このページの本文へ

松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第105回

【解説・アップルiOS 14】iPhoneから消える「割り込み」

2020年07月21日 09時00分更新

文● 松村太郎 編集● ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

●iOS 14から「iPhone OS」へ?

 さて、今回からiOS 14について触れていきます。そもそもこの新ソフトウェアが「iOS 14」としてリリースされるのかも、少し疑問の余地があるそうです。

 そもそも2007年に登場したiPhoneには、当初の名前で「OS X iPhone」という名前で搭載されており、2009年から「iPhone OS」呼ばれるようになりました。そして、2010年から「iOS」の名称を使い始めています。

 iPhoneを発表した際、スマートフォンにMac譲りのDarwinカーネルで動作し、堅牢性とセキュリティをもたらすとして、話題を呼びました。その後長らくマルチタスクは実装されてきませんでしたが、今から考えれば、ハードウェアのリソースの進化に合わせて封印していたようなものです。

 コンピュータと異なる点は、通話などの割り込み処理が存在すること。またサーバーのように常に電源がONである点も、当時のMacとは異なる種類のコンピュータという見方が正しかったのではないでしょうか。

 タッチ操作に対応し、割り込み処理がある、常時電源ONのコンピュータ向けのソフトウェア。これにiOS 5でアプリ切り替え、iOS 7でマルチタスク(バックグラウンドアプリ動作)をサポートしています。

 iPhoneだけでなくiPadもカバーして「iOS」と呼ばれていましたが、2019年にiPad向けは「iPadOS」と分離されたことから、iPhoneむけも「iPhoneOS」とブランディングし直すのではないか、ということです。

 じゃあHomePodはどうなるのか?という疑問については、既にシステムソフトウェアとして「audioOS」という名称が使われています。

 こうして見てみると、

・ iOS(→ iPhoneOS?)
・ iPadOS
・ watchOS
・ tvOS
・ macOS
・ audioOS

 といった具合で、OSラインアップが揃ってきました。また別の機会に触れたいと思いますが、MacのApple Silicon対応によって、これらすべてが、アップル設計のチップで動作する、というわけです。

カテゴリートップへ

この連載の記事

ASCII.jp RSS2.0 配信中