業界人の《ことば》から 第399回
新型コロナウイルスに関する危機管理広報初動マニュアル
新型コロナ禍の情報提供はどうあるべきか? 信頼できる情報と広報マニュアル
2020年07月17日 09時00分更新
注目すべき自治体・企業の広報姿勢、リスクマネジメントの手引き書
「新型コロナウイルスに関する危機管理広報初動マニュアル」は、ゴールデンウイーク突入前の4月28日から、ダウンロードを行えるように公開。これまでに約500件のダウンロード実績があるが、東京都を中心とした感染拡大の広がりによって、改めて注目を集めている。
同マニュアルでは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた企業の広報対応はどうすべきか、社員の感染が発見された場合にはどう対応するのかといったことに対する基本姿勢などを示しており、同社のこれまでのノウハウや蓄積を反映。リスクマネジメント/リスクコミュニケーションの第一人者である社会情報大学院大学の白井邦芳教授の監修を受けて、まとめたものだ。
具体的には、「信頼できる正確な情報」をどう掴むか、新型コロナウイルスに対する基本的な広報対応はどうすべきか、企業を守る3つのキーワードとはなにか、対外的な広報活動および対内的な広報活動(エンプロイー・リレーションズ)はどうすべきか、そして、社員に感染者が発生した際の広報における具体的方策などを、全15ページの構成のなかで示している。
同マニュアルの制作を担当した井之上パブリックリレーションズ アカウントサービス本部コンサルティング1部 シニアアカウントエグゼクティブの関口敏之氏は、「いまや社員に新型コロナウイルス感染者が発生する前提で、広報対応を行う体制を敷く必要がある。企業や業界には、それぞれの文化や慣習があるため、個別の企業に対応するマニュアルとは異なるが、根本として押さえておくべきことをまとめ、それをベースに利用者がカスタマイズできるようにしている。緊急時の考え方を示すためのマニュアルになる」とする。
社員に新型コロナウイルス感染者が確認される前に、備えておくべき広報としての準備や、従業員に感染者が確認された場合における広報の初動アクションが重要であることを示している。
その一方で、「感染者が確認されたら、なんでもかんでも公表すればいいというわけではないことも理解しておく必要がある」とも指摘する。
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