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グーグルの「ルーン」がペルーで気球インターネット提供へ

2019年12月02日 07時37分更新

文● Neel V. Patel

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Loon

グーグルの「プロジェクト・ルーン」は11月20日、高高度気球を使ってペルーの農村地域をインターネットに接続する新しい契約を発表した。これまで災害発生時に試験的・限定的な形での運用実績はあるものの、恒久的なインターネットアクセスをルーンが提供するのは初めてだ。

ルーンの契約は、2021年までにペルーの農村部600万人へのネット接続を目指す「インターネット・パラ・トドス・ペルー(Internet Para Todos Perú:IpT)」とのもの。この契約によって、ルーンはアマゾン熱帯雨林の一部であるロレート地域に焦点を当て、気球による4G/LTEサービスを2020年から開始する。気球はロレートの15%をカバーし、最大20万人を接続する試みだ。その多くは先住民族である。

ペルーとルーンはすでに協力関係を確立している。2019年5月にロレートを震源地とするマグニチュード8.0の地震がペルーのインフラの大部分を破壊した際、ルーンは同月内に気球を展開した。ルーンは、2017年の壊滅的な洪水の余波の中でも、積極的にペルーでネット接続を提供した。2017年のハリケーン・マリア(Hurricane Maria)の後にも、プエルトリコで気球を展開している。

同社はまたテレコム・ケニア(Telekom Kenya)とも商業契約を結んでいる。現在はサービス開始の前に最終的な規制当局の承認を待っているところだ。

ルーンの太陽電池式気球は、地球から12マイル(19.3キロメートル)以上の高度に到達し、半径25マイル以内(約40キロメートル)のエリアをカバーできる。過去10年間で、ルーンは気球の寿命を平均150日間に改善した。なお、これまでの最長記録は 223日だ。

ルーンは時速180マイル(約290キロメートル)を超え、高度によって異なる方向に流れる乱流の成層圏風を避けるために、より高性能な制御システムを設置することで寿命を改善したい考えだ。荒天を避けるために飛行経路を自動的に決定できる人工知能(AI)搭載ナビゲーションを組み込むことは、大きな前進となるだろう。また、米国国防先端研究計画局(DARPA)は現在、新しいセンサーをテスト中でもある。これは長距離からの風速方向を特定し、成層圏の気球(ルーン以外を含む)の注意を喚起するものだ。その技術が軍隊にとどまらなければ、ルーンを含む民間企業も活用法を見つけられるかもしれない。

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