シャオミから「Xiaomi Redmi Note 9S」が登場した。中国ブランドはすでにファーウェイ、OPPO、ZTEが国内ではなじみの深いメーカーとなっている。そして中国や世界シェアでみれば大手のひとつ、シャオミが2019年から日本参入を開始したが、販売数から見ればこのXiaomi Redmi Note 9Sがまさに本格進出の第一弾といえる。
しかも、Xiaomi Redmi Note 9Sは2万4800円(税込)からというエントリークラスの価格帯ながら、中身はミドルレンジどころかさらに上のクラスまで脅かすような性能を持って登場した。まず間違いなくこの価格帯では現時点で頭ひとつ抜けたエントリークラスのスマートフォンと言えるのだ。
2万円台でも最新ミドルクラスプロセッサに6GBメモリー
Xiaomi Redmi Note 9Sはエントリーといっても価格がエントリーなだけで、ミドルハイのチップセット、Snapdragon 720Gを搭載し、メモリーも4GBまたは6GBを搭載する。
メモリーとストレージは販売チャネルによって2種類の仕様が用意され、MVNOの格安SIMでの提供や、Amazonでの単体版は2万4800円でメモリー4GB、ストレージ64GB。ところが家電店などで扱うものは2万9800円前後でメモリー6GB、ストレージ128GBとワンランク上になる。ストレージだけの差なら保存するものが少なければ安いほうでもいいが、メモリーの容量が違うとなれば操作の快適さも変わってくるので容量の多いほうを選びたくなる。
メモリーとストレージ以外は共通で、ディスプレーは6.67型(2400×1080ドット)の液晶を採用、フロントのカメラは液晶に穴のあいたところに収まるパンチホールタイプとなる。
SIMフリー端末らしく対応する周波数帯(バンド)は多く、国内で利用するためにはドコモ、au、ソフトバンク、そして楽天のネットワークをカバーし、それらの電波を使うMVNOやサブブランドにも広く対応する。最近のSIMフリー機の常識ともなったDSDVにも対応、2枚のSIMを挿入して2つの電話番号の同時待ち受けやデータ通信と通話のSIMを別々に使うなども活用も可能だ。
この値段でこのカメラは
まさにコンデジキラー
背面のカメラはこの価格にもかかわらず4眼タイプ。画素数だけで画質が決まるわけではないが、シャオミはMi Note 10で1億画素のカメラで話題になったメーカーでもあり、Xiaomi Redmi Note 9Sでも4800万画素と他と比べれば十分に高精細タイプのカメラを備えている。
また、4眼はノーマルのほかに超広角、マクロと深度センサーで、撮影レンズとしては3種類を切り替えられる。画角が120度の超広角の画素数は800万画素、2cmまで寄れるマクロは500万画素となっている。超広角で広範囲にものを写したり、マクロは切手サイズくらいの小さいものまで画面いっぱいに撮ったりできる。フロントのカメラも抜かりなく、1600万画素となっている。
ここまで見れば、かなりハイエンドに近いスマートフォンに見える。使っているクアルコムのSnapdragon 720Gは最新世代のため、ミドルハイクラスとはいえ、少し前に登場した上位プロセッサ搭載のスマートフォンより処理能力が高い場面もあるほど。何年も前のハイエンド機なら操作の快適さではXiaomi Redmi Note 9Sが上回るだろう。
ダメ押し的なスペックとしてはバッテリーが5020mAhと容量が大きいこと。本体の重量面では不利になるが、動画再生を連続して見てもびくともしない容量だ。そして急速充電にも対応する。まさにモバイルバッテリーいらずとなっている。
ここまでのスペックのエントリー機が回線契約なしに単体で2万4800円から購入可能となれば、まさに価格破壊と言うしかない。
おサイフケータイと防水非対応は
人を選ぶかもしれない
ただし、惜しいことが2つある。おサイフケータイ(FeliCa)がないこと、そして防水に非対応ということ。メインのスマートフォンとしてこの2つが必須条件としている人には、残念ながらXiaomi Redmi Note 9Sは候補に上がらないかもしれないが、いわゆる「新しい生活様式」においては主にインドア生活をして、交通ICカードもあまり使わず、非接触型ICカード決済をしなければ(QRコード決済メインなど)、防水とFeliCa非搭載は問題にならないかもしれない。

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