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高性能な第2世代AMD EPYCプロセッサ搭載、ユースケースが多様化するHPC市場への対応を図る

HPE、HPCやAI/DL向け「Apollo 2000 Gen10 Plus System」提供開始

2020年07月09日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 日本ヒューレット・パッカード(HPE)は2020年7月8日、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)やAI、ビッグデータ分析用途向けのスケールアウト型高密度コンピューティングシステム「HPE Apollo 2000 Gen10 Plus System」を提供開始した。1ソケット最大64コアの第2世代AMD EPYCプロセッサを搭載、高性能で消費電力/発熱量の大きい高TDPプロセッサにも対応し、高いパフォーマンスを求めるユーザーニーズに応える。

スケールアウト型高密度コンピューティングシステム「HPE Apollo 2000 Gen10 Plus System」

Apollo 2000 Gen10 Plusの特徴

 記者説明会に出席したHPE 取締役 執行役員 HPC&AI事業統括の根岸史季氏らは、HPC市場が多様なユースケースへの対応を求める時代に入っていることを説明し、今回のApollo 2000 Gen10 Plusが幅広い業界におけるニーズに応える製品であることを強調した。また日本AMD 代表取締役の林田裕氏もゲスト出席して、データセンタープロセッサ市場におけるAMD EPYCの優位性を紹介している。

日本ヒューレット・パッカード 取締役 執行役員 HPC&AI事業統括の根岸史季氏

ゲスト出席した日本AMD 代表取締役の林田裕氏

高性能=高TDPのプロセッサを格納するために電源容量や筐体設計も変更

 HPEでは2017年10月から、インテルXeon-SPプロセッサを搭載した高密度サーバー、Apollo 2000 Gen10 Systemを提供してきた。今回のApollo 2000 Gen10 Plusはその後継となるモデルだ。

Apollo 2000 Gen10 Plusでは、2Uシャーシ内にハーフワイド/2ソケットサーバー「HPE ProLiant XL225n Gen10 Plus」を4ノード格納する高密度サーバー

 Gen10 PlusとGen10との大きな違いが、最新の第2世代AMD EPYCプロセッサ「AMD EPYC 7002シリーズ」の採用によるパフォーマンスの向上である。それに伴って内蔵電源容量を強化し、対応するプロセッサの最大TDP(消費電力)を150Wから240W以上へと拡大、高性能(=高TDP)プロセッサの搭載も可能にしている。

従来モデルのGen10とGen10 Plusの違い。EPYCプロセッサ採用でメモリチャネルやPCIeレーン数も拡大している。PCIe 4.0にも対応

 製品説明を行ったHPE ハイブリットIT事業統括 製品統括本部 カテゴリーマネージャーの高橋健氏は、Apollo 2000 Gen10 Plusではワークロードに応じて、EPYCシリーズの多様なプロセッサを選択できると説明した。64コア/2.6GHz/TDP 280Wの最上位モデル「EPYC 7H12」(8月提供予定)から、高周波数モデルである8コア/3.7GHz/TDP 180Wの「EPYC 7F32」、さらにエントリー向け1ソケット専用プロセッサまで、多様な選択肢を用意している。

 発熱量の大きい高TDPのプロセッサに対応するために、シャーシおよび前面ドライブのバックプレーンも設計を刷新している。前面ドライブをフル搭載(最大24ドライブ)する構成だけでなく、8ドライブ構成、0ドライブ構成(前面ドライブなし)を用意しており、0ドライブではバックプレーンなし、8ドライブではエアフローの良いバックプレーンとした。導入するプロセッサのTDPに応じて、バックプレーン(ドライブ構成)を選択することになる。また上述のEPYC 7H12向けに、水冷モジュール(DLC:Direct Liquid Cooling)をサポートする予定。

 さらに電源供給ユニット(PSU)も、従来の1600W/1800Wに加えて3000Wの大容量モデルを追加し、高TDPプロセッサの高密度搭載に対応するようになっている。

Apollo 2000 Gen10 Plusが対応するEPYCプロセッサ(25種類)と、フロントドライブ構成。高TDPプロセッサの場合、0ドライブ/8ドライブ構成で空冷能力を高める必要があるケースもある

 ゲスト出席した日本AMD 代表取締役の林田裕氏は、AMDでは高性能コンピューティングソリューションに注力しており、特に次の5年間はCPU/GPUへの継続的なテクノロジー投資を継続するロードマップを明らかにしていると説明。その中で、第2世代AMD EPYCは新しい“チップレットアーキテクチャ”を採用したことで高いコア密度と性能を実現しており、商用HPC分野のアプリケーション(構造解析、計算流体力学、分子動力学シミュレーションなど)で大幅なパフォーマンス向上を実現していると説明した。ビッグデータ、クラウド、データ分析などその他分野も含め、現在までに170以上のベンチマークテストで世界記録を更新しているという。

第2世代EPYCプロセッサの特徴と、プロセッサアーキテクチャのロードマップ。将来的には現在の10倍以上の帯域密度実現を狙うという

 なお、HPCクラスタを統合管理する「HPE Performance Cluster Manager」や、独自HPCアプリケーション開発のためのツールキット「Cray Programming Environment」も提供される。

 HPEでは、Apollo 2000 Gen10 Plusの検証環境を大島本社に設置し、VPN経由でのリモート検証も含めて導入検討企業に提供していく。また、HPC/スーパーコンピューター分野で長い実績を持つSGIやCrayも同社傘下にあることから、データセンター設備に対する導入前のファシリティコンサルティングや、各業界/専門分野のアプリケーションベンチマークやチューニングといった高度なサービスも、日本国内のHPCスペシャリストを起用して提供するとしている。

 HPE Apollo 2000 Gen10 Plus Systemの最小構成価格は121万3000円(税抜)からとなっている。HPE高橋氏は、AMD EPYCでは1プロセッサにより多くのCPUコアが組み込まれているため、「従来のApollo 2000 Gen10で2ソケットが必要だったワークロードを、1ソケット構成でまかなえるケースもある」と説明。Apollo 2000 Gen10 Plusでは、そうしたコスト削減、TCO最適化に向けた提案も増えるだろうと語った。

Apollo 2000 Gen10 Plusのユースケース。多様な業界でのHPCニーズに応えられると強調した

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