■「競争評価指標」の必要性
これまでも総務省の有識者会議などで市場の競争を活性化させようと様々な議論が展開されてきた。しかし、勉強会で2人の衆院議員が感じた問題点は、通信業界の競争環境を検証する上での「指標」が存在しないことだった。
坂井議員は「この業界を勉強して何が感じたかというと、議論のする上での客観的な指標がないということ。分析にしても、みんなが納得する論理、理屈、数字でもって議論ができない。まずは新しい競争評価指標の創設が必要で、同じ土俵で議論しなければならない」という。
大串議員は「クルマの燃費のように、どれくらいのスピードが、どれくらいの料金で使えるかがわかれば比較しやすいのではないか」と提案する。
確かに「日本の通信料金は高い」と言われる根拠は、海外の主要都市における通信料金の比較から来ている。実際のところ、日本のキャリアはネットワーク品質は高く、どこでも繋がり、速度も速い。しかし、海外では地下鉄や郊外などでは3G接続が当たり前だったりする。
日本のキャリアショップは、ユーザーに対して手に取るように設定や操作を教えてくれるという。海外のキャリアショップでは販売のみ徹しており、サポートなどは受けられないところがほとんだ。
こうした日本の品質面も考慮した上での、競争評価指標があれば「何を値下げすればいのか」「本当に日本の通信料金は高いのか」という検証がしやすくなるはずだ。
坂井議員は「日本のキャリアショップにおけるサービスは無料が前提となっている。そういうのも、顧客にわかるように見せることも大事かもしれない。選択肢として、あるサービスや料金プランに入っていると、店頭でのサービスは無料とか、入ってないと有料とかの選択肢があれば、みんなが理解するし、サービスの対価を払うと認識する。お金払って使う。そういう打ち出し方もあるかも知れない」と語る。
大串議員も「ここ最近はコロナで来店できなくなったため、オンラインでの手続きが進んだ。これから遠隔で手続きできたり、デジタルネイティブが増えてくれば、キャリアショップの形も変わってくるのではないか。デイサービスのように、必要な機能を有償で勉強する場所という位置づけにショップは変わっていくのかもしれない」という。

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