RTX 3080は4K、RTX 3070はWQHDがターゲット
GeForce RTX 3090で夢の8Kゲーミングは実現するのか?HDMI 2.1とDLSSの役目を解説
2020年09月09日 11時00分更新
なくなってしまった「VirtualLink」
ちなみに、インターフェースの話題で言えば、GeForce RTX 20シリーズで初採用された「VirtualLink」は、GeForce RTX 30シリーズでは完全に“なかったもの”にされてしまった。VR HMDのヘッドセットに供給する映像信号とデバイスのトラッキングなどに使うUSBの情報をUSB Type-Cケーブル1本で送出できることがウリだったが、実際にこれを採用したVR HMDは登場しなかった(かのValveもVirtualLinkへの変換ケーブルの開発を断念している)。
何よりこの規格を牽引するはずのVirtualLinkコンソーシアムのウェブサイト(http://www.virtuallink.org/)自体が消滅しているので妥当な判断と言える。ただし、筆者はUSB Type-C接続ポータブル液晶でディスプレーとの接続にVirtualLinkを活用していたので、なんとか残して欲しかったところだが……。
PCI Express Gen4対応による現時点での性能差はない?
最後にPCI Express Gen4対応だが、驚いたことにGeForce RTX 30 Series Tech Sessionでは、PCI Express Gen4について何かを訴えるような説明はなかった。RTX IOでGen4接続のSSDを使えばテクスチャーなどのデータを転送する際の帯域が増えるとしながらも、GPU側のバスの帯域増加については完全にスルーされていた。
これはRadeon RX 5700シリーズの検証結果でも見られた通り、ゲーム体験を直接左右するものではないからアピールしなかったのでは、と筆者は推測している。GeForce RTX 30シリーズよりももっと性能が低いノートPC向け最新GPU「GeForce MX450」でもPCI Express Gen4対応になっている点を考えると、Gen4対応でメリットがあるからではなく業界標準に合わせただけ、と考えるのが自然だ。
次回は「消費電力についての取り組み」をレポート
正直なところ、WQHD解像度から本当に8Kの解像感に負けないクオリティーの映像が得られるのかは、実際にこの目で見てみないことにはわからない。まだGeForce RTX 3090のレビュー個体(FEでない可能性も多いにある)が本当に借りられるのか、いつ到着するのかもわからない状態である。もちろん、8Kが出せるTVもなんとかしなければならないので、GeForce RTX 3090の検証は本当に骨が折れそうだ。
次回は前回少し触れたビデオカードの消費電力について、シリコンの設計とは別の角度からのNVIDIAのアプローチを解説する予定だ。