業界人の《ことば》から 第399回
新型コロナウイルスに関する危機管理広報初動マニュアル
新型コロナ禍の情報提供はどうあるべきか? 信頼できる情報と広報マニュアル
2020年07月17日 09時00分更新
東日本大震災の風評被害、ネット選挙、そしてコロナ禍の対応
井之上パブリックリレーションズの鈴木孝徳社長は、「いま、100年に一度という事態が起きている。その危機に、PRという観点からどう対応すればいいのか。企業や自治体の参考になるように、『新型コロナウイルスに関する危機管理広報初動マニュアル』を無償配布している」と語る。
同社は、2011年3月の東日本大震災発生後には、SNSによる風評被害が広がっていたこともあり、地方自治体などを対象にした「公的機関向けツイッター活用マニュアル」を制作して無償で提供。また、2013年には、ネット選挙解禁の留意点や活用方法を紹介した「有権者のためのネット選挙活用ガイドライン」を無償で公開した経緯がある。
1970年7月に創業し、今年でちょうど50周年の節目を迎える同社は、1970年代半ばに、インテルやアップルといった企業が日本に進出した際に、これら企業のPRを担当。欧米企業型のPR手法をいち早く導入した企業としても知られる。メディアに対する記事掲載の提案だけでなく、企業が継続的に日本に根づくための支援を行うことに主眼を置いた活動を行ってきた。
鈴木社長は、「外部環境の変化を捉え、潮目を読み、社会に役立つ情報発信を行い、企業や自治体の広報を支援する役割を担ってきたのが井之上PR。50年間に渡って、創業理念である『パブリック・リレーションズ(PR)を通じた、よりよい社会の実現』を実践してきた」とし、「新型コロナウイルスというこれまで経験したことがない危機においても、PRの観点から企業や自治体を支援し、社会貢献ができないかということを考えた。その一環として作成し、無償配布を行ったのが、今回の『新型コロナウイルスに関する危機管理広報初動マニュアル』になる」と語る。
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