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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第107回

【解説・アップルiOS 14】飲食店を救う、あるいは淘汰する「App Clips」

2020年07月23日 09時00分更新

文● 松村太郎 編集● ASCII

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●10MB制限のインスタントアプリ

 起動からしてスマートです。NFCタグにiPhoneを近づけて起動もできるし、QRコードの読み込み、地図アプリの店舗情報から、Siriによる位置情報をもとにした提案、Safari内のバナー、iMessageのURL送信といった手段が用意されています。App Storeで検索、という手順を追う必要がありません。

 加えて、1つのアプリで、複数のApp Clipsを設定可能です。たとえばテイクアウトと着席がある飲食店の場合、テイクアウトの注文用App Clipsと、席の予約用のApp Clipsを用意しておくこともできる、というわけです。

 あるいはシェアバイクの場合、QRコードにその自転車のIDを含めたアドレスを入れておくことで、読み込んだ自転車を借りるApp Clipsを実現することができます。

 App Clipsには10MBの制限があります。そのため、もし店頭でダウンロードする場合も瞬時に済みますし、写真がパンパンでストレージ残量が逼迫している場合でも利用できるはず。

 確かに体験のコンパクト化に大きく貢献することになりますが、それ以上に、新興国でのスマートフォンの使い方への対応、という側面も見逃すことができません。

 たとえば東南アジアのような新興国では、エントリーレベル、あるいはミドルレンジのスマートフォンが使われています。そのため、処理能力もストレージも比較的少ないため、入れたアプリはすぐに消す、という使われ方が見られます。

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