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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第245回

新型コロナウイルスでネットのトラフィックが逼迫、対策に知恵絞る欧州のキャリアと政府

2020年03月27日 09時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII

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HD画質をやめてSD画質を標準する動き

 悲鳴らしきものはまだ聞こえてこない。だが、これ以上の負荷を警戒する動きもある。

 元France Telecomのトップで現在欧州連合地域政策担当委員を務めるThierry Breton氏はツイートで、NetflixのCEO、Reed Hastings氏と電話で話したと報告、「COVID-19と戦うためには家にいることが重要だ。テレワークとストリーミングは助けになるが、インフラに負荷がかかる。全員がインターネットにアクセスできるためには、HDが不要な時は標準モードに切り替えよう」とハッシュタグ(#SwitchToStandard)をつけた。

 フランスでは、通信事業者連盟、経済・財務大臣及び行動・公会計大臣付デジタル担当副大臣のCédric O氏が、可能な限りWi-Fiを使うことを呼びかけている。

 また、3月24日にローンチを予定していたWalt Disneyのストリーミングサービス「Disney+」についても、フランス最大手の通信事業者Orangeがローンチ延期を申請、その結果、2週間延期することになった。また、Netflix、YouTube、Facebook、Amazonがフランスの通信事業者らの要請を受けて、トラフィック負荷に対する策を講じることに同意したとFigaroが報じている(その後、YouTubeは全世界でSD画質を標準に設定した)。

筆者紹介──末岡洋子

フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

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