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エドガ、「マインドフルネス」を取り入れた不安障害治療のためのVR暴露環境再現コンテンツの開発を開始

エドガ
2020年03月02日

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エドガ
バーチャルリアリティ(以下、VR)を用いた企業向け研修導入支援・制作を行う株式会社エドガ(以下、エドガ 東京都江戸川区、代表取締役:米本 大河)は、慶應義塾大学病院(東京都新宿区) 精神・神経科の佐渡充洋医師チームと連携し、不安障害の治療にマインドフルネスの要素を取り入れた暴露療法用VRコンテンツの共同開発プロジェクトを開始いたしました。






10人に1人に起こりうる、不安障害とは


日本における何らかの不安障害を持っている人の割合は、生涯有病率で約9.2%(※1)といわれています。パニック障害や、閉所や広場などの特定の状況などを恐怖に感じる恐怖症などを内包する障害が不安障害と呼ばれており、この不安障害を抱える人の数について、米国では増加傾向にあるという調査データも報告されています。

発生要因は心因性のものだけでなく、社会的な背景を要因とするものや脳機能異常などがあるといわれていますが、十分な解明はなされていないのが現状です。

この不安障害を抱える人々のなかには、広場恐怖と呼ばれる症状が認められるケースがあります。これは、パニック発作が起きたときにそこから逃れられない、あるいは助けが得られないような状況や場所を恐れ、避ける症状のことを指します。しかし、それにより電車や人混み・行列など、日常生活を送るうえで避けられないような場所に近づくことが困難となるため、著しく行動を制限されてしまうケースが認められます。

※1 厚生労働省WEBページ「みんなのメンタルヘルス」より
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_panic.html






VR空間での体験は恐怖を克服するための「0回目の本番」となりえるか


今回の取り組みは、不安障害のなかでも、パニック障害や広場恐怖を主な対象として行います。具体的には、慶應義塾大学病院の佐渡医師との連携のもと、こうした症状の治療として効果的と言われる「曝露療法」の手法にVRの要素を取り入れたプログラムの開発を行ってまいります。本コンテンツ開発により、パニック障害や広場恐怖などをお持ちの方々の苦手とされる場面(電車や閉じられた空間など)における対処能力の改善が、場所を選ばずより容易にできる可能性があるため、時間的コストなどの削減も期待されています。

また、今回特筆すべきは、VRコンテンツの中に「マインドフルネス」の要素を取り入れるという点です。佐渡医師によると、「マインドフルネス」とは瞑想から連想されるものだけでなく、「今、この瞬間の体験に気づいて、それをありのままに受け入れる態度および方法(大谷彰氏の定義より引用) 」と言えます。今回のVRコンテンツでは、この考え方を前提に「不快な経験・感覚があっても大丈夫」という自己肯定感を生み、植え付けるためのトレーニングツールとして共同開発される予定です。


エドガは、VRを医療分野で活用し、その効果実証に向けて慶應義塾大学病院精神・神経科佐渡医師との共同開発を開始いたします。
また、だれもがみな生きやすい社会をつくるため、「0回目の本番」で何度でもチャレンジを経験し、新しい一歩への不安や恐怖を克服することができるよう、VR活用の幅を拡げてまいります。

■佐渡 充洋医師 プロフィール
岡山大学医学部卒、1999年より慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室に入局。2005年、ロンドン大学大学院留学を経て、現在、慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室専任講師。マサチューセッツ大学医学部認定マインドフルネスストレス低減法qualified teacher、オックスフォード大学マインドフルネス認知療法認定コースステップ1終了。

<株式会社エドガ 会社概要>

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