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在宅向上委員会:

7500円のサイフォン式コーヒーメーカーで生活を取り戻す #在宅中にしたいこと

2020年06月12日 09時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita) 編集● ASCII

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【本日の在宅向上アイテム】
サイフォン式コーヒーメーカー CM-D853
ツインバード工業
実売価格7500円前後

http://www.twinbird.jp/products/cmd853.html

 在宅向上委員会の盛田諒ですこんにちは。本日向上させるのはコーヒー。ツインバードのサイフォン式コーヒーメーカーを使います。サイフォンでグーグル検索すると「めんどくさい」と候補が出てきます。確かに時間はかかりますが言うほど面倒ではありません。お店のようなコーヒーができる上、淹れるのが楽しく、仕事を始める前にサイフォンと向き合うのは個人的な儀式になりました。

●誰でもおいしいコーヒー

 サイフォンは蒸気圧でコーヒーを抽出する方法です。自分の手でお湯を注ぐハンドドリップより味に差が出づらく、抽出時間さえ守れば誰でもおいしいコーヒーが淹れられます。布(フランネル)のフィルターを使うのでコーヒーの脂が落ちてすっきりした味になるともいわれます。

 まずはロートにネルフィルターをとりつけ、コーヒー粉をロートに入れます。粉はカルディのプレミアムブレンドを中挽きにしてもらったもの。サーバーに水を入れてから電源プラグをコンセントにさしこむと400Wのヒーターがあたたまりはじめます。サーバーにさがったチェーンから泡が出てコンコンと音がしたらお湯がわいたしるし。3杯ぶんで10分ほどかかりました。長いですね。

 お湯がわいたらロートをサーバーにさしこみます。するとあらふしぎ、お湯がサーバーからロートにむくむくわきあがってきます。お湯にコーヒー粉が浮いてくるので付属の竹べらで2〜3回ほぐして、かくはん。1分経ったらサーバーをヒーターからおろし、またかくはん。まもなくロートからサーバーにコーヒーが落ちはじめます。

 ネルフィルターで濾されたコーヒーがすべてサーバーに落ちたら、ロートをはずしてできあがり。電源コードをコンセントから抜いておしまいです。

●丸みのあるおりこうな味

 味はまるで喫茶店の仕上がり。えぐみがなく、後味すっきり。苦味と酸味のバランスがいい豆を選んでいるので、丸みのあるおりこうな味になりました。

●お手入れは若干面倒

 最後はお手入れ。まずロートをぽんぽん叩いてコーヒー粉を捨てます。ペーパーフィルターと違いポイっと捨てられないので若干面倒。実験器具のようなロートをつるっと落として割ってしまいそうで若干どぎまぎします。

 次にネルフィルターを水洗いし、水につけて冷蔵庫に入れます。水につけないとコーヒーの脂が酸化して変なにおいがついてしまい、常温で放っておくと雑菌が繁殖してしまうので冷蔵庫に入れるという理屈。フィルターの布は消耗品で、5枚入りで500円前後(ハリオ FS-103)です。

 次にサーバー台からサーバーを外して水洗い。続いてスプーンと竹べらを水洗い。ヒーターとサーバー台は水洗いできないのでふきんで拭きます。これですべて完了です。

●生活を取り戻す

 サイフォン式コーヒーメーカーは楽しくておいしいのが最大の良さ。かくはんのタイミングがむずかしいと言われますが、私のように雑な人間がやってもそれなりにおいしいです。ただし、お湯がわくまで時間がかかり、もろもろの作業が必要になり、お手入れも若干手間がかかるため、家にほとんどいないときは使えませんが、今のようにほぼ家にいるときならむしろやりたくなります。

 家事というのはやり方次第では楽しいもの。シャツのしみを落とせるシャープのハンディ洗濯機「超音波ウォッシャー」がよく売れていたことを思い出します。バスタブにかけてほったらかすだけの洗剤は便利ですが、重曹やクエン酸で汚れをツルッと落とすのも楽しいものです。ものの原理を知り、自分の手を動かして環境を良くする行為は人間らしさの象徴のようなものだと思います。

 いま家事は基本的には厄介者扱い。メーカーも家事は家電にやらせて家族との時間を増やしたほうがいいといいますが、実際に増えた時間は家族だけではなく労働のために使われています。寝る前まで仕事の通知に追われているにも関わらず、「仕事中に家事をしてはいけない」と命令され、それを受け入れたことで、誰かの目を盗んで生活をしているような感覚になってきています。

 家電でラクはしたいが生活を手放したくはない。誰にもおかされない個人的な儀式を増やすことで人間らしい生活を取り戻したい。サイフォン式コーヒーメーカーはその第一歩になりそうです。

 

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