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4K有機EL&Core i7-10875H+RTX 2060搭載、写真・動画編集に最適な「DAIV 5N-OLED」をレビュー

文●周防克弥 編集● ジサトラハッチ

提供: マウスコンピューター

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 マウスコンピューターのクリエイター向けブランド「DAIV」シリーズに、4K(3840×2160ドット)表示が可能な15.6インチ有機ELパネルを採用したノートPC「DAIV 5N-OLED」が登場した。

 有機ELはRGBが自ら発光する「自発光」であり、バックライトでカラーフィルターを照らす一般的な液晶(LCD)とは異なる。有機ELパネルは、液晶パネルと異なり他の色が混ざることがないため高精細で彩度が高く、メリハリのある表示ができ、一般的な液晶パネルよりも格段に美しい描画を実現する。

 また、sRGBよりも広い色域を持ち、今後の基準になるであろうデジタルシネマ規格「DCI-P3」比100%に相当する高色域を表現可能。見る目的だけでなく、コンテンツ制作などの作業においても有効に利用できるため、クリエイター向けの「DAIV」シリーズらしい使い方が可能だ。

「DAIV 5N-OLED」の主なスペック
ディスプレー 15.6インチ 4K-UHDグレア(有機EL、DCI-P3比100%)
CPU Intel「Core i7-10875H」
(8コア/16スレッド、2.3~5.1GHz)
グラフィックス NVIDIA「GeForce RTX 2060」
(6GB、メインメモリーからシェアで最大約8GB)
メモリー 16GB
(8GB×2、DDR4-2666)
ストレージ 512GB
(M.2、NVMe対応)
インターフェース HDMI×1、Mini DisplayPort×1、USB Type-C×1、Thunderbolt 3×1、USB3.0×3、ギガビットイーサ、ヘッドホン出力×1、マイク入力×1
無線機能 Intel「AX201」
(最大2.4Gbps、IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax)、
Bluetooth 5
サイズ 359(W)×258(D)×30.3(H)mm
重量 約2.41kg
バッテリー駆動時間 約5.5時間
OS Windows 10 Home(64ビット)

4K有機ELパネルの美しさを「DAIV 5N」と比較

 モデル名からも想像できるが、ベースになっているのは同社の「DAIV 5N」。しかし、筐体は2020年モデルではなく2019年モデルのほうで、サイズはおよそ359(W)×258(D)×30.3(H)mm、重量は2.41Kgになっている。詳しくは後述するが、キーボードに関しては個人的には2020年モデルの「DAIV 5N」よりも2019年ベースのこちらのほうが気に入っている。

 まずは最大の特長といえる4K有機ELパネルを中心に、外観をチェックしよう。見た目は完全に2019年モデルのDAIV 5N。黒を基調にした鋭角的なデザインは、同社のゲーミングブランドG-Tune系にも通じるデザインで、横から見ると全体のシルエットはくさび形になっている。側面のインターフェースのある面から下は、底面に向かって斜めに切り落とされているので、見た目の印象的にはかなり薄い。重量も持ち運びできないほどではない。

 有機ELパネル採用の多くの製品がそうであるように、本機でもディスプレー表面がグレア処理になっている。黒の締りをよくするためと、表面をノングレア処理にするとどうしても彩度が低くなってしまうのが理由だ。ただ、屋外での利用時には外光の反射が強く、室内に設置するにしても、明るい場所を避けて置かないと作業性が落ちてしまう難点はある。

一般的な液晶パネルと違い、ドット単位で自ら発光する有機ELパネルは、高いコントラストと広い階調、DCI-P3比100%相当の高色域を持つ。見るだけではなくコンテンツ制作などの作業でも有用だ

自身が発光する有機ELパネルは視野角が広いのも特徴。正面だけでなく左右や上下など、どの位置からでも同じ色や明るさ、コントラストで見られるため、作業現場で複数人での確認作業にも利用できる

左がDAIV 5N-OLED、右がDAIV 5N。一般的な液晶パネルよりも彩度が高く、コントラストも高い。Windows 10のHDR機能にも対応しているため、同機能を用いたコンテンツ制作でも役立つ

4Kとはいっても標準では拡大率250%に設定されているので、表示上では実質1536×864ドットになる。DAIV 5Nは標準の125%表示で実質解像度が同じになるため、デスクトップのアイコン、タスクバーなどの大きさは同じになるが、Photoshopで画像を100%表示した場合の大きさが変わってくる

ディスプレーの拡大率を共に100%に設定。15.6インチディスプレーで4Kは、あまりにもアイコンやタスクバーが小さいが、UIが小さくなったことで、画像などのファイルを開いた際には大きく利用できる。UIが小さくても視認性に問題を感じない場合には、かなり使い勝手は良くなるだろう

 15.6インチの4Kディスプレーと15.6インチフルHD(1920×1080ドット)ディスプレーとを比べると、標準の拡大率で使う分には、実際の作業範囲は変わらない。ディスプレーの表示倍率を変えても、物理的なサイズが同じなら結局は同じ範囲しか利用できないので、単純に4Kだから広く使えるというわけでもない。

 しかし、Photoshopなどの画像編集ソフトでは、実際のピクセル数をベースに拡大率を計算して表示するので、フルHDと4Kのディスプレーでは、画像の表示倍率を同じにしても大きさが変わる。実作業では、レタッチにせよ補正にせよ、拡大/縮小して見やすい大きさで表示するため、4KでもフルHDでもあまり作業性に影響は出ない。とはいえ、精細な画像を表示できる点や、有機ELによる鮮やかな発色とコントラスト、高色域が表現可能で、なおかつ持ち運びが可能なノートPCである点などを見れば、写真/映像作品を扱うにはかなり魅力的なPCになっている。

  加えて、有機ELパネルを使用している5N-OLEDは一般的な液晶を使用している5Nに比べて彩度が高く色に透明感がある。比較に使用した2台は表面処理が異なり5Nは反射しないノングレア処理になっているが5N-OLEDは反射するグレア処理になっているため、黒の表現力そのものが根本的に違うがそれでも有機ELパネルを使用している5N-OLEDは黒の締りがよくコントラストが高いうえに中間調の表現力も高い。

DAIV 5N-OLEDの場合

DAIV 5Nの場合

DAIV 5N-OLEDの場合

DAIV 5Nの場合

 上の作例で比較して貰えれば分かるとおり、OLEDパネルだと、影になっている黒が引き締まり、日の光が当たっている部分は、より鮮やかに自然な表現になっている。赤と青の表現も鮮やかで、より美しく表示されている。

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