「Concur Invoice」と、ファーストアカウンティングの経理会計専用AI-OCR「Remota」を活用。紙の請求書をPDFファイル化し、同時にAI-OCR処理によってデータ入力を自動化する。自動仕訳や会計システムとの連動機能によって、入力作業やチェック作業の軽減や入力ミスの防止につなげる。

SAP Concurリンケージサービスの「完全ペーパレス請求書オプション」概要。AI-OCR連携で紙の請求書からのデータ読み取りと自動入力を可能にする

 今野氏は、現在多くの企業でリモートワーク/在宅勤務化が進んでいるにもかかわらず、「財務/経理部門では全社員が出社している企業が目立つ」と指摘する。その理由は「紙の請求書」だ。

 「システムがペーパーレス化に対応していても、紙の請求書運用が残ってしまう。当社ではこれまでも、Concur Invoiceによる請求書処理の自動化を提案してきたが、今回の完全ペーパレス請求書オプションでは、Remota AI-OCRによる請求書データの読み取りで、個社ごとの自動仕訳処理を行うことができる。集まってきたデータを会計処理に接続することができる」(今野氏)

 このオプションを導入することで、紙受領のためにオフィスに出社することがなくなり、入力業務や入力ミスを削減できるメリットを強調した。

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