このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

2020年の事業戦略説明会開催、日本市場ではパートナー施策強化で2023年までに売上倍増狙う

きたる「データ4.0」の世界とは? インフォマティカ新CEOが語る

2020年06月24日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

10年間で4倍超の成長、時代に応じた日本法人における販売戦略の変遷

 続いて吉田氏が、インフォマティカ・ジャパン 社長に就任した10年前(2010年)から現在までの日本法人における戦略の変遷や、今年の注力施策であるパートナー協業の強化策について説明した。

2010~2019年で日本のインフォマティカビジネスは4倍超の成長を遂げた。国内導入企業は500社超

 吉田氏がインフォマティカに合流した当時、インフォマティカはまだ「ETLツール(Informatica PowerCenter)のベンダー」だった。たとえば2011年の製品別売上比率を見ると、ETL製品の売上が9割超を占めている。しかも当時はオンプレミス製品のみだった。これが、2019年にはETLの比率は4割程度となり、代わりにクラウドサービスを含む多様な製品の売上で構成されるようになっている。

 「ここで顕著な変化は、1つのプロダクトだけを売るのではなく、データインテグレーションやデータクオリティ、エンタープライズデータカタログなどを複合化した『コンプレックスソリューション』として、プラットフォームとして顧客に提供していること」(吉田氏)

2011年と2019年の製品別売上比率の比較。顧客企業におけるデータニーズの高度化に伴って複合ソリューションの提供が増えたという

 個々の企業に適した、複雑な構成のコンプレックスソリューションを提案、提供していくうえでは、顧客企業と業界を熟知したパートナーとの協業が欠かせない。吉田氏によると、ここにも10年間で大きな変遷がある。まず、吉田氏が入社した2010年当時はETLツールをパートナー経由で販売していたが、「顧客の声を直接聞き、またインフォマティカという会社を理解してもらうために」直販に力を入れた。これが2010~2015年頃の動きだ。

 そして2015年、市場でのインフォマティカの認知度が高まり、他方で単なるETLでは解消できないデータ活用ニーズが企業が認識し始めたことから、「あらためてパートナーに注力」することに決め、パートナー制度を刷新した。そこから現在までは、従来からのハイタッチ/直販営業も維持しつつ、パートナー経由での販売を伸ばしてきた。

 「この変化を簡単な数字で示すと、2013年、14年頃はハイタッチ営業による売り上げた90%を占めていた。しかし、2019年の実績では75%がパートナー関連ビジネスになっている。2015年からは、社内の標語として“パートナーストーリー100%”を掲げ、積極的にパートナービジネスを推進している」(吉田氏)

「個々のパートナーへの綿密なサポート」が課題であり、ビジネスチャンス

 昨年(2019年)から、このパートナー協業の動きをさらに加速させる取り組みも始めているという。たとえば、日本で開催した年次イベント「Informatica World Tour 2019」では、パネルディスカッションにアクセンチュアや日本マイクロソフトからゲストを招き、DX推進という観点で今後どのような協業ができるか、どのような価値を企業に提供できるかを話し合った。

 また昨年10月には、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)との戦略的協業も発表している。これは、NTTコミュニケーションズがインフラからアプリまでフルレイヤーで提供するクラウド型データ利活用プラットフォーム「Smart Data Platform(SDPF)」に、インフォマティカの「Informatica Intelligent Cloud Services(IICS)」を統合したうえで提供するものだ。マルチクラウド間を柔軟に接続できるNTT Comの「Flexible InterConnect」などとの組み合わせで、データ統合サービスを提供している。

昨年はNTTコミュニケーションズとの戦略協業を発表した。NTT Comのプラットフォーム上でデータ統合サービスを提供する

 「今後のパートナー協業の大きな戦略としては、ひとつひとつの大きなパートナーと、どのように綿密に付き合っていくかということ」「特に(現在のような)コンプレックスソリューション、複雑なソリューションをパートナーと共同で販売していくのはなかなか難しく、大きなチャレンジだと考えている。われわれが、いかに緻密かつ綿密にパートナーをサポートできるのかによって、パートナーがどんな顧客提案をできるのかが変わってくる。これは今後の課題であり、同時にビジネスチャンスでもある」(吉田氏)

 こうしたパートナー協業の強化に加えて、今後のビジネス成長を実現するためのもうひとつの軸は「より一層のクラウドソリューション化」だと語った。あらゆるソリューションを「クラウドネイティブ」で、フレキシブルかつタイムリーに提供することを目指すと強調している。

吉田氏は「パートナー協業の強化」「クラウドソリューションの推進」を施策の2本柱として、さらなるビジネス成長を狙うと語った

 今後のビジネス目標として、吉田氏は2020~2023年の間で200%の成長、つまりビジネス規模を2倍にすることだと語った。ワリア氏も「日本を大きな成長市場、戦略的地域と見ている」と述べ、2020年から日本市場を“リージョン”に昇格し、本社が直接フォーカスして投資できる組織体制に改めたことを説明した。

■関連サイト

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

アクセスランキング

  1. 1位

    ITトピック

    「原則出社」命じる企業とテレワーク社員の意識ギャップ/“推し活依存”自覚するZ世代が2割/シニアの利用が盛んな○○アプリ、ほか

  2. 2位

    データセンター

    600km超離れたデータセンター間でシステム全体を「完全自動復旧」 日立・NTTドコビジらが実証に成功

  3. 3位

    ビジネス・開発

    物流、病院、家事まで変える“フィジカルAI”最前線 AWSが支援する日本企業14社の挑戦

  4. 4位

    ITトピック

    SaaSに代わりAIエージェント支える“AaaS”が台頭/議事録作成AIは「意思決定支援」へ進化/生成AIの顧客満足度・1位はClaude、ほか

  5. 5位

    sponsored

    Active Directoryがサイバー攻撃の標的となる理由とその対策

  6. 6位

    TECH

    フロンティアAI対策を国内組織はどう捉えているか “内製化への意欲”と待ち望む“政府主導のガイドライン”

  7. 7位

    ビジネス・開発

    フィジカルAIを支える「攻めのIoT基盤」と「守りのOTセキュリティ」

  8. 8位

    sponsored

    高齢者をポットで見守る「みまもりほっとライン」 25年続く「サービスの温もり」とは?

  9. 9位

    デジタル

    Dropbox Protect提供開始 “過剰なファイル共有”をすべて把握し情報漏洩リスクを低減

  10. 10位

    デジタル

    「ツールは入れて終わりじゃない」 香川の建設コンサルが利用率1割だったkintoneを全社基盤に育てるまで

集計期間:
2026年09月01日~2026年09月07日
  • 角川アスキー総合研究所