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業界人の《ことば》から 第377回

仕事は楽しくないと、エプソン新社長が成長加速に意欲

2020年02月06日 09時00分更新

文● 大河原克行 編集●ASCII

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方向感は定まった、経験の少なさを熱意でカバー

 一方で、碓井社長は、「前半はうまく行ったが、後半は計画通りのスピード感が発揮できなかった反省がある。なんとか数字を見せられるようになってから、バントタッチをしたいと考えたが、少し時間がかかりすぎ、そこまでは行かなかった」と振り返る。

セイコーエプソンの新社長に就任する小川恭範取締役常務執行役員

 「一定の方向感が定まったいまは、私とは違うマネジメントスタイルの方が、スピードをあげ、総合力を発揮できると考えた」と、小川次期社長に期待する。

 これに対して小川社長は、「私の強みは、社員の力を最大限に引き出し、総合力を発揮して、モノづくりをするところである。向かうべき方向が明確になっているので、そこに向かって、社員の力を発揮してもらう」とする。

 そして、自ら「役員になって2年半という経験の少なさが課題」とするものの、「ここ数年で、受け持つ範囲も変わり、できるだけ全社が見えるようなポジションに置いてもらい、そんな考え(=次期社長)もあるかなという感じはあった。経験不足が欠点にならないように努力する」と述べた。実際、碓井社長も、「わかるような形でオペレーションをやってもらってきたので、本人も感じていたのではないか」と漏らし、次期社長就任に向けた準備が進んでいたことを示す。

 方向感が決まったエプソンを、さらなる成長に向けて加速するための小川社長体制は、どんな加速ぶりを示すのか。4月1日以降の新体制が注目される。

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