このページの本文へ

三菱電機とSE4、滝沢市にて遠隔操作による除雪作業の実証実験を実施

SE4
2020年02月12日

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

SE4
SE4の独自技術を、自治体の課題解決へ応用。

 この度、三菱電機株式会社(本社:東京都千代田区、執行役社長:杉山 武史、以下「三菱電機」)によるご協力のもと、株式会社エスイーフォー(本社:東京都台東区、代表取締役:Lochlainn Wilson 、設立:2018年9月、以下「SE4」)は、岩手県滝沢市にて、自社初となる実機を用いた遠隔操作技術の実証実験を実施いたしました。



 本実証実験では、SE4が現在開発を進めているロボット遠隔操作技術*を搭載したショベルカーを用いて、遠隔操作による除雪作業を試行しました。

 三菱電機においてオープンイノベーションの推進を担当する未来イノベーションセンター、滝沢市のコミュニティスぺース「ビッグルーフ滝沢」に会場提供及びご協力をいただき、SE4は実際の作業環境を想定した屋外の現場にて、実機を稼働させる初の試みを実現しました。
 ロボット遠隔操作技術*を降雪地での除雪作業へと応用することで、地方自治体が抱える社会的課題の解決を目指します。

*SE4では、自社で開発したソフトウェアを建機や双腕型アームロボット等へ搭載し遠隔操作を行う技術開発を進めております。このソフトウェアを搭載したハードウェアを総称して「ロボット」と呼んでいます。


【技術的特徴と利点】
 今回実証実験に用いた技術の特徴として挙げられるのは、ソフトウェアを介してユーザーが作業を行いたいポイントを指定し、ロボットが自律的に作業を行うことができる点です。
 従来の遠隔操作技術では、ユーザーの動きを模倣するタイプの技術の場合、細かく複雑な作業には適しているものの、常時ロボットの動向を見守る必要がある為ユーザー自身に高い技術力と集中力が求められます。また、所定の作業をあらかじめプログラミングし実行させるタイプの技術では、一定の作業を繰り返し行う事には長けていても、イレギュラーな事態が発生するとその都度プログラミングをし直す必要があるためタイムリーな対応が困難です。
 SE4の技術では、VR空間に生成された現場の様子から、ユーザーが作業領域を指定する等の必要な情報を直感的な操作で判断・指示し、ロボットが自律的にタスクを実行します。また、現場や土壌の状態等複合的な要素から作業方針を決める等、総合的な判断が必要な場合は、ユーザーがマニュアルモードにて作業を実行。もしくは改善策をロボットへティーチングし作業を継続させることができます。特に不確定要素の多い掘削作業においては、このような柔軟性が不可欠です。

(VR上にて作業領域を指定している様子。青のボールは除雪したい箇所、赤のボールはすくい上げた雪を置きたい箇所を示す。)
(ショベルカーがユーザーの指示通りに作業を実施する様子。)

 この技術を用いることで、建機を始めとするロボットを利用した様々な作業を、遠隔地から効率的に行うことが可能です。
 除雪作業においては、作業時間や、一人では作業が困難な高齢者宅での負担減等、人的負担の削減が見込まれます。滝沢市によると、個人宅や個人商店の駐車場スペース等除雪車を使用することができない場所では、人の手による作業が行われており、かかる負担も非常に大きいとのこと。このような特に手作業が必要な現場においては、技術導入の高い需要が見受けられます。


(左 従来の除雪作業、 右 VRでショベルカーに除雪の指示をする様子)


【今後の展望】
 SE4では、人とロボットが協働する未来を目指して技術開発に取り組んでいます。将来的には自社技術を宇宙でのインフラ構築に利用することを目標に、まずは地球上のあらゆる環境において実証実験を開始しております。本プロジェクトにおいて新たに得られたデータをもとに、掘削や整地等の主に建機を使用した作業に必要な技術精度の向上にむけ、研究開発を促進して参ります。


■三菱電機株式会社 デザイン研究所 未来イノベーションセンターについて
https://www.mitsubishielectric.co.jp/corporate/randd/laboratory/design/index.html
「持続可能性と安心・安全・快適性」が両立する豊かな社会の実現を目指す三菱電機グループにおいて、未来志向の研究開発や、スタートアップとのオープンイノベーションを推進しています。また、研究開発に留まらず、新しい事業や製品・サービスにつなげることをミッションに同社が手掛ける既存事業並びに新規事業との橋渡し役を担います。





■岩手県滝沢市「ビッグルーフ滝沢」について https://bigroof.jp/
岩手県滝沢市の市民交流を促進する拠点として2016年開館。大ホールや会議室などのコミュニティセンターを始め、図書館、レストラン兼市のアンテナショップとしての役割を担うたきざわキッチンと、様々な要素が盛り込まれた複合型の施設です。「ここから始まる、みんなで描く、たきざわの未来!」を運営方針とし、毎月大人から子供まで楽しめるイベントを多数開催しています。指定管理者 Fun Space株式会社により、管理・運営。今回の実証実験において会場提供及び協力を行っています。




■SE4について https://www.se4.space/
株式会社エスイーフォーは、時間や距離を超えて人とロボットが協働するシステム構築をすることをビジョンに 、ロボット遠隔操作の技術開発を行うスタートアップです。特許を出願した独自技術を用いて、地球上だけでなく宇宙空間をも見据えたあらゆる環境でロボットが人類の繁栄を長期的にサポートするシステムを構築し、ロボットと人間の相互作用と相互依存が可能な未来を目指して日々研究を重ねています。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン