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LINEを利用した遠隔診療で難病患者のオンライン受診が10倍に

国際医療福祉大学三田病院 肺高血圧症センター
2020年05月21日

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国際医療福祉大学三田病院 肺高血圧症センター
オンライン受診の促進に患者負担の少ない仕組みが有効

難病患者さんの中には新型コロナウイルス感染の際してのリスクが高い方が多くいます。そうした患者さんには、外出による感染や院内感染のリスクなどを抑えつつ、専門的な診療・治療を適切に継続できる環境が重要です。患者さんが日常の中で慣れ親しんが通信アプリ "LINE" を利用することで、オンライン受診をされる患者さんの人数が10倍になりました。


 国際医療福祉大学三田病院 肺高血圧症センター(東京都港区 代表:田村 雄一 医師、以下「肺高血圧症センター」)は、厚生労働省が発表した「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」(以下「厚労省発表」)受け、通院リスクの高い難病患者のオンライン診療の充実および拡大を「LINE」などの標準的なコミュニケーションアプリのビデオ通話機能を積極的に用いて行っておりますので、お知らせいたします。

 難病患者さんの中には新型コロナウイルス感染の際してのリスクが高い方が多いため、外出による感染や院内感染のリスクなどを抑えつつも、専門的な診療・治療を適切に継続でき、患者さんが安心して療養生活を送れる環境を提供できる方法を国際医療福祉大学三田病院 肺高血圧症センターでは模索してきました。

■ 肺高血圧症センターでの遠隔診療サービス提供の取り組み

 肺高血圧症センターでは2016年よりNAPTEC(NAnbyoPatients TEle·health Care)という遠隔診療サービスを提供し、肺高血圧症を中心とする全国の難病患者さんに、インターネットを利用した専門医診療を提供してまいりました。
 昨今の新型コロナウイルス感染症の流行を受け、このたびLINEなどの汎用的なコミュニケーションツールを用いたオンラインによる診療としてインターネット遠隔診療の間口を拡げるように試みたところ、従来と比較しておよそ10倍の患者さんがオンラインによる診療を受けることができるようになりました。

『特定のアプリをインストールする方法がわからない』、『慣れたもの以外は使用したくない』など、スマートフォンを使用する上での患者さんの不安と、離れた場所にいる患者さんに対してシステムを使用できるようにセットアップするのが難しい医療現場の事情を踏まえ、汎用的なツールのもつ特徴を活かした形ですぐに主治医と繋がることができるという安心感と治療の継続性を提供しております。

 患者さんからも使い慣れたツールによるビデオ通話でコミュニケーションを図ることで、普段に近い感覚で診療・治療を継続できるため、安心して療養生活を送ることができているとご好評いただいております。

■ 肺高血圧症について

 肺高血圧症(肺動脈性肺高血圧症・慢性肺血栓塞栓性肺高血圧症)は厚生労働省指定の特定疾患(指定難病)に認定されています。肺高血圧症になると全身に血液(酸素)を必要なだけ送れなくなり、全身の機能が低下します。近年の新しい治療薬や治療法の開発により体を動かす時の息苦しさが改善するなど、専門医のもとで適切な治療を受けることにより患者さんの自覚症状や治療成績が向上してきていました。一方で、適切な治療を提供できる専門医の不足が課題ともなっています。

 より多くの患者さんがアクセスしやすいオンライン診療の方法を提供することは、新型コロナウイルス感染のリスクを下げるとともに、専門医の診療を受けることができる患者さんを増やせると意義を感じております。

 新型コロナウイルス感染症の流行に伴う外出自粛等により行動が制限される中、医療現場においては様々な問題に直面し、難病診療においても従来通りの診療・治療継続において困難な点が数多くでておりますが、国際医療福祉大学三田病院肺高血圧症センターでは少しでも多くの方が健康に暮らせるよう、患者さん本位のシステムを準備して質の高い診療を引き続き提供することを目指してまいります。


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