その名は「名もなきメロン」
メロンの旬の時期がやって来ましたが、やはりメロンも新型コロナウィルスの影響で市場が冷え込んでいるようです。そこで今回は、近澤メロンランドの「名もなきメロン」を購入しました。
このメロンは高知県土佐市新居、清流仁淀川の河口で栽培されています。土佐市では40年前からメロンの生産が始まったそうで、メロンの木作りからこだわっているとか。ミネラル分やアミノ酸により、甘いだけでなく、旨いメロンを育てているそうです。しかも、なんと1つの木に実るメロンを1つだけにし、おいしさを濃縮しているとのこと。
作り手の近澤メロンランド 近澤朋成氏に、近況や「名もなきメロン」に込めた想いなどについてお話を伺いました。
「市場の消費が全体的に落ち込み、メロンも売り上げが落ちています。現在の流通ビジネスモデルの限界を感じています。このメロンは、収穫してから1週間ぐらいが食べごろです。その時の品種や気温など考慮して、最適な食べ頃をお客様に提示しています」
「『名もなきメロン』は、ブランド名で買ってもらうのではなく、つながりや信頼で買ってもらいたいという想いからこのようにネーミングしました。今後は、お客様へ直接お届けするために、ネットショップでの販売を開始しました。また、無人販売の『良心市』の新しい形『NEXT×良心市』(リモートカメラ、PayPay)に取り組んでおり、生産者のメロンにかける想いを伝えていきたいです」(近澤氏)
指定された食べ頃日の翌日にいただきました。ただ食べるだけでなく、マリアージュも楽しみたかったので、自分のBARで作業します。まずはカットして、そのままいただきます。
さすが、こだわっているというだけのことはあります。ジューシーでおいしいのはもちろん、ショップページに記載されていたとおり、甘いだけでなく「旨味」も感じられるのが面白かったです。ミネラル成分が旨味を引き立てているとのこと。
いくらでも食べられそうですが、それだけではもったいないので、生ハムメロンにもしてみました。メロンの上に生ハムをのせるだけなのですが、お互いを引き立て、何倍もおいしくなるのです。イタリアやスペインではよく食べられている前菜で、歴史があります。
組み合わせるメロンはあまり甘すぎるとデザートっぽくなってしまうのですが、「名もなきメロン」は甘いというより“うまい”ので、ぴったり。BARで出している塩気の効いた生ハムがぴったり合います。もちろん、絶品でした。この日は、お客様にも提供したのですが、とても喜んでいただけました。筆者が経営する原価BARなら1カット500円くらいで出せそうなので、検討したいと思います。
メロン×ブランデーの極上スイーツ
さて、実は筆者が夏に一番楽しみにしているのが、メロン×ブランデーです。メロンを半分にカットして種を取ったら、そこにブランデーを注いで、食べるのです。最初に感動してから、毎年必ず食べています。もちろん、今年は「名もなきメロン」でいただきました。
ブランデーは「Paul Giraud 25YO Extra Vieux」というコニャックです。ぶどうの栽培から蒸留、熟成などの行程を一貫して手がけるプロプリエテールで、中でもポールジローは抜群の知名度です。もちろん、最高のブランデーでありながら、比較的リーズナブルに楽しめるのも魅力です。普段はストレートでいただくのですが、今回は贅沢にメロンに注ぎます。
いつもは、そのままスプーンですくって全部1人で食べるのですが、今回は3人でシェアしました。スプーンで掘り起こしていると、どんどんブランデーが浸透していきます。
メロンの果実感に甘やかなブドウ由来のブランデーが混ざり合い、極上のスイーツに昇華します。あまり時間が経つとメロンの方が強くなるので、さくっと食べるのがお勧めです。
安くて堅いメロンに安いブランデーを合わせるとあまりマリアージュしません。ぜひ、おいしいメロンに上等なブランデーを合わせて欲しいところです。
ごちそうさまでした。皆さんも、ぜひコロナで困っている企業から食材を通販で購入し、支援お願いします。
近澤メロンランド
販売サイト:https://chikasawa.base.shop/
問い合わせフォーム:https://thebase.in/inquiry/chikasawa-base-shop
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