このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第195回
よりカメラらしさにこだわった「Xperia 1 II」のPhotography Proモード
2020年05月19日 12時00分更新
5G対応スマートフォンとしてドコモとauが5月下旬に投入予定の、ソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia 1 II」。トリプルカメラを搭載しカメラ機能に強いこだわりを持った端末なのだが、そのベクトルは他機種とはまったく異なっている。そのことを象徴するカメラアプリ「Photography Pro」を搭載したグローバル版をお借りできたので、実機からXperia 1 IIのカメラに対するこだわりを確認してみよう。
Xperia 1を継承しながら5Gにも対応
その前に、カメラ以外の基本的な部分についてある程度確認しておきたい。Xperia 1 IIは6.5型の有機ELディスプレーを採用し、本体サイズは約72×166×7.9mm、重さ181gと、ハイエンドモデルとしては一般的な大きさといえる。
ただしXperia 1 IIはその名前が示す通り、前機種の「Xperia 1」のコンセプトを継承していることから、映画が視聴しやすい21:9の4Kシネマワイドディスプレーを採用。縦長のディスプレーが大きなポイントとなっている。他のスマートフォンとは一線を画す個性を打ち出しているという意味でも重要なポイントといえよう。
側面を見ると、右側面に指紋認証センサーを備えた電源キーとカメラ用のシャッターキーを備えるなどXperia 1と共通しているが、一方でXperia 1にはなかったイヤホン端子が新たに搭載されたことは大きなポイントといえる。
背面のデザインを見ると、Xperia 1は3つのカメラが中央上部に縦に並んでいたのに対し、Xperia 1 IIは左上部に縦に並ぶデザインへと変化。カメラに指が被りにくくなり、撮影はしやすくなったといえるだろう。
スペック面を見ると、チップセットにはクアルコムのハイエンド向け「Snapdragon 865」を採用、メモリーは8GB、ストレージは128GBとなっている。国内で販売されたXperia 1はストレージが64GBと、グローバル版と比べ大幅に減らされていたことで評判を落していただけに、ストレージが増量されたことはうれしい。
また5G対応モデルということもあって、5Gによる通信はもちろんのこと、Wi-Fi 6にも対応している。今回はグローバルモデルの使用ということもあり通信面は一切試すことができなかったのだが、他の5Gスマートフォンと同様の高い通信性能が期待できるだろう。
スーパースロー非対応で写真に一層のこだわり
では、本題となるカメラについて触れていこう。Xperia 1 IIのメインカメラは約1220万画素/F値1.7/焦点距離24mmの標準カメラと、約1220万画素/F値2.2/焦点距離16mmの超広角カメラ、そして約1220万画素/F値2.4/焦点距離70mmの望遠カメラのトリプルカメラ構造を採用。フロントカメラは約800万画素/F値2.0で、こちらはXperia 1と変化していない。
メインカメラをXperia 1と比べた場合、F値や焦点距離などに細かな違いはあるものの、性能が大幅に向上している訳ではないように見える。だがレンズはすべて、光の透過性が高いカール・ツァイス社の「ZEISS T*」コーティングを採用するほか、新たに写真撮影専用の3D iToFセンサーを採用することで、撮影領域全体をカバーしより素早くフォーカスを当てられるようになるという。
また標準レンズのセンサーサイズは1/2.6型から1/1.7型へとアップしており、1.5倍の高感度撮影、3倍の読み出し速度を実現できている。その一方でメモリー積層型イメージセンサーではなくなったことから、従来のXperiaシリーズの特徴となっていた、最大960fpsのスーパースロー動画撮影ができなくなっている。
こうした変化が物語っているのが、より写真を撮ることを重視したカメラになっていること。Xperia 1に搭載されていた「瞳AF」をはじめとして、ソニーのカメラで培った技術を積極的に取り入れることにより、カメラにこだわる人に向けた機能・性能を実現しているのが、Xperia 1 IIのカメラの大きな特徴となっている訳だ。
最近のハイエンドスマートフォンは、どの機種もカメラ撮影に力が入れられているのだが、そうした機種の多くは撮影後の画像処理に力を入れることで、いかに簡単な操作で、ある意味不自然なくらい綺麗な写真を撮影ができることに力が注がれる傾向にある。だがXperia 1 IIのカメラは、それとは全く異なる方向性を目指すカメラとなっているのだ。
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