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佐々木喜洋のポータブルオーディオトレンド 第36回

ツマミで音質調整、Oriolusのポータブルグライコ「SE02」で思い出した楽しさ

2020年09月01日 13時00分更新

文● 佐々木喜洋 編集●ASCII

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 7月末にOriolusのポータブルオーディオ新製品が発売された。

 ポータブルヘッドホンアンプの「BA20」、ポータブルDACの「BD20」、そしてポータブルイコライザー「SE02」だ。これらは低価格でコンパクトでありながらフルバランス構成の本格的な製品である。

SE02

 なかでもひときわ耳目を集めたのはSE02だ。日本のオーディオ全盛時代にはこうした単機能の「グライコ」(グラフィックイコライザー)製品は人気があったが、いまではすっかり忘れられていたものだ。それを中国メーカーがユニークな着想でポータブル製品として蘇らせたのはいかにも今の時代らしい。

 SE02は特定の周波数だけ通すバンドパスフィルターを左右別々に5種類(63Hz、330Hz、1kHz、3.3kHz、10kHz)搭載している。これは低域、中低域、中音域、中高域、高域と言い換えた方が分かりやすいかもしれない。

つまみを手で触れて音を作る楽しさを思い出す

 BD20、BA20と組み合わせて試したみた。まず、精巧にできたグライコのミニチュアモデルのような感覚が楽しい。なかなかに精密感があって、スライダーの動きもスムーズ。センターにクリックがあるので、簡単に初期設定に戻すことができる。215gでずっしりとした重みがある。ちなみにSE02は電池を必要としているのでパッシブな機器ではない。バッテリーは4時間の充電で15時間の使用が可能だ。

 イコライザ機能のオン/オフスイッチがあるので、効果は簡単に比較して試すことができる。イコライザーの考え方はスマホアプリのイコライザーと同じだが、デジタル処理ではなくアナログ回路を通す、音の変化は自然で滑らかだ。自分で好みに音にカスタマイズをしていく感覚はオーディオの楽しみの一つだということを思い起こさせてくれる。

 デジタルイコライザーだとよく音割れを起こしてしまうが、SE02ではそういうことは起こりにくい。イコライザーを使うことによる音質低下もほとんど感じられない。試しにBluetoothレシーバーである「Oriolus 1795」の4.4mmバランス端子の後段としても接続して試してみたが、むしろ音質が向上する感じさえする。ゲインはないが、なんらかのバッファアンプのような働きをしているのかもしれない。

 SE02はDACなどのソース機器とアンプの間に入れることが推奨されている。ポータブルで使う場合は、BD20とBA20を重ねて持ち運ぶことになるが、さすがに3段重ねはかさばってしまう。使う際には再生する曲を選び、BD20にデジタル出力するスマホなども必要だ。

 となると、PCなどに接続してデスクトップで使ってみるのが面白いかもしれない。BD20、BA20とも音質は価格以上の上質さがあるので、音質の高さと趣味性を兼ね備えたシステムが作れるのではないかと思う。

ポータブル分野で、中国の成熟を感じとれた

 コストパフォーマンスの高さで売り上げを伸ばしてきた中国オーディオ製品が、こうした遊びの部分にまで踏み込む製品を開発したのは、それだけ成熟してきているということではないだろうか。

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