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マランツ、新世代デザイン採用の「SACD 30n」「MODEL 30」

2020年09月02日 16時00分更新

文● ASCII

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 マランツは9月2日、新世代のマランツデザインを採用したSACDプレーヤー「SACD 30n」とプリメインアンプ「MODEL 30」を発表した。価格はともに27万円(税抜)。9月5日に発売する。プレミアム3年保証の対象機種となる。

 2004年以来、長く採用してきたニュープレミアムデザインを刷新。また型番のネーミングルールも変更し、新たにラインアップを形成していく。SACD 30n/MODEL 30は、「SA-12」「PM-12」と同等以上のパフォーマンスをより安価に提供する機種となる。

 試聴する機会を得たが、2016年のSA-10/PM-10以来模索してきた、マランツの新世代サウンドの方向性が、一周回って明確になったと感じさせる仕上がりになっている。同時期にサウンドマネージャーに就任した尾形氏の意向が色濃く反映され、具体化した製品と言い換えてもいい。

 たっぷりとした中低域と、色彩感のある高域、そして広がりのあるサウンドステージ。音楽性をキーワードにしたペアはやや硬質でクールな印象だったかつてのサウンドに、ボディ感や柔らかさが加味され、抱擁感や音で満たされた空間に包み込まれるような感覚が得られた。そして、新しいデザインと型番への刷新は、ミドルレンジからの展開となった。高音質でありながら、手が届かないほど高級でもない、そんなブランドの特徴も反映したものだ。

SACDプレーヤーにネットワーク再生機能を追加し、価格も安く

 SACD 30nは、第3世代となったマランツ独自開発のDAC「Marantz Musical Mastering」(MMM)を搭載。MMMはPCM信号をDSDと同じ1bit信号に変換する前段部(MMM-Stream)と、それをアナログ信号として出力する後段部(MMM-Conversion)からなる。両者の間には8個のデジタルアイソレータを入れて電気的に絶縁(16経路の信号を磁気カップリングで絶縁)。デジタル回路のノイズがD/A変換以降のアナログ回路に干渉することを防いでいる。

 MMM搭載機はSA-10、SA-12/SA-12 OSEに続く、3世代目だが、モデルごとにアナログ回路が異なるため、そこが性能の差につながるという。

 また、末尾のnが示す通り、ネットワーク再生にも対応。プレミアムグレードにアップデートした「HEOS」モジュールを採用することで、2007年の「NA7004」以来、フラッグシップの「NA-11S1」を含み、過去最高のネットワーク再生能力を得たとする。

 HEOS用とSACD/CD/USB DAC用のマスタークロックは別個に用意しているが、HEOSモジュールはDAC基板よりも離れた位置にあるため、伝送経路でジッターが生じやすいという問題があった。そこで光通信で使うのと同グレードの高精度ジッタークリーナー(プレミアム・クロック・リジェネレーター)をDACの直前に置き、フェムト秒クラスの低遅延・高精度のクロックに叩きなおすようにしたという。なお、検証の結果、もともと高精度なSACD/CD/USB DAC用のマスタークロックもこのジッタークリーナーを通した方がいい結果が得られたため、同様の仕組みを採用している。

 ドライブメカについても、SA-12と基本的に同じ。ただし、トレイのグレードを金属製からザイロン製に変えて若干コストダウンした。ここが、SA-12と同等の規模の回路、新規開発の音響部品に加え、ネットワーク再生機能が付いても価格を抑えられた大きな理由となった。

 電源用のブロックコンデンサーは新規に起こしたもの(3900μF/34V×2個)、このほかMELF型金属皮膜抵抗、リード型金属皮膜抵抗、銅箔フィルムコンデンサー、銅プレートパスバーなどを新規採用している。

 音の特徴は「モダン・ミュージカル・ラグジュアリー」をキーワードにしている。サウンドマネージャーの尾形氏によると「音楽性(表現力)を改善できたと考えている」そうだ。特に、銅箔フィルムコンデンサーの採用が音質に大きな影響を与えているという。

 マランツのプレーヤーは、ヘッドホン出力にもこだわりがあるが今回もディスクリート型の回路(HDAM-SA2入力段を搭載したフルディスクリート構成の電流帰還形回路)になっている。ゲイン切り替えは3段階。ヘッドホンの抜き差しに応じて自動で、物理的に回路の電源をオン/オフできる仕様とした。また、ネットワーク回路、可変出力回路/電源、デジタル出力回路についても、ユーザー設定で個別にオフにできる。

 背面にはアナログRCA出力(固定)、アナログRCA出力(可変)、同軸デジタル出力、光デジタル出力、同軸デジタル入力、光デジタル入力×2、USB-A端子(USBメモリー用)、USB-B端子(PC接続用)、Ethernetなどを装備。Wi-Fi接続も可能。

 USB接続時は最大384kHz/32bitのPCM、最大11.2MHzのDSD再生が可能。このほかSpotifyやAmazon Music HDなどのストリーミングサービス、BluetoothやAirPlay 2によるスマホとの接続に対応する。細かな仕様と機能は他のHEOS搭載機器に準ずる。

 SACD 30nのサイズは幅443×奥行き424×高さ130mm(アンテナを寝かせた場合)で、重量は13.7㎏。3ケタ表示対応の有機ELディスプレーを持つ。

セパレートクラスの性能を持つプリメインアンプ

 MODEL 30は、PM-12をベースに開発しており、共通した特徴を持つ。具体的にはHypex製のD級アンプモジュールやスイッチング電源を採用することで、パワーアンプ部のスペースを削減。空いたスペースに、独立電源を持ち、セパレートアンプと遜色ない規模の電流帰還型プリアンプを組み込んでいる。内部レイアウトについても、PM-12とMODEL 30は非常によく似ている。

 強化点としては、電子ボリュームを新しくした(JRC製のMUSE 72323)ほか、JFET入力の採用によって、音色変化の原因になるカップリングコンデンサーを排除したことなどが挙げられる。大型のトロイダルコアトランスによるプリアンプ専用の電源回路を用意する点、カスタムの電解コンデンサー(6800μF/35V×2)を使用する点などは、従来と共通する部分だ。

 パワーアンプはHypexの「NC500」を2基使用。出力は200W+200W(4Ω)。これを1基の専用スイッチング電源で駆動する。ここも先行するPM-10やPM-12と同様だ。

 フォノイコライザーは、MM/MCカートリッジ対応で、MCポジションは3段階(LOW33Ω、MID100Ω、HIGH309Ω)ある。JFET入力による入力カップリングコンデンサーの排除、DCサーボ回路による出力カップリングコンデンサーの排除などが新たな取り組みだ。

 SACD 30n同様、高品質なパーツ選定にもこだわっている。 

 このようにMODEL 30は、PM-12と同等以上の性能をより低価格に提供する機種となっている。サウンドマネージャーの尾形氏によると、「(PM-12に対して)内部回路的に妥協している点はない。中の規模感は変わっていないが、音に影響が出にくい部分を少しずつ調整するなど努力して、適正なコストにまとめた。インシュレーター素材の変更やF.C.B.S.機能の省略など、機構も含めて、細かな調整をしている」という。筐体フロントパネルを金属ではなく樹脂にした点なども関係しているようだ。

 本体サイズは幅443×奥行き431×高さ130mmで、重量は14.6㎏。

 アナログRCA入力×5、PHONO、パワーアンプ入力、プリアウト出力、RECアウト、ヘッドホン出力などを装備。定格出力は200W+200W(4Ω)、100W+100W(8Ω)。

訂正とお詫び:本文内の誤字脱字を訂正しました。(2020年9月2日)

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