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佐々木喜洋のポータブルオーディオトレンド 第1回

1万円台の高音質TWS機に見どころ多し、2019年末のポータブル事情

2019年12月31日 09時00分更新

文● 佐々木喜洋 編集●ASCII

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ディスコンになった製品が再販されるレアケース

 ナイコムが、英国RHA社のCL750を11月25日に再販した。1万円を切る価格ながらポータブルアンプ(ポタアン)やデジタルオーディオプレーヤー(DAP)の使用に合ったハイ・インピーダンス設計にしてあり、本格的な音質を備えつつも、コスパの高いことで人気が高かったモデルだ。いったん販売を終了した製品が、人気に応える形で再販されるというのはあまりないことだが、得難い個性のある製品は市場支持も大きいという好例と言える。

CL750

第1回Apple Musicアワードの発表

 音楽関連ではアップルが12月3日に第1回Apple Musicアワードを発表した。

 「アルバム・オブ・ザ・イヤー」「ソング・オブ・ザ・イヤー」など5つの部門を用意してアーティストを表彰する。各賞はApple Musicの編集者の視点で選ぶアワードだが、実際にどのようにストリーミングされたかというデータ(利用動向)も考慮されるそうだ。

 実際にApple Musicにおいて今年最もストリーミングされたというLIL NAS Xの「Old Town Road」がソング・オブ・ザ・イヤーに選ばれた。この賞品としてチップのウエハーが意匠とされた盾が送られるという点も面白い。ある意味で本来ハードメーカーともいえるAppleらしい話である。

技適の特例制度の運用開始

 ポータブルオーディオ周辺としては、11月末から総務省が「技適未取得機の特例運用制度」を始めた点にも触れたい。これは「技適の未取得機」の「条件付き国内使用」を公式に認めるものだ。Bluetoothを使ったワイヤレス機が全盛となった今でも、国の制度は旧態依然とした面がある。これまでも、技適の取得に要する時間などが影響して、最新機器の国内導入が遅れる傾向があった。来年はこれにより海外の最新機種がスムーズに国内に紹介されてくることを期待したい。

来年1年のトレンドが見えてくるCES 2020

 年の初めはアメリカのラスベガスでCESが開催される。トレンドリーダーとして重要な位置を占めるアップルの担当者がプライバシー関連のセッションに登場することも注目されている。製品発表は予想しにくいが、いままでCESとは距離を置いていたアップルの数十年ぶりの登場には興味を惹かれる。

 また、年末になるとCESに向けたオーディオ業界の動きもあわただしくなる。中でも興味を引いたのは、Chord Electronics社が12月24日の公式ツイッターで、アンプやバッテリーを内蔵したUSB DAC製品「Hugo 2」を紹介した後に「Not long, TO GO」(TO GOまでそれほど長くはない)というティザー画像を投稿したことだ。近いうちに大きなアナウンスがあるとも書き添えてあり、これはかねてから予告されていた「Hugo 2のネットワークモジュールの登場ではないか」と推測できる。

 毎年のCESでは様々な新製品発表や参考展示が実施される。CES 2020からは、2020年のヘッドホン・イヤホン業界の新しいトレンドを垣間見られるだろう。

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