ニセモノが出ると人気の証!?
2019年は折りたたみスタイルのスマートフォンが大きな話題になりましたが、モトローラが発表した「RAZR」は他社とは異なる縦折スタイル。2000年代初頭に大ヒットした折りたたみ型携帯電話「MOTORAZR」の復刻版ともいえる製品です。価格は20万円弱しますが「早く欲しい!」と市場での前人気は上々です。
古くはノキア、その後はiPhoneとヒット製品が出てくるたびに、中国ではデザインをコピーしたモデルがよく登場しました。しかも、ただコピーするだけではなくミニチュアモデルを作ってしまうなど、オリジナルにある意味敬意を払ったモデルも存在するのです。いわゆる山寨機(さんさいき)と呼ばれるものです。
とはいえこの山寨機(模倣品)、シャオミが1万円で十分使えるスマホを出すようになってからはその存在も風前の灯火となっています。深センの電脳街にいっても山寨機を探すのは困難なほどです。ところがRAZRでモトローラの人気が再び高まっているのか、ミニチュアの山寨機に新型を見つけました。
モトローラと言えば世界で最初に携帯電話を作ったメーカー。片手で持つのがやっとという大型スタイルのものでしたが、外出中に自在に電話をかけられるという夢の製品だったのです。その後は本体を徐々に小さくしていき、中華圏では「水壺」なんてニックネームもつけられましたが「古き良き時代のケータイ」といえば、誰もがこの形状を思い出すことでしょう。
メーカーはもちろん不明。これで70元ですから日本円で1000円ちょっと。2G(GSM)のDSDSですが、もはや2Gが停波している国もあるくらいで、実用性はゼロ。モトローラ好きな人のコレクションになるくらいでしょうね。
さてこの1機種だけでモトローラ人気が復活とは言えないでしょう。筆者が復活を感じたのは、他のモトローラ携帯電話のミニチュア版も見つけたからです。まずはこちらを。日本では見慣れないモデルでしょうが、これらもモトローラの往年の名機を再現したモデル。手のひらにちょこんと乗る大きさが魅力です。
それぞれオリジナルは「V70」「AURA」というモデル。どちらも10キーが見えませんが、前面のフリップ部分を回すように回転させると10キーが現れるという、デザインを重視したモデルでした。価格は高く「買えなかったなあ」なんて思う人はいい年かと(笑)。
V70は2002年と、まだスマートフォンがちらほらと出てきた時代の製品。なかなかアグレッシブなデザインです。一方、AURAは2008年ですでにiPhoneが誕生した後のモノ。スマートフォンで出遅れたモトローラが高級端末で対抗しようとした製品でもありました。
このミニサイズのAURAっぽい携帯電話も、このように変形します。
V70っぽい端末もご覧の通り。この手の製品は、最近ではノキア3310っぽいミニ携帯電話が出てきましたが、どうせならメーカー自らが手掛けるのも面白いかもしれません。携帯電話としてではなく、Bluetoothヘッドセットとして出して、スマートフォンとペアで使えるようにするのもいいですね。
コピーはいけないことですが、このようなミニチュアが出てくるということはモトローラの知名度や人気が復活していることの証明と言えるでしょう。新型RAZRは12月末にアメリカで発売になりますが、ショップに行列ができるくらいの熱狂の渦が沸き起こるかもしれません。
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