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サブスクリプションサービスやコンテナ・AIに向けた取り組みを披露

ハイブリッドクラウドの主要プレイヤーになるべくネットアップができること

2020年07月30日 10時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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 2020年7月29日、ネットアップは新年度の事業戦略発表会を開催した。発表会ではオンプレミスのストレージからハイブリッドクラウドのデータ基盤へとビジネスをシフトさせてきた同社の戦略を再度確認するとともに、ポストコロナを見据えた取り組みとしてサブスクリプションサービスや、コンテナやAIに対するデータ基盤といった新しい取り組みを紹介した。

新型コロナウイルスで変わる企業のIT投資

 発表会に登壇したネットアップ合同会社 代表執行役員社長の中島シハブ・デュグラ氏は、クラウド、オンプレミスなどさまざまな環境で透過的にデータを利用可能にする「データファブリック」の構築を支援するという従来からの戦略について説明。その上で、戦略的な組織、パートナーエコシステム、ソリューションの拡大、業界をリードする人材の4つにフォーカスするとアピールした。

ネットアップ合同会社 代表執行役員社長 中島シハブ・デュグラ氏

 データファブリックが目指すのはハイブリッドマルチクラウドの実現だ。中島氏は、「お客さまは特定の事業者にロックインされたくない、強みに活かしてサービスを選択したいと考えている」と指摘。ハイブリッドマルチクラウドによる選択の自由や運用のシンプルさ、確実なデータ保護を実現すべく、アプリケーション、データ、インフラという3つのレイヤで必要な機能やサービスをすべて提供するという。

 中島氏は、クラウドシフトした現在のIT環境においても、ネットアップが高いマーケットシェアを獲得していることをアピール。調査会社IDCの調査では、NAS市場における売上高シェアや出荷容量シェアで国内でNo.1を獲得しているという。

 また、新型コロナウイルスの影響でIT戦略に大きな変化が現れている昨今は、柔軟なワークスタイルや事業継続性を重視した「すぐに求められる対応(Response)」が必要だが、次のステップとして「今後に向けた最適化(Optimize)」と「さらなる成長戦略(Thrive)」へと優先事項が移っていくと指摘。そして、この課程で発生する投資や支払いが難しいという課題に関しては、6月に発表したファイナンスサポートプログラムやサブスクリプションの導入を進める。

新型コロナウイルス以降のIT投資の3つのフェーズ

 Optimizeというフェーズを前提に国内での本格展開が始まったのは、ネットアップのソリューションをクラウド感覚のサブスクリプションで利用できる「Keystone」になる。

 Keystoneでは導入まで3ステップというシンプルな利用形態を実現する。パフォーマンスレベルとストレージサービスの内容を決め、ユーザー企業およびパートナーかの管理主体を選定することで、必要なときに必要な分の支払いでネットアップのソリューションを利用できる。最低15TiB/サイトで1年単位で契約できるため、予想可能な支払金額で利用できるほか、ダッシュボードからクラウド感覚でオペレーションできるというメリットを持っている。

サブスクリプション型の「Keystone」

 また、データファブリックをベースとしたハイブリッドクラウドを統合的に管理できる「NetApp Cloud Insight」を用いることで、クラウドインフラのコストを約1/3削減できるほか、AIエンジンを活用することで障害対応の時間短縮を実現するという。

アプリケーション開発者とデータサイエンティストにリーチ

 中島氏に続いて登壇したネットアップ 常務執行役員 CTOの近藤正孝氏は、「スピードが新しい尺度」となる時代に向けて、データファブリックのペルソナ(想定ユーザー)を拡大していくという同社の方向性について説明した。「今まではインフラ管理者が想定されていたペルソナだったが、今後はアプリケーション開発者やデータサイエンティストに直接メリットを感じていただけるようにしていく」と近藤氏は語る。

ネットアップ 常務執行役員 CTO 近藤正孝氏

 ストレージを中心にしていた時代からメインユーザーであったインフラ管理者に向けての価値提供に関しては、同社の「Cloud Central」から扱える多種多様なクラウドサービスを拡充している。コロナ禍以降、同社は買収戦略を加速しており、3月にはグローバルファイルキャッシュのTalon、4月にはVDI as a ServiceのCloud Jumperを買収。同日付でコンピュートのオペレーションを最適化するSpotの買収も発表し、Spot by NetAppとして、すでにCloud Centralのサービスに組み込んでいるという。

 アプリケーション駆動インフラストラクチャ(ADI)を謳うSpot by NetAppは、今までストレージとデータの最適化を行なってきたネットアップに対して、コンピューティングの最適化を実現するもの。具体的には、データ分析と機械学習により、アプリケーションに必要な可用性や性能、キャパシティをもっとも安価に提供できるという。コンピュートにおいては安価なスポットインスタンスやリザーブドインスタンスの調達を行なうほか、圧縮や重複排除、階層化技術などのストレージ技術を用いてコストを削減する。

アプリケーション駆動インフラストラクチャのSpot by NetApp

 また、アプリケーション開発者に向けては、コンテナアプリケーションのための永続的なデータ管理機能の提供を目指す「Trident」のプロジェクトに加え、4月には「Project Astra」を立ち上げている。近藤氏が「どこでもドア化プロジェクト」と呼ぶAstraではkubernetesに対してエンタープライズクラスのデータプラットフォームを提供するもので、コンピューティングのみならず、データやデータ管理の移植性を高める目的があるという。

 さらにデータサイエンティスト向けには、AIの開発のデータ・ワークロード管理を実現する「ネットアップAIコントロールプレーン」を提供する。オンデマンドのJupyterワークスペースを提供するほか、データプレップ、学習、デプロイまでのワークフローの自動化、クラウドやオンプレミスでのワークロードの自由な配置、バージョン管理などをフルスタックで提供し、AI開発者がオリジナルのデータセットを壊すことなく、大規模なデータセットを変更しながら効率的に試行錯誤ができるデータサービス環境を実現する。

ネットアップAIコントロールプレーン

 近藤氏は日本における取り組みとして、ハイブリッドマルチクラウドを実際に試すことができる検証センターについても言及した。エクイニクスのデータセンター(TY4)とネットアップの京橋オフィスに構築されたハイブリッドクラウドラボには、ネットワークや機材も用意されており、可視化やVDI、データ移行、Anthos連携、AI検証などを試せるという。また、レガシーシステムのDXに向けたラボも用意しており、ポストコロナを見据えた「Optimize」や「Thrive」に向けたハイブリッドクラウドについても顧客やパートナーとともに検証を進めていくという。

 ネットアップが目指すのは、ハイブリッドマルチクラウドのトップ5に名を連ねることだ。AWS、マイクロソフト、グーグルといったパブリッククラウドのプレイヤー、3つのサービスにまたがって仮想マシンを提供するヴイエムウェアに加え、データサービスを担うネットアップというポジションを狙う。

ハイブリッドクラウドの5大プレイヤー入りを目指すネットアップ

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