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「建設現場向けIoT火災報知システム」の実証実験を実施

ヤマトプロテック株式会社
2019年11月05日

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ヤマトプロテック株式会社
~火災報知器をクラウドシステムと連携し、自動で避難経路をアナウンス~

竹中工務店(社長:佐々木 正人)、KDDI(社長:高橋 誠)、ヤマトプロテック(社長:乾 雅俊)は、火災発生時に避難経路を選択して、メールや場内スピーカーで自動通知する、「建設現場向けIoT火災報知システム」の実用化に向けた実証実験および本システムを導入した避難訓練を、2019年9月13日に竹中工務店東陽3丁目計画作業所にて実施しました。


竹中工務店(社長:佐々木 正人)、KDDI(社長:高橋 誠)、ヤマトプロテック(社長:乾 雅俊)は、火災発生時に避難経路を選択して、メールや場内スピーカーで自動通知する、「建設現場向けIoT火災報知システム」の実用化に向けた実証実験および本システムを導入した避難訓練を、2019年9月13日に竹中工務店東陽3丁目計画作業所にて実施しました。

日々状況が変わる建設現場では、有線接続による火災報知器の集中管理が困難なため、局所的な使用に留まっています(図1 a)。そのため、施工中の火災発生時に、初期対応や避難に時間を要するといった危険性があります。

本システムは、竹中工務店による独自のIoT分電盤※1、KDDIのIoTクラウドシステム、ヤマトプロテックの火災報知制御モジュールなどの応用により実現したものです。火災報知器をネットワークに繋ぎ、クラウドシステムと連携させることで、火災発生個所に応じて避難経路を選択し、場内スピーカーにより自動でアナウンスします。建設現場の全作業員に向けて一度に火災発生を通知することで、より迅速な初期対応や避難を可能にします。その場にいない作業員や内勤の事務職員へもメールで通知するので、作業所が無人となる夜間などにも有効です。(図1 b)。

また、竹中工務店が開発したIoT分電盤を活用することで、電波の届きにくい地上30階以上や地下の作業場でも通知を受けとることが可能となります。

※1 PLC(電力線通信)を活用した、仮設電源線のみでネットワークにつながり、設置するだけでWi-Fiスポットになる工事用の仮設分電盤。竹中工務店独自のフィルター技術によって通信速度を向上し、建設現場への適用を実現。<https://www.takenaka.co.jp/news/2017/12/02/index.html>

図1 従来方式との比較


本作業所で実施した避難訓練では、発報と同時に、本システムから同作業所内の竹中工務店作業所員と協力会社職長に、メールで避難指示や避難経路が通知されるのと同時に所内スピーカーから避難経路がアナウンスされました。
その結果、発報してから避難を開始するまでの時間が0分となり、約5分で迅速な避難行動を実現しました。
また、消火担当や誘導担当への初期対応を自動で通知することで、より迅速な初期対応も可能となります。
建設作業所における火災は、全作業員の身の安全を脅かすだけではなく、工期の遅れを招く可能性や、建物のイメージに影響を与える可能性があります。今後も、本システムの将来的な実用化を含め、建設作業所における防火や避難対策のあり方を検討し、全国の建設作業所における火災事故の撲滅を目指します。
写真1 避難経路を通り避難する作業員


写真2 約5分で全員の避難が完了
(参考)各社の役割
1.竹中工務店
・実証実験フィールドとIoT分電盤の提供、PLC通信に関する技術提供、効果検証
2.KDDI
・KDDIモジュール搭載IoTデバイス、クラウドシステムの提供
3.ヤマトプロテック
・火災報知器、制御モジュールの提供

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