さて最後になるが、万年筆には必須のクリップだが、もちろんキャップレスと同じようにキュリダスにもペンクリップは付属する。キュリダスのクリップは、不必要な人は取りはずすことも可能なタイプだ。取りはずしは付属の「専用クリップツール」の手助けではずす仕組みだが、取りはずすのも、取り付けるのも、不器用な筆者には容易な作業ではなかった。
クリップを取りはずしたキュリダスは、シンプルでビューティフルではある。しかし、筆者の購入した「プリズムクリスタル」モデルは、内部のシルバーの金属メカとクリップのカラーマッチングのバランスが悪くはないので、一度はクリップをはずしてみたが、現在は戻して使っている。
もちろんクリップを取りはずしても、二ヵ所ほど目立たない出っ張りがあり、キュリダスが机の上を転がって床に落ちて傷つけてしまうといった危険性は低いだろう。いずれにせよ、装着、着脱の面倒なオプションなので、頻繁に取り付けたりはずしたりするオプションではないだろう。
筆者が長年憧れて、やっと手に入れて今も愛用しているパイロットの「キャップレス」万年筆。一方、55年の歳月の後に復活したプラチナ万年筆の「キュリダス」。たまたま両者を持っていたので比較してしまったが、価格差は3倍弱、ターゲットも異なり比較する意味はあまりなさそうだ。
コスパ命でかつ、カジュアルに使いたいのであれば間違いなくキュリダスだろう。一方、ミドルやシニアがオフィスや出先で使うなら、同じノック式でもキャップレスの長い歴史と変わらぬデザインが安心の採択要素となるだろう。できればキュリダスの内部メカを転用した大人用の「キュリダス・セレブモデル」や「キュリダス・ゴールド・プリズムクリスタルモデル」の登場を楽しみに待ちたい。
今回の衝動買い
アイテム:プラチナ万年筆「CURIDAS キュリダス(プリズムクリスタル)」
・購入:ヨドバシ.com
・価格:7700円
T教授
日本IBM社でThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。
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